中国のBYDは、高級車ブランド「仰望」(YANGWANG=ヤンワン)の「U9」というスポーツカーを日本で初めて公開した。電気自動車(EV)で「最速」をうたう超高性能モデルで、道路に穴があいていたらジャンプして避けるという独特な機能も搭載しているそうだが、日本での販売は? 聞いてきた。
「ニュル」で7分切り! U9とは
ヤンワンのU9はEVのスーパーカーだ。U9をサーキット走行に特化させて作った「U9 Xtreme」というクルマは、最高速度496.22km/hのEV最速記録を樹立。おなじみの「ニュルブルクリンク北コース」では6分59秒157を記録し、サーキット性能の高さも証明した。EVが速さをアピールする場合は「ゼロヒャク加速」(停止状態から100km/hへの加速に要する時間)の秒数を言いがちな中、かの有名な「ニュル」で7分を切ってみせたU9 Xtremeからは、クルマとしての総合力が高そうな印象を受ける。
U9はジャンプする機能も搭載しているとのこと。具体的には「DiSus-X」という技術が肝になっているそうで、サスペンションやアクチュエーターの高度な制御でジャンプが可能となるらしい。JMS2025の会場でBYDの説明員から動画があると聞いたので検索してみると、U9が道路の溝や道路にまかれた「まきびし」的なトゲトゲを飛び越えている様子が確認できた。
ラッコが売れればU9がやってくるかも?
U9は中国で販売中のクルマであり、「U9 Xtreme」についても世界30台限定で発売したそうだが、日本導入の可能性は? BYDの説明員に聞いてみると、「正直にいうと……まったくないですね(笑)」との回答だった。ただし、「JMS2025で日本初公開となった『シーライオン6』と世界初公開した軽EVの『ラッコ』、これらも含めた既存モデルがたくさん売れてくれたら、もしかすると……」と含みを持たせた言葉も聞くことができた。
「ラッコ」(RACCO)は日本で売れ筋の軽スーパーハイトワゴン市場にBYDが投入する電気自動車(軽EV)。「シーライオン6」(SEALION 6)は同社が日本に初めて投入するプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。
日本独自の規格である「軽自動車」をわざわざ専用開発で作った「ラッコ」を見ると、BYDが日本市場の攻略に本気であることがビシビシと伝わってくる。シーライオン6についても、日本にはEVしか導入しないという姿勢を示していたBYDが、実際の市場のニーズをしっかりと調べ、「お客さんが欲しがるクルマを持っていこう」と判断していることが読み取れる商品展開だ。
BYDの日本における販売台数は2025年9月単月で799台。率直に言って少ないと感じるが、それでも日本市場参入以来で最高の数字だったという。
BYDは「知名度不足」と「中国製であること」がネックとなり、なかなか日本でシェアを伸ばせていないが、それでも、徐々に知られるようになってきている(長澤まさみさんを起用したCMの効果が高かったのでは)ようだし、ラッコとシーライオン6が日本市場におけるブレイクスルーのきっかけになるかどうか、注目せざるを得ない状況だ。













