日本メーカーのミドルサイズSUVで上質なクルマを選ぶなら、ホンダ「CR-V」とトヨタ自動車「ハリアー」を比べてみたくなるはず。今回は両モデルの性能と燃費を比較してみる。
ハリアー対CR-Vの写真を一気に見る
ハイブリッドシステムの構造
ホンダ「CR-V」は「e:HEV」というシステムを搭載するハイブリッド車(HV)だ。今回はハリアーのHVと比べる。
まず、採用しているハイブリッドシステムの仕組みが違う。ホンダのe:HEVは、2つのモーターを備えるシステムだ。
e:HEVの特徴は、日常走行の大部分を「モーター」が担当し、エンジンは主に発電に回るという点だ。EVモードではバッテリーの電気だけで走行。ハイブリッドモードではエンジンが発電し、その電気で強力なモーターを回して走行する。
トヨタが長年熟成させてきたハイブリッドシステム「THS-Ⅱ」は、エンジンとモーターの出力を「動力分割機構」という歯車で巧みに合成・分配するシステムだ。エンジンとモーターが常に手を取り合って効率を追求する。
発進はモーター、速度が乗ればエンジンが主体となりつつ、モーターがそれをアシストする。2.5Lの大型エンジンを採用し、最大熱効率41%という世界トップレベルの燃焼効率を実現している 。
燃費性能の比較
ここでは燃費の指標となる「WLTCモード」の数値を比較する。WLTCモードとは、国際的な試験方法に基づき、市街地、郊外、高速道路の走行を平均的に組み合わせた実態に近い燃費数値のことである 。
CR-V e:HEV:2WD(FF)19.8km/L、4WD(AWD)18~18.2km/L
ハリアー ハイブリッド:2WD(FF)22.4~22.7km/L、4WD(AWD)21.7~22km/L
数値を見ると、ハリアーが優位に立っている。ハリアーはCR-Vより排気量の大きいエンジンを積んでいるものの、トヨタ独自の緻密な制御により22km/Lを超える優れた燃費性能を実現している 。
CR-Vの19.8km/L(FF車)もミドルサイズSUVとしては十分に優秀な数値だが、ハリアーに比べると一歩譲る形となる。ただし、CR-Vは「モーター主体の走り」による応答性の良さを重視しており、燃費数値に表れにくい「加速の気持ちよさ」にリソースを割いている側面がある。
走行性能と動力スペック
動力性能においては、単なる馬力(最高出力)の数字だけでなく、「どのように力が立ち上がるか」という感性の部分が重要だ。
CR-V e:HEV RSのスペックは以下の通りである。
エンジン最大出力:109kW(148PS)
エンジン最大トルク:183Nm
モーター最大出力:135kW(184PS)
モーター最大トルク:335Nm
注目すべきはモーターのトルク(蹴り出しの力)だ。335Nmという数値は、3.0L級のガソリン車に匹敵するパワーであり、アクセルを踏んだ瞬間に遅延なく加速が始まる。
また、CR-Vには「アクティブサウンドコントロール」が備わっている。時に心地よいエンジン音をスピーカーから流すことで、ドライバーの感性と加速感を一致させる工夫がなされている。
ハリアー ハイブリッドのスペックは以下の通り。
エンジン:131kW(178PS)/221Nm
フロントモーター:88kW(120PS)/202Nm
リヤモーター:40kW(54PS)/121Nm
ハリアーはシステム全体で200馬力を超えるパワーを誇り、高速道路の合流や追い越しでも余裕の走りを見せる 。トヨタ独自の「静粛性の高いプライベート空間」を目指した設計により、エンジン始動時の振動や音が極めて小さく、洗練された高級車らしい走行フィールを持ち味とする。






