- 睡眠や活動量、ストレスなどを高精度に計測し、毎日の健康状態をわかりやすく可視化。
- AI機能「Oura Advisor」が、自分の計測データをもとにした具体的なアドバイスを提供し、実践的な改善につなげる。
- 24時間快適に装着できるデザインと長期のデータ蓄積により、継続的な健康管理を自然に習慣化できそうだ。
スマートリングは、日々のヘルスケアに役立つデータをセンシングできる、指輪型のウェアラブルデバイス。
中でも「Oura Ring 5」は、軽快な装着感とデザイン性の高さで、今注目の最新モデルだ。
後編では、搭載センサーから得られる様々な健康指標や、自身のデータに基づいて相談できるAI「Oura Advisor」などの機能をレポートする。
関連記事:NBAも採用する高い計測精度。スマートリング「Oura Ring 5」で新たな健康管理を始めよう(前編)
3種のセンサーで生体データを計測。ECG比99%の精度を実現
「Oura Ring 5」には、PPGセンサー(光で血液の状態を読み取るセンサー)、体温センサー、加速度センサーが内蔵されている。
PPGセンサーでは心拍数やHRV(心拍変動)、血中酸素濃度、呼吸数を、体温センサーでは体表温の変化を、加速度センサーでは活動量と動きを計測。これらをもとに、睡眠やアクティビティ、ストレスなどをスコア化している。
メーカーであるOURAは、センサーの計測精度や各種指標の裏付けとして、データサイエンスや医療科学の専門チームによる10年以上の研究開発や、ハーバード大学医学部などの著名な研究者がメディカルアドバイザーを務める体制をアピールしている。
NBAをはじめとする複数のプロスポーツチームが、選手のコンディション管理に採用していることは、前編でも紹介した通り。「Oura Ring 5」ではさらに、ECG(心電図検査)との比較で心拍数は99%、臨床睡眠検査との比較で睡眠ステージは95%という高い精度を実現しているという。
睡眠の質が翌朝グラフになる。飲酒の影響も数字で実感
スマートリングには、スマートウォッチのようなディスプレイがないため、計測されたデータはすべて、スマートフォンの専用アプリ「Oura」で確認することになる。
アプリでは睡眠、アクティビティ、ストレスの各スコアに加えて、女性向けに体表温の変化や生理の記録をもとにした健康指標や、これらを合わせたコンディションスコアが見られる。
各項目それぞれに、グラフで視覚化されているだけでなく、各指標を掘り下げて自分の状態を詳しく確認できる。中でも筆者が価値を感じたのは、睡眠に関するインサイトだ。
毎朝アプリを開くとリングからデータが同期されて、前夜の睡眠がグラフで表示される。深睡眠・レム睡眠・浅睡眠・覚醒の推移を時系列に把握できるだけでなく、入眠にかかった時間や夜間の呼吸の乱れについても、詳細に確認できる。
筆者はいびきを自覚しているため、夜間の呼吸の状態が特に気になっていた。
確認してみると、飲酒した夜は呼吸が不安定になりやすいことがわかった。また、数日にわたって睡眠不足が続くと、「睡眠負債」として表示される機能も、日単位ではわからない新たな気づきを与えてくれた。
日中に仮眠を取った際には、短い眠りでもその都度きちんと認識され、スコアに反映されていたのに驚いた。
歩いた距離からストレスまで。1日の活動がタイムラインに記録される
残念ながら筆者は普段、まとまった運動をする機会がほとんどない。だから移動のための歩行が、アクティビティにウォーキングとして自動的に記録されていたのは、うれしい驚きだった。
スマートウォッチのように、今ウォーキング中かどうかを都度確認されることなく、歩いた距離や時間、消費カロリー、心拍数が自動的に記録される。あとからアプリで確認するだけでいい。
アプリには起床から就寝まで、1日の活動をタイムラインで振り返る機能もあり、たくさん歩いた日、早く就寝できた日などが、ひと目でわかるところも気に入った。
今回は約1週間と試用期間が短く、すべての機能を試せたわけではないが、データが積み重なれば、累積ストレスやそこから回復する能力、心血管年齢のような指標も得られる。
様々な指標を組み合わせた、毎日のコンディションスコアでは、今日はなんとなく身体がだるい、疲れがとれていないなど、日々感じていた自分なりの感覚を答え合わせできるのも新鮮だった。
なお、これらの機能をすべて利用するには月額999円、年払い11,800円のサブスクリプションサービス、Oura Membershipへの加入が必要で、そうでない場合は得られる指標がかなり制限される。65,800円~の製品価格に加えて、ランニングコストが必須であることは、購入前に確認しておきたい。
自分のデータで相談できるAI「Oura Advisor」は、一般論より具体的
Oura Membershipでは、ここまでに紹介した機能のほかに、AIアシスタント「Oura Advisor」も利用できる。よくあるチャット形式のAIだが、自分自身の計測データに基づいたアドバイスが得られるのが特徴だ。
たとえば筆者が「睡眠が不規則になりがちだが、どう補えばよいか」と質問したところ、「睡眠量は不足していないが、日によるバラツキが大きい」という分析を示した上で、起床時刻を固定すること、短い昼寝を活用することといったアドバイスをもらった。自分のデータが前提にある対話には、一般論ではない、“自分専用のアドバイス”という具体性が感じられた。
AIのプライバシーについては気になるところだが、OURAの公式サイトには、「Oura Advisorへの入力データは外部のLLMのトレーニングには使用されず、健康データが使用されることもない」と記されている。センシティブな情報だけに、こうした方針が明文化されている点は安心できる。
24時間ストレスなく装着できる、理にかなったヘルスケアデバイス
筆者はこれまで、様々なヘルスケアデバイスを試してきたが、「Oura Ring 5」を使用して改めて感じたのは、睡眠中も含めて24時間計測することの重要性だ。
健康データを測り続けるためには、ストレスなく着け続けられることが大切。ヘルスケア用途に限れば、スマートウォッチ以上に理にかなった選択肢だと感じた。好きな腕時計を楽しみつつ、健康管理はスマートリングに任せる。そんな使い分けができるのもうれしい。
唯一の難点はバッテリー残量を把握しにくいことだが、それも「Oura Ring 5」のバッテリーが持続可能な6~9日の間に、付属の充電台にセットするルーティンができれば問題ない。旅行や出張が多い人には、充電用のバッテリーを内蔵した「Charging Case」(11,800円)も別売で用意されている。
健康データは積み重なれば重なるほど、インサイトが深まり、価値が増す。わずか1週間の体験でも様々な気づきを得られたと感じているが、今後使い続けることでどのような景色が見えてくるのか楽しみだ。







