アニメ映画にもさまざまなクルマが登場します。今回ご紹介するのは、映画『エヴァンゲリオン新劇場版』に登場するアルピーヌ「A310」です。いったいどんなシーンで登場するクルマなのでしょうか?
トミカでも大人気!
映画『エヴァンゲリオン新劇場版』は架空の大災害「セカンドインパクト」が発生したあとの世界を舞台に、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった登場人物たちと、第3新東京市(神奈川県箱根町付近という設定)に襲来する敵「使徒」との戦いを描いた作品です。2007年から2021年にかけて全4部作が公開されました。主人公の碇シンジや綾波レイ、渚カヲルなど個性的なキャラクターが数多く登場し、フィギュアなどのコレクターズアイテムも人気の作品です。
多彩な登場人物の中で、「NERV/戦術作戦部作戦局第一課 課長」という設定で登場する葛城ミサトの愛車が、アルピーヌ「A310」というクルマです。
A310は1971年から1984年までの13年間にわたってアルピーヌが手掛けたスポーツカーです。アルピーヌはブランドとして独立していましたが、1973年にフランスの自動車メーカー・ルノーによって買収され、現在は子会社として、ルノーのスポーツモデルをすべて手掛けています。
なお、A310を中古車市場で確認すると、1台だけ見つかりました。1973年式、走行距離は不明で、お値段は1,400万円ほどです。
映画やドラマなどに登場するクルマをミニカーで再現した人気シリーズ「トミカプレミアム アンリミテッド」では、劇中に登場するA310を忠実に再現したトミカが販売されていて、一部の店舗では売り切れるほど人気となりました。
劇中車は架空のモデルか?
2007年公開の映画『エヴァンゲリオン新劇場版:序』では、冒頭、街に使徒が襲来する中、碇シンジを葛城ミサトがA310で迎えにくるシーンが描かれています。使徒に襲撃されて吹き飛ばされたA310の破損したバンパーをガムテープで留めて走行するシーンは印象的です。
A310は当時、ポルシェ「911」に対抗するモデルとして人気があり、鉄管バックボーンフレーム、リアに置かれたエンジン、繊維強化プラスチック(FRP)ボディなどが特徴のグランツーリスモ(高性能ロードカー)でした。劇中に登場するA310は初期型(1971~1976年)のヘッドライト(6連)とマイナーチェンジ後のボディを組み合わせたオリジナル仕様(架空のモデル?)のようです。
葛城ミサトは複数のA310を所有しているようで、A310を改造し、ローンが残っているという発言も確認できました。かなりマニアックなクルマ好きのようですね。設定が細かいです。
A310の初期型は1.6Lの直列4気筒エンジンでしたが、パワー不足を解消するため、1976年のマイナーチェンジでは2.6LのV6エンジン(ルノー、プジョー、ボルボの共同開発)に変更されています。1981年には2.8Lまで排気量を拡大しつつ、ガチガチのスポーツカーではなく、比較的乗りやすいグランツーリスモとして人気を博しました。
なぜ葛城ミサトの愛車がA310だったのか、公式のアナウンスは確認できませんでしたが、旧車やバイクが好きなことでも知られるキャラクター原案の貞本義行氏による意向ではないか、といったファンの意見も確認できました。
個人的な考えをいえば、エヴァンゲリオンという近未来的ともいえる人型兵器とは対照的な存在として、あえてクラシックなスポーツカーを選んだのではないでしょうか。白や黒といったモノトーンではなく、明るめのブルーを採用することで、色彩で負けない存在感をアピールしたのかもしれません。
実車を見る機会はほとんどないA310ですが、映画の中では躍動感のある走行シーンが見られます。気になった方は、エヴァンゲリオン新劇場版をチェックしてみてください。








