トイレつまりの原因
トイレつまりの主な原因には、大きく分けて次のようなものがあります。
- トイレットペーパーのつまり
- 異物のつまり
- 排水管の劣化
原因を把握することで、適切な対処法や再発防止策が見えてきます。
トイレットペーパーのつまり
トイレつまりで特に多いのが、トイレットペーパーの流しすぎによるものです。
トイレットペーパー自体は水に溶けやすいよう作られていますが、一度に大量に流した場合や、節水のために水量が不足した状態で流すと、紙が塊になって管内に留まりつまりを引き起こすことがあります。
特に厚手のトイレットペーパーをたくさん使ったときや、二度流しせずに一度で流そうとしたときに起きやすいトラブルです。
加えて、水流が弱くなると紙が流れ切らず残ってしまうため、古いトイレやタンク内の水量が少ない設定の場合もトイレットペーパーによる詰まりが発生しやすくなります。
「まだ流せるだろう」と油断して紙を足しすぎないよう注意しましょう。
異物のつまり
トイレットペーパー以外の異物を流してしまったことも、トイレつまりの大きな原因です。
本来トイレに流してはいけない物（例えば生理用品、おむつ、掃除用のシート、ペットの砂など）を誤って流したり、お子さんがおもちゃや携帯電話など小物を落としてしまったりすると、排水管の途中でそれらが引っかかり水の流れを塞いでしまいます。
水に溶けない異物は時間が経っても自然にはなくならないため、一度引っかかると頑固なつまりの原因になります。
特に固形物（プラスチック製のおもちゃやボールペンなど）が奥に詰まった場合、家庭での対処は難しく、無理に流そうとすると状況が悪化することもあります。
また、「流せる〇〇」と書かれた製品でも、大量に流せば詰まる可能性があるので油断は禁物です。
異物によるつまりを疑う場合は、後述のラバーカップで吸引したり、必要に応じて専門業者に取り出してもらうのが安全です。
排水管の劣化
建物の経年劣化によって排水管（配管）の内部が汚れたり狭くなった結果、つまりが起こるケースもあります。
長年使用した排水管の内側には尿石（尿の成分が固まった石灰分）や水垢がこびりついて管径を細くしたり、錆びによって表面がザラザラになっていることがあります。
その状態だと少量の紙や汚物でも引っかかりやすくなり、徐々に蓄積して慢性的なつまりを引き起こすのです。
また、古い住宅では排水管自体がずれて勾配が悪くなっていたり、木の根が入り込むなどして正常に流れなくなるケースもあります。
このような配管自体の問題によるつまりは、市販薬剤で一時的に通水しても根本解決にならないことが多く、再発しやすいのが特徴です。
排水管の劣化が原因と思われる場合は、後述するように専門業者による高圧洗浄や配管の交換など、根本的な対応が必要になるでしょう。
ピーピースルーKとは
引用元：Yahoo!ショッピング
ピーピースルーKとは、和協産業株式会社が販売する業務用の強力な排水管洗浄剤（パイプクリーナー）です。
粉末状の薬剤で、水と反応させると強いアルカリ性の化学反応を起こし、排水管内の汚れや詰まりを溶かして流れを改善します。
その威力は市販の家庭用パイプ洗浄剤と比べても格段に強く、プロの水道業者が使うことも多い高性能な洗浄剤です。
ピーピースルーKの最大の特徴は、水に溶ける有機物の詰まりに対して絶大な効果を発揮する点です。
例えばトイレットペーパーの詰まりや、排泄物・尿石などの汚れ、排水管内で繁殖した細菌の塊（ヘドロ状の汚れ）による悪臭などに対して、化学反応の力でこれらを分解・溶解してくれます。
そのためトイレットペーパーが原因のトイレつまりや、長年の汚れ蓄積による流れの悪さを解消するのに適しています。
実際、ピーピースルーKを配管に投入すると発熱・発泡し、こびりついた脂肪分やタンパク質、紙類を文字通り溶かして流してしまうほど強力です。
また、除菌効果もあるため、つまり解消と同時に嫌な臭いの元となる雑菌も退治してくれるというメリットがあります。
一方で、水に溶けない異物のつまりには効果がありません。
例えばプラスチック製品や金属片、布類などが原因で詰まっている場合、ピーピースルーKを使用してもそれら異物自体を溶かすことはできないので、つまりの解消には至らないのです（むしろ薬剤が届かず残ってしまう恐れもあります）。
そのため、おもちゃやスマートフォンなどの異物を落としてつまった場合は、無理に薬剤を入れず早めに異物を取り出す方法を検討しましょう。
また、ピーピースルーKは非常に強力な薬剤であるがゆえに、法律上「医薬用外劇物」に指定されています。
これは毒物及び劇物取締法という法律で管理が厳重に求められる薬品であることを意味します。
18歳未満の方は購入できず、購入時には名前や住所を記入する書面の提出が必要になる場合もあります。
しかし裏を返せば、それだけ確かな効果を持つ洗浄剤ということであり、適切に扱えば家庭でも使用できますが、取り扱いには十分な注意が必要です。
ピーピースルーKを使ったトイレつまり解消法
それでは実際に、ピーピースルーKを使ってトイレのつまりを解消する手順を説明します。
強力な薬剤ですので、しっかり準備を整えてから作業に入りましょう。
焦らず順を追って行えば、初心者の方でも安全に作業できます。
準備・必要な道具
ピーピースルーKを使用する前に、以下の道具を準備してください。安全に作業するために必要なものばかりなので、必ず用意しましょう。
- ピーピースルーK本体（粉末薬剤）
- ゴム手袋（使い捨て可。薬剤が皮膚に触れるのを防ぐ）
- 保護メガネ（ゴーグル。万一薬剤や反応した液が跳ねても目を守る）
- マスク（可能なら顔全体を覆う防毒マスク。なければ市販のマスクでも着用）
- バケツ（水をくむ容器。薬剤投入後に水を注ぐのに使う）
- 柄杓や小さな容器（必要に応じて便器内の水を汲み出すため）
- 計量カップ（薬剤の量を計るため。目安としてコップでも代用可）
安全具（手袋・メガネ・マスク）は絶対に忘れずに着用しましょう。
ピーピースルーKは皮膚や粘膜に触れると危険なので、直接触れない工夫が必要です。
また、念のため長袖・長ズボンの汚れてもよい服装で作業することをおすすめします。
トイレつまり解消手順
それではピーピースルーKを使ったつまり解消の具体的な手順を順を追って説明します。落ち着いて、一つひとつ確実に行いましょう。
- トイレの換気扇を回すか窓を開けて十分に換気してください。薬剤が水と反応すると刺激臭や蒸気が発生するため、空気の流れを作り換気しておくことが大切です。準備したゴム手袋・保護メガネ・マスクもこの段階で着用します。
- 便器内の水位を確認します。詰まりの程度によっては便器に水がたくさん溜まっているかもしれません。水位が高すぎる場合、このまま薬剤を入れると反応時に水があふれる恐れがあります。柄杓や小さな容器で便器内の水をある程度汲み出し、水位を通常の半分以下（排水口より少し上くらい）に減らしておきましょう。
- ピーピースルーKを適量投入します。1回の使用量は容器の約1/4（250～300g程度）が目安です。計量カップや容器のフタ等で分量を量り、粉末を便器の排水口周辺に静かにまき入れてください。一か所に固めて入れるより、排水口を囲むように均等に入れると効果的です。粉末が舞い上がらないよう、そっと扱いましょう。
- 水を注ぎ入れます。用意したバケツに水（できれば常温の水）を汲み、約0.5〜1リットル程度を目安に少しずつ便器に注ぎましょう。冷水を排水口の周囲から静かに注ぐことで、粉末が水と反応して溶け出し、泡が発生します。このとき絶対に熱いお湯は注がないでください。ピーピースルーKはお湯をかけると急激に反応が進み危険ですので、必ず水（またはぬるま湯程度）を使用します。
- しばらく放置してから水を流します。薬剤が水と反応するとシュワシュワと泡立つ音が聞こえてきますので、その音が落ち着くまで待ちます。だいたい30分程度放置すれば十分ですが、つまりの程度によっては数時間〜一晩置くとより効果的な場合もあります（製品の使用説明に沿ってください）。待っている間はトイレのフタを閉め、浴室など別の換気扇も回しておくと臭い対策になります。そして時間が経ったらトイレのレバーを押して普段通り水を流してみましょう。勢いよく水が流れ、スムーズに排水されればつまり解消成功です。
作業中は決して薬剤に直接触れたり、反応中の泡を覗き込んだりしないようにしてください。
手順通りに進めれば、特別な技術がなくても薬剤が詰まりを溶かしてくれるので、手を汚さず比較的簡単にトイレつまりを解消できます。
ただし、時間をおいても水が流れない場合は無理にレバーを何度も引くと、水位が上がって溢れる危険がありますので注意してください。
ピーピースルーKを使用する際の注意事項
ピーピースルーKは便利な反面、取扱いを誤ると危険も伴う薬剤です。使用時の注意事項を必ず守り、安全第一で作業しましょう。
- 保護具の着用・徹底した換気：作業中はゴム手袋・保護メガネ・マスクを外さないでください。皮膚や目に付着すると重度の炎症を起こす恐れがあります。また吸い込むと呼吸器に障害を及ぼす可能性があるため、必ず換気扇を回すか窓を開け、できれば換気扇のない場所ではサーキュレーターで空気を外に逃がしましょう。
- 絶対に熱湯を注がない：ピーピースルーKにお湯（特に熱いお湯）をかけると、化学反応が急激に進んで非常に危険です。発熱・発泡が激しくなり薬液が飛び散ったり、最悪の場合やけどや器具の損傷につながります。必ず水かぬるま湯程度の温度で使用し、製品の指示を守ってください。
- 他の薬剤と混ぜない：すでに市販の塩素系洗剤や酸性洗剤などを投入している場合、ピーピースルーKと混ざると有毒なガスが発生したり、激しい化学反応が起きる恐れがあります。別の薬剤を使用した後にピーピースルーKを使うのは避け、どうしても試す場合は十分に水で洗い流してからにしましょう。
- 規定量を守る：「早く直したいから」と一度に大量の薬剤を入れるのは危険です。適量以上入れても効果が劇的に上がるわけではなく、逆に処理しきれない薬剤が残ってしまうことがあります。必ず製品推奨の量を守りましょう。
- 作業後の処理：薬剤反応後に残った泡や薬液は、充分に水で流して洗い流してください。手袋や使い捨てた容器などもビニール袋に密閉して廃棄し、薬剤が肌についていないか最後に手洗い・洗眼を行うと安心です。使用後のピーピースルーK容器はフタをしっかり締め、お子様やペットの手の届かない場所に保管しましょう。
以上の注意点を守れば、ピーピースルーKは強い味方になってくれます。
焦らず慎重に扱うことで、危険を避けつつ、つまり解消の効果を最大限に引き出しましょう。
ピーピースルーKの効果やメリット・デメリット
ピーピースルーKを使用する前に、その効果やメリット・デメリットについても知っておきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・高い洗浄力 ・即効性がある ・つまりと悪臭対策が同時にできる |
・劇物に指定されるほどの強さなので取り扱いに注意が必要 ・購入に手間がかかる |
長所と短所を理解することで、状況に応じた最適な判断がしやすくなります。
ピーピースルーKのメリット
ピーピースルーK最大のメリットは、やはり高い洗浄力と即効性です。
通常の家庭用パイプクリーナーでは歯が立たないような頑固な詰まりでも、ピーピースルーKであれば短時間で溶かし流せる可能性があります。
適切に使えば数十分〜数時間程度でつまりが解消し、業者を呼ばずに問題を解決できるため、結果的に時間と費用の節約につながるでしょう。
また、排水管内部の汚れや臭いの元も同時に除去・除菌できるため、つまりを直すと同時に悪臭対策や衛生改善の効果も得られます。
使い残した薬剤は台所やお風呂の排水口など他の場所の予防洗浄にも使えるため、家庭内の水回り全般のメンテナンスに役立つ点もメリットと言えます。
ピーピースルーKのデメリット
デメリットとしては取り扱いの難しさと安全面のリスクが挙げられます。
上述したように劇物指定されるほど強力な薬剤のため、使い方を誤ると人体や設備へ悪影響を及ぼす可能性があります。
特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、保管や使用中の扱いに最新の注意が必要です。
また、購入に手間がかかったり入手できる店舗が限られるケースもデメリットです。
ホームセンター等で見かけない場合はインターネットで取り寄せることになりますが、その際も年齢確認や使用目的の確認があることがあります。
さらに、万能ではない点にも注意しましょう。先述の通り異物が原因の詰まりには効果がなく、配管の破損など根本的な問題は薬剤では解決できません。
場合によってはピーピースルーKを使ってもつまりが解消せず、結局業者対応となることもあります。
このように、ピーピースルーKは強力ですが用途と使い方を誤らなければ非常に頼もしい反面、扱いには慎重さが求められる製品です。
ピーピースルーKでトイレつまりが解消しない場合の対処法
ピーピースルーKを試してみても、それだけでは残念ながらつまりが解消しない場合もあります。
また、「強力な薬剤の使用はちょっと怖い…」という方もいるでしょう。
ここでは、ピーピースルーKで直らなかったときや、別の方法で対処したい場合に試せるその他のつまり解消法をご紹介します。
いずれも家庭で比較的簡単にできる方法ですので、状況に応じて取り入れてみてください。
- ラバーカップを使う
- 重曹を使う
- お湯を使う
ラバーカップを使う
ラバーカップとは、柄の先に半球状のゴムカップが付いたトイレ用の道具で、俗に「スッポン」とも呼ばれます。
最もポピュラーなトイレつまり解消グッズで、多くのご家庭に常備されているかもしれません。ラバーカップの使い方はシンプルですがコツがあります。
まず便器の排水口（穴）をカップでしっかり覆い、ゆっくりと押し付けてから勢いよく引っぱる動作を繰り返します。
押すときはゆっくり、引くときは素早く行うことで真空状態と圧力差を作り、詰まった異物や紙を吸引と圧力で動かして押し流す仕組みです。
このポンプ作用によってトイレのつまりの多くは解消できます。
ピーピースルーKで溶けきれなかった紙の塊なども、ラバーカップで動かすことで流れる可能性があります。
ただし、強く押し込みすぎると汚水が飛び散ることがあるため注意しましょう。
適度な水位（カップが浸る程度の水）があると効果的なので、不足している場合はバケツで水を足してから作業します。
ラバーカップは物理的につまりを解消する基本手段ですので、薬剤を使わず対処したい方や、薬剤で効果がなかった場合にぜひ試してみてください。
ちなみにラバーカップに関してはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。
重曹を使う
キッチンの掃除などでおなじみの重曹（炭酸水素ナトリウム）も、軽度のつまり解消に役立つことがあります。
重曹は弱アルカリ性で油汚れの分解に効果がありますが、トイレつまり対策としてはお酢（酢酸）との組み合わせが知られています。
やり方は簡単です。コップ半分〜1杯程度の重曹を便器の排水口付近に振りかけ、その後同量程度のお酢またはクエン酸水を注ぎます。
すると発泡反応（ブクブクと泡立つ）が起こり、排水管内の汚れを徐々に柔らかくしてくれます。
すぐに劇的な効果が出るわけではありませんが、数十分〜1時間程度放置した後にお湯を流すと、軽い紙詰まりや汚れが原因のつまりであれば改善することがあります。
また重曹自体に消臭効果があるため、つまりによる臭い対策としても有効です。
市販の強力薬剤に比べれば穏やかな方法なので、トイレを傷めるリスクも少なく、環境にも優しい自家製のつまり解消法と言えるでしょう。
ただし、頑固な詰まりには効果が薄い場合もあり、異物が詰まっている場合はもちろん解消できません。
あくまで「ちょっと流れが悪いかな？」程度の軽症時や予防策として試すのがおすすめです。
なお、ピーピースルーKなど強アルカリ性薬剤を使った直後に重曹＋お酢を投入すると、中和反応で泡が過剰に発生したり思わぬ化学反応を起こす恐れがあるため避けてください。
別々の方法を試すときは、十分に水で流して薬剤を残さないようにしてからにしましょう。
ちなみに重曹を使用したトイレつまりに関してはこちらでもご紹介していますので参考にしてください。
お湯を使う
最後にご紹介するのはお湯を使ったシンプルな方法です。トイレットペーパーが原因のつまりなど、比較的軽いケースではお湯の力で解決できることがあります。
やり方は、50～60℃程度の温かいお湯（熱湯はNG）をバケツ一杯ほど用意し、便器の中に静かに注ぎ入れてしばらく放置するだけです。
温かいお湯が紙や汚物をふやかし、繊維をほぐすことで、自然と流れていくことが期待できます。コツは高い位置から一気に注がないことです。
高所から勢いよく注ぐと水圧で汚水が飛び散ったり、陶器の便器が急激な温度変化でひび割れる恐れがあります。
あくまでゆっくりと、しかし適量を注いで浸すイメージです。注いだ後は20〜30分程度そのまま置いて、紙が十分に溶け込むのを待ちましょう。時間が経ったら一度そっと水を流してみて、スムーズに流れれば成功です。
もしすぐには改善しなくても、お湯を何度か繰り返し注ぐことで徐々に流れやすくなることもあります。
この方法は道具や薬品を使わず手軽に試せるので、真冬などでなければ最初に試してみる価値があります。
ただし、明らかに異物が詰まっている場合や、水位が高く今にも溢れそうなときはお湯を足すのは危険ですので、その場合は無理に試さないでください。
ちなみにお湯を使ったトイレつまりに関してはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。
以上、ピーピースルーK以外にも自分でできるつまり解消法を3つ紹介しました。詰まりの原因や状況に合わせて、できそうな方法から試してみましょう。
トイレつまり専門業者に依頼するタイミング
自力での対処法をいくつか紹介しましたが、場合によっては専門の水道業者に依頼した方が良いタイミングもあります。
無理をして状況を悪化させる前に、プロの力を借りるべき判断ポイントを押さえておきましょう。
- 自分で解決できない
- つまり以外のトラブルも発生している
自分で解決できない
いろいろな方法を試してみてもどうしてもつまりが解消しない場合は、早めに専門業者に連絡するのが得策です。
ピーピースルーKを使ってもダメ、ラバーカップでも動かない…という状況で無理に何度も試し続けると、トイレから汚水が溢れて床が水浸しになったり、配管を傷めてしまったりする恐れがあります。
特に異物が固く詰まっているケースや、排水管の奥深くで詰まっている場合、家庭用の器具や薬剤では限界があります。
専門業者であれば、電動のトーラー（ワイヤー式の詰まり除去器）や高圧洗浄機、内視鏡カメラなど専門工具を用いて速やかに原因を特定し除去してくれます。
費用はかかりますが、トイレは生活に欠かせない設備です。
長時間使えないストレスを考えれば、早めにプロに任せて確実に直すという選択も大切です。「これは自分では無理かも」と感じたら、無理せずプロの力を借りましょう。
つまり以外のトラブルも発生している
トイレがつまっているときに、その他の異変が起きている場合も業者を呼ぶタイミングです。
例えば、排水管の破損や水漏れが疑われるケースです。
トイレの根元や配管接合部から水がにじんでいたり、異臭が強く下水の匂いが逆流してくる場合、詰まり以外の問題が併発している可能性があります。
また、トイレ以外の場所（洗面所や浴室など）の排水まで流れが悪くなっている場合は、家の下水管や排水枡でトラブルが起きているかもしれません。
これは自宅の配管全体の問題であり、専門の設備や技術がないと解決が難しいでしょう。
さらに、トイレの内部部品の故障（タンクの排水弁が壊れて水がうまく流れない等）が原因で流れが悪いケースもありえます。
そのような構造的な故障や大規模なつまりは、自分で直そうとすると余計に壊してしまうリスクがありますので、迷わずプロに修理・交換を依頼してください。
プロなら原因に応じて適切に修理し、再発防止策も提案してくれるので安心です。
日常的なトイレつまり予防策
トイレつまりは起こってしまうと厄介ですが、日頃の使い方を少し意識することでかなり予防することができます。
最後に、普段から実践できるつまり予防のポイントを紹介します。どれも難しいことではないので、ぜひ習慣にしてみてください。
- トイレットペーパーは適度に使用する
- トイレットペーパー以外のものを流さない
- 定期的に掃除をする
トイレットペーパーは適度に使用する
トイレットペーパーの使いすぎはつまりの元です。日常的に適量の使用を心がけましょう。一度に大量の紙を流さないのは基本です。
もしトイレットペーパーを普段より多く使ってしまった場合は、途中で何度かに分けて流すようにします。
例えば、お腹の調子が悪く紙をたくさん使ったときや、お掃除でトイレットペーパーを代用して流したいときなど、一度で流さず小分けに流すだけでつまり防止に効果的です。
また、質の高い厚手のトイレットペーパーは水に溶けにくい傾向があります。肌触りは良いですが、その分つまりやすいこともあるので、使用量にはより注意が必要です。
反対に古紙再生タイプの紙などは水で崩れやすいですが、とはいえ油断は禁物です。
「これくらい平気だろう」という油断がつまりの第一歩なので、自分や家族が紙をどれくらい使っているか意識してみましょう。
トイレットペーパー以外のものを流さない
トイレットペーパー以外は流さないというルールを守るだけでも、トイレつまりの多くは防げます。
トイレに流して良いものは基本的にトイレットペーパーと人の排泄物だけです。
それ以外のものは例え流せると表示があっても、なるべく流さない習慣をつけましょう。
例えば、生理用品やおむつ、紙おむつシート類は絶対に流してはいけません。
水分を含むと膨らむ性質があり、一度詰まると取り出すのが非常に困難です。また、ペットの糞や猫砂などをトイレに流すのもトラブルの元です。
猫砂は固まるタイプだともちろん詰まりますし、流せるタイプでも量が多いと蓄積してしまいます。
そして小さなお子さんがいるご家庭では、誤っておもちゃや雑貨をトイレに落としてしまうこともあります。
お子さんには流せる物・流せない物を教えてあげ、トイレのフタは使わないとき閉めておくなどの工夫も有効です。
普段から「トイレは紙と汚物以外流さない」と家族全員で意識することで、つまりのリスクは大幅に減ります。
定期的に掃除をする
地味ですが効果的なのが定期的なトイレ掃除です。トイレを清潔に保つことは、実はつまり予防にもつながります。
便器内をブラシできれいに磨いておけば、排水口付近に尿石や紙くずがこびり付いて徐々に流れを妨げるのを防げます。
市販のトイレ用洗剤で構いませんので、少なくとも週に一度は便器内と排水口周辺を洗って汚れを溜めないようにしましょう。
併せて、タンクの中も点検するとベターです。タンク内の部品（フロートやゴム栓）が劣化して正常に水が流れない状態だと、洗浄力が弱まってつまりやすくなります。
音がおかしい、流水が弱いと感じたら、タンク内部を掃除したり部品交換を検討してみましょう。
また、市販のパイプクリーナー（刺激の弱い家庭用のもの）を月に一度くらい流しておくのも効果的です。
先述のピーピースルーシリーズには家庭用の「ピーピースルーF」や、定期予防用の「ピーピースカット」などもありますので、そういったものを希釈して時々流しておくと配管内の汚れ蓄積を防げます。
日々の小さな心がけが、結果的に大きなトラブルを遠ざけてくれるのです。
ちなみにトイレの掃除に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。
まとめ
トイレのつまりは突然起こると慌ててしまうものですが、原因を知り正しい対処法を理解しておけば落ち着いて対応できることがお分かりいただけたでしょうか。
強力な排水管洗浄剤「ピーピースルーK」は、水に溶ける汚れや紙詰まりには非常に効果的で、適切な手順と注意を守れば初心者でもつまり解消にチャレンジできます。
ただし劇物指定の薬剤であるため、安全第一で扱うことが大切です。ピーピースルーKで解決しない場合も落ち込む必要はなく、専門の業者に依頼して確実に直してもらいましょう。
大事なのは被害を最小限に抑え、トイレを安全に復旧させることです。最後に、今回ご紹介した予防策もぜひ日頃から実践してみてください。
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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