腸内環境は、何カ月もかけなければ改善しないと思っていませんか。実は、住む環境と食生活を変えただけで、わずか3日間で腸内細菌の多様性が20%増えたという体験が報告されています。『新版 最高の体調』(鈴木祐著/クロスメディア・パブリッシング)から、ロンドン大学の研究者がたどり着いた「再野生化」という考え方を紹介します。

食生活を"再野生化"して腸を守る

2016年、ロンドン大学のティム・スペクター氏は、研究のためにハッザ族の村で3日ほど彼らと食生活を共にしました。バオバブやコンゴロビといった果物を大量に食べてからロンドンに戻った教授は、そこで自分の体内に思わぬ変化が起きていたのを発見します。

「ロンドンに帰った私は、自分の便サンプルをラボに送って解析してもらった。すると、その結果には明確な違いが出た。腸内細菌の多様性が20%も増えていたのだ。残念なことに、2~3日も過ぎると腸内細菌は旅行前の状態に戻ってしまったが」

住む環境や食事を変えれば、私たちの腸内は3日でも多様性を取り戻すようです。腸内環境の悪化に悩む現代人には吉報でしょう。

しかし、いっぽうでスペクター博士はこうも戒めています。

「この体験から、我々は大事な教訓を得られる。どれだけ先進国の住人が食事や環境を改善しても、古代人ほどのレベルに到達することはできない。とはいえ、すべての人は自分の暮らしを『再野生化』して、腸の健康を改善すべきだ。普段の食事をもっと野生的に変えて、自然の微生物との触れ合いを取り戻すのが重要なのだ」

現代人が暮らす環境では、狩猟採集民と同じように腸内細菌と仲良くするのはもはや不可能な話。それでも私たちは、旧友との関係をやり直すために、あがき続けなければならないのです。

『新版 最高の体調』(鈴木 祐/クロスメディア・パブリッシング)

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