銀座のクラブに勤務する筆者が「銀座に出没するちょっと残念なおじさん」をご紹介します。今回ご紹介するのは、「ホステスにスティックタイプの羊羹を『あーん』してもらう際に『チャオちゅ~るみたいだね♪』と言って喜ぶおじさん」です。
絶対に猫の方が可愛いから
銀座のクラブなど、飲み屋さんのテーブルにはだいたい「チャーム」と呼ばれるおつまみセットのようなものが置かれているのが一般的です。
こちらは居酒屋さんの「お通し」と同じく、席料やテーブルチャージに含まれていることが多いです。
柿の種やチョコレートなどの他に、お店のママやスタッフが旅行先で購入したお土産などもこのチャームにちょこんと入っていたりします。バラエティ豊かで楽しいひと皿です。 ところが、個包装されたおつまみの袋を上手に開けるのって、特にお年を召した方にとっては少し難しい。
よって、おつまみの袋はホステスが開けます。「はい、あーんして」「あーん」なんていう魅力的なやり取りもあり、これも夜遊びの楽しみのひとつとなっています。
ある日、チャームにスティックタイプの羊羹が入っていました。
いつものように封を開けて「はい、あーんして」と、お客様に声をかけたところ
「『CIAOちゅ~る』(チャオちゅ~る)みたいだね」
と、彼は照れくさそうにモジモジしていました。
『CIAOちゅ~る』といえば、「ちゅ~るちゅ~るチャオちゅ~る」というCMソングでお馴染みの猫ちゃん用おやつ。
羊羹をすすってるおじさんが猫ちゃんに見えることはないけど……。
おじさんはなんだかんだ言われてるけどめっちゃタフ
でも喜んでくれてよかったです。「お爺ちゃん扱いするな」って言われるより、「チャオちゅ~るみたいだね」と照れ笑いされる方がずっと嬉しいですからね。
男性の前向きさ、ポジティブさが時々羨ましくなります。そういうタフさは多分私たちにはない。
なんだかんだ言われてるけど、男性はまだまだ「弱い生き物であること」を許されていないのだと思います。ちょっと可哀想でもある。
そんなわけで、羊羹をすする自身を猫ちゃんに重ねてしまうくらいには前向きでポジティブなのです。
遊んでいるときくらいは恥ずかしい姿をいっぱい見せて
職場や家庭、ご近所ではタフなスーパーマンでいなくてはいけない男性が、こうして私たちにはお腹を見せてゴロゴロ甘えてくれる。何よりも嬉しいことじゃないですか。
遊んでいるときくらいは恥ずかしい姿もいっぱい見せて欲しいですね。