ホンダの新型「プレリュード」が人気だ。このクルマ、いろいろと気になることがあるので、試乗した後、ホンダの開発陣にいろいろと聞いてみた。
開発期間は3年! スピード感を持って進めた理由
新型プレリュードの開発が始まった当初は電気自動車(EV)が急速に普及していくという機運が高まっていたこともあり、「ハイブリッドモデルが落ち目になる前に、早くリリースしたい」とのスピード感を持って物事を進めたと話す開発陣。その結果、クルマの開発期間としてはかなり短い3年で発売までこぎつけたそうだ。
今となってはEV普及に急ブレーキがかかり、今後しばらくはハイブリッド車の全盛期が続きそうな情勢なので、プレリュードにとってみれば時代は追い風だといえる。
デザインに関しては、相反する要素を両立したスペシャリティパッケージをコンセプトにしている。
具体的には、ワイドボディでありながら全高をできるだけ低くしつつ、アンバランスになりがちな大径タイヤを絶妙なバランスで配置することに成功。車内はノイズレスなクリアな視界を確保し、クーペとしては十分な後席の居住性(とはいえ大人が座るのは厳しいが……)を実現している。ハッチバックゲートは大きく開き、後席を倒せば荷室もかなり広くなる。これもクーペとしては意外な点だ。
デザインについて開発担当者は、「可能な限り引っかかりのない、ダイナミックかつスムースなシルエットを目指しました。そのため、車外に飛び出してしまうアンテナはリアガラスに埋め込む処理を施し、引っかかりをなくしています」とこだわりを強調する。
試乗していてふと気になったのは、なぜサンルーフを付けなかったのかということ。歴代のプレリュードを見てみると、ほぼすべてのモデルにサンルーフが付いていたし、サンルーフが付いていた方がクーペらしいとも思う。
この点については次のような話が聞けた。
「サンルーフを付けるか付けないかについては、私たちも話し合いました。しかし、サンルーフを付けると、全高が高くなってしまうんです。さらに、ルーフの厚みが増すため、車内の居住空間を圧迫します。全高が高くなって車内が狭まるので、全高を低くしようというデザインコンセプトからはかけ離れてしまいます。そのため、サンルーフは標準装備どころか、オプションでも用意しないことにしたのです」
プレリュードの次なる展開は?
新型プレリュードの販売目標は月間300台。発売から約1カ月で2,400台の受注を獲得したというから、多くの人が新型プレリュードを待っていたか、あるいは商品性(キャラクター)に共感できたのだろう。その結果が受注台数に結びついたといっていい。
ホンダの開発担当者は、「ハイブリッドクーペのような面白いモデルが他社からも続々と登場してくれることを願っています」と話していた。そうなれば、これまではミニバンやSUVなどと比べると静かだったクーペ市場がにぎやかになっていくはずだ。
ホンダは次世代のハイブリッドシステムを開発しており、2026年以降のハイブリッド車に搭載していく予定だ。それも踏まえて、発売したばかりではあるが、プレリュードの今後の展望についても聞いてみた。
「e:HEVとプラットフォームは全方位で進化させる計画があります。ハイブリッド車はエコカーだというイメージが定着していると思いますが、エコなだけでなく、スポーティーな走りにも最適です。そこを強調していきたいと考えています。プレリュードの今後について具体的に話せる内容はありませんが、社員同士ではいろいろな話をしていますし、面白い案も挙がっています。もちろん、プレリュードだけではなく、全てのモデルにおいて次のことを考えています。期待していただければと思います」
プレリュードに関していえば現状は1グレードのみだが、販売が好調なら、より装備を簡素化したシンプルグレードや、走りや装備を充実させた上位グレードなどが出てきてもおかしくはない。それこそ、クーペの颯爽とした走りをより堪能できるオープンカーなどにも期待したい。今後、モデルバリエーションが広がっていくことを願わずにはいられない。








