Amazon Web Services

米アマゾンウェブサービスは8月4日(現地時間)、一部地域のみで提供していたAmazon VPC(Amazon Virtual Private Cloud)を、AWS(Amazon Web Service)の全リージョンで提供開始したことを発表した。サービス利用企業は、東京、米国東海岸、米国西海岸、欧州、シンガポールのいずれのリージョンでもAmazon VPC環境を構築できることになる。

Amazon VPCは、AWSの中に企業専用のプライベート領域を割り当てるサービス。利用企業は割り当てられた仮想ネットワーク領域内でAWSのリソースを活用し、IPアドレス範囲の選定やサブネットの作成、ルートテーブル・ネットワークゲートウェイの設定などが行える。企業にとっては、既に使用しているセキュリティ対策や運用管理手法を活かしつつ、シームレスなAWSの利用が実現する。

Amazon VPCへの接続は、VPNまたはインターネットが使用でき、支店網などの複数ネットワークの相互接続やそれらと中央のAmazon VPC環境との接続も可能。

また新サービスとしてAWS Direct Connectが公開された。これは利用企業がインターネットを経由せずに、AWSから専用線経由でデータを直接利用できるサービス。同サービスを使うことで、ネットワーク帯域のスループットを引き上げ、ネットワーク遅延とコストの削減が実現できるほか、より一貫性のあるデータ転送が可能になる。AWSの料金体系は従量課金制なので、利用企業の負担は、AWSから外部にデータを移動する際に使用するネットワークポートの料金のみになる(外部からAWSへのデータのアップロードは無料)。

AWS Direct Connectを利用できるのは、、当初は米国バージニアでのAWS米国東海岸リージョンのみになるが、東京、サンフランシスコ・ベイエリア(サンノゼ)、ロサンジェルス、ロンドン、シンガポールで数ヵ月以内に設置の予定となっている。

Amazon VPCは、AWSのコンソールであるAWS Management Consoleから管理できる。なお、同コンソールでのAWS Direct Connectのサポートは2011年後半の予定。