4月に入社式を控えている新入社員の皆さん、新入社員さんを迎える企業の皆さん、おめでとうございます。これから「新人歓迎会」などを計画していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ところが、SNSでは「会社の飲み会には参加したくない」という声も多く見られ、少し前には、部下と思われる男性が上司に「飲み会に残業代は出るんですか?」と尋ねる動画がバズるなどしていました。
昔なら、飲み会は会社が従業員のために開いて"あげる"ものだったのでしょうが、現代っ子たちにとっての飲み会は、会社のために参加して"あげる"ものに変わったのかもしれません。
実際にホステスとして働いている中で、平成と令和とでは飲み会のあり方がずいぶんと変わったと感じることがあります。
そこで今回は「飲みにケーションのあり方の変化と若手社員との上手な付き合い方」についてお話してみたいと思います。
あまりにも自由過ぎる新入社員たち
一昨年の6月のことです。飲み会の2次会に銀座のクラブへいらっしゃった方々を接客したことがあります。新入社員さんが6名ほど、上司の方が10名ほどの団体のお客様でした。
「入社して約3カ月か……新入社員の方々はさぞかし緊張しているだろうな」「頑張ってね~」なんて気持ちで見守っていました。ところがどっこい。新入社員と思われる20代男女6名は、上司の方の話を肘をついたまま聞く、脚を組んだまま聞く、さらには話なんて全く聞かずに新人同士で何やらおしゃべりをして盛り上がるなど、自由にやりたい放題です。
さらには上司の話をさえぎってホステスと連絡先交換をしている猛者も……。さすがに自由過ぎるだろ。
その後も「カラオケは上司の方々の年代にあわせて吉幾三とかを歌っておくのが無難よね~」と思って見守っていましたが、新人6名はYOASOBIの「アイドル」、Adoの「うっせえわ」を熱唱するなどやりたい放題です。
一方で、上司の方々は米津玄師やヒゲダンを歌うなどし、若者に寄り添う健気な姿を見せていました。
飲み会は上司の方々をねぎらうものから、上司の方々が若手社員をもてなすものに変わったようだ、と感じました。
平成の新入社員はつらいよ
私の頃は、なんていう話をするといかにもおばさん臭くてイヤになるのですが、私が新入社員だった平成24年(2012年)の頃の飲み会はというと、上司の武勇伝は黙って聞くのは当然のことで、さらには新人が「ピッチャーのビール一気飲み」などの危険行為を強要される、できなければビンタされるといった、今振り返ると異常なことなのですが、そのようなパワハラ、アルハラが横行しておりました。
女性社員まで一気飲みを強要されることはさすがになかったので、私はというと対岸の火事的な気分で、スーツを汚している新人男性社員たちのことを眺めていました。
- 上司は上座に、部下は下座に
- 乾杯のグラスは下から
- 上司のグラスが空いたらすかさずお代わりを用意する
- お酌をするときはボトルのラベルを上に
ここまで気にして、武勇伝を聞かされ、飲酒を強要され、ビンタまでされ……平成の新入社員は辛い。しかも、上司の方の懐次第では「悪いけど今日は割り勘で」なんてこともザラです。
これでは「飲み会には行きたくない」とボヤく若手社員が増えるのも無理がないと思います。
若手との正しい付き合い方
既述の通り、飲み会は会社が従業員のために開いて"あげる"ものから、従業員が会社のために参加して"あげる"ものに変わりました。いつまでも平成の感覚でパワハラ・アルハラを行っているおじさんおばさんは注意が必要です。
- 飲み会は就労時間内に行う
- 二次会は行わない
- 武勇伝は徹底的に封印
- 飲酒の強要は行わない
令和の飲み会では、このような配慮が必須です。飲酒の強要に関しては本当に危険なことなので、配慮ではなく、「絶対に厳禁」です。
とはいえ、二次会が行われないのはホステスとしては大変寂しいことです。「銀座のクラブって楽しいな」「またあのお店で二次会をしたいな」と思っていただけるように精進します。
さらに、飲み会に限らずセクハラは絶対にいけません。昨今、利害を裁量する立場にある方からのセクハラや性被害を告発する動きが活発です。とても良い時代になったと感じます。
どうしても色っぽい会話や雰囲気を楽しみたい方は、ぜひ銀座へいらしてください。我々がお相手します。