ぼったくりの悪徳業者の手口
もし自宅のトイレがつまったら、スマホを片手に対処法や修理業者を検索する人が多いとおもいます。
そこで、なんとなくウェブ検索で目に止まった、キレイなホームページの修理業者に電話をしたところ、あれよあれよという間に高額な請求をされて、なんの疑いもせず料金を支払ってしまった…ということは珍しい話ではありません。
最近では悪徳業者といえど、ホームページをキレイに整え、検索上位に入るよう、広告やSEO対策に余念がありません。それどころか、別々の業者を装って、複数のサイトを立ち上げて網を張っているケースまであります。
検索上位にくる業者が全て悪徳業者というわけではありませんが、ぼったくりを行うような業者も、予算をかけ、見栄えを良くして、検索にヒットしやすい対策をしている可能性もあると頭に入れておくことをおすすめします。
ホームページの雰囲気から見抜くのは難しくなってきていますが、会社概要などをチェックして、正式な法人名や所在地などが記載されていない場合は注意した方が良いでしょう。
すでに出張してもらった後でも、法人名や所在地を答えてもらえない場合は、見積もりを打ち切る判断も必要です。賃貸住宅の管理会社や保守サービス会社が水道業者を手配している場合は、あえて名刺を出さないということもなくはないですが、質問してもきちんと答えてくれない場合は、信頼に値しないと判断したほうが良いでしょう。
ぼったくられてしまったことに気付いたら?
ぼったくられた可能性がある場合、独立行政法人「国民生活センター」の消費者ホットラインに連絡をしましょう。
ただ、自ら業者を呼び、説明を受け、契約書にサインをして料金を支払ってしまったら、それ自体は違法行為ではないため、それが不適切な料金であっても、その業者を詐欺などの罪に問うことは難しいのが現状です。
ただし、修理の他に、不必要なサービスまで付けた場合は、クーリング・オフの対象になるケースがあります。
業者は契約時に書面でクーリング・オフが可能であると伝える義務があるほか、それをしなかった場合は「特定商取引法違反」に問える可能性もありますから、警察に相談すると良いでしょう。さらに民事訴訟でクーリング・オフを求めることもできます。
とはいえ、相当なストレスを受け、解決にはさらに労力が必要になりますよね。だからこそ、これから修理業者を探す予定の人は、まず、トイレのつまり修理にかかる料金の相場を知るところから始めましょう。
トイレのつまり修理費用の相場
本来、トイレのつまり修理の相場は20,000円程度。それがぼったくりの悪徳業者の手にかかると、10万円、20万円どころか、80万円を超える請求をまんまと支払わされてしまったケースも。
また、サイトの見栄えから、きちんとした業者だと思い込み、ぼったくられていることになかなか気付けないケースもありますから、相場を把握することは思いの外大切です。
トイレのつまり解消に必要な費用の相場
一般的なトイレのつまり修理に必要な費用目安は下記の通りです。
作業内容 | 費用目安 |
---|---|
薬剤洗浄 | 4,000円程度 |
トイレのパッキン調整・交換 | 8,000円程度 |
簡単な便器のつまり除去 | 5,000円〜20,000円程度 |
排水管のつまり除去・洗浄 | 15,000円〜20,000円程度 |
戸建ての排水管・高圧洗浄 | 17,000円〜24,000円 |
集合住宅(8世帯)の排水管・高圧洗浄 | 48,000円〜60,000円 |
タンクから便器への水漏れ | 5,000円+部材費 |
これだけみても、10万円を超える請求が異常だということが分かりますね。
ちなみに詳しい費用相場についてはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。

見積もりは複数の業者から取るのがベスト
仮に家に1つしかないトイレがつまってしまったら、一刻も早く直さなければ、と考えたくなる気持ちはわかりますが、ぼったくりをする悪徳業者の餌食にならないようにするためには、3社以上の業者から見積もりを取るのがベストです。
費用の比較をすることで、適正価格を知ることもできます。さて、修理の相場を知ったら次は、悪徳業者の手口を回避するチェックポイントを把握しましょう。
絶対自分から確認したい4つのポイント
慎重に見積もりを取って業者を比較しようとしたら、怪しい業者から、見積もりの作成料金を取られてしまった!なんて悔しい思いはしたくないですよね。そこで下記ポイントについてチェックしておきましょう。
- 「見積もり無料」「出張費無料」に対象外はないか
- 現場を見る前から安価な料金を提示されていないか
- 勝手に作業をスタートさせない
- 不用意にサインをしない
「見積もり無料」「出張費無料」に対象外はないか
抜かりなく「見積もり無料」で「出張費無料」を選んだのに、実際には両方とも料金を請求された!というケースも多々発生しています。業者の言い分としては「単純な仕組みのトイレでなければ対象外」「出張費無料はエリアが限定されている」など。
これらは目の前で高圧的に請求され、思わず泣き寝入りを選んでしまう人も。そうならないためにも、事前に電話などで、自宅が出張費無料エリアであるかどうか、またどんな状況でも見積もりは無料であるかどうか、徹底的に確認しましょう。
現場を見る前から安価な料金を提示されていないか
最近では、ネット上で詳細に状況をヒアリングし、見積もりを出してくれる業者もいますので、一概に「現場を見なければダメ」というわけではありませんが、トイレのつまりなどの水回りトラブルは、原因によっては簡単に修理できるものもあり、必要経費も大きな差が出ます。
状況をろくに伝えもしていないのに、とても安価な料金を提示された場合、後から追加費用を請求される可能性も想定しておき、きちんとした見積もりをとってから、作業を開始してもらうように注意しましょう。
勝手に作業をスタートさせない
トイレのつまり解消を業者に依頼して、ぼったくられた人の多くは「知らないうちに作業に入っていた」といいます。または、作業に入る前に聞いていた内容は別の作業も追加されて、予定よりも高額の請求をされたり、追加の作業を断ったら取り外した便器の復旧作業費を請求されたりするケースも。
利用者の許可なく、業者が勝手に追加の作業をした場合は、料金を支払う必要はありませんが、業者に「事前に追加の作業が必要になる場合がある」と説明したと言い張られて、支払いを拒否するのが難しくなる場合もあるでしょう。
大切なのは、必ず作業前に、これから行う事の内容が明記された見積もりを書面で発行してもらうこと。これをスムーズに対応したがらない業者は、信頼しない方が良いでしょう。
また、追加で作業が必要になった場合は、行う前にきちんと説明をしてくれるように約束を取り付けておくことをおすすめします。
不用意にサインをしない
ぼったくりをはたらくような悪徳業者は、緊急に迫られていることにつけこんで、勢い任せに契約書にサインをさせようとします。中には、悪徳業者側に有利になるような文言が隠されている場合もありますから、促されるままにサインをしてはいけません。
見積もり書や契約書は、きちんと内容を把握し、「作業は場合により変更になる可能性があります」など、相手にとって有利な文言が隠れていないか、よくチェックするようにしましょう。
業者がこんなことを言い出したら注意!
ぼったくりを行うような業者の手口として、つまり解消だけでなく、便器の交換や下水工事、高圧洗浄や下水枡の交換など、新たな商品の購入や、高額な作業・工事の追加を提案してくるものがあります。
トイレのつまりを直す作業をする前から、「便器が古いのが原因」などと言って交換を迫ったり、「便器を取り外してみないとわからない」と最初から便器の取り外しを前提にした作業を提示したりする業者は信用できません。
問題のない業者に依頼した場合、戸建て住宅なら屋外の下水枡の確認、集合住宅なら他の水回りの排水口の確認からスタートします。
事前に落とし物をしていないかの確認をし、この時点で状況の説明、見積もり書の作成をし、依頼者の合意が取れた後、加圧ポンプでのつまり解消を行なうでしょう。
それでもつまりの解消ができなかった場合に、便器の取り外しが必要かどうかの判断をするはずです。
大掛かりな作業が必要でも、普通は応急処置をしてくれる
仮に、屋外の下水枡が破損していた場合でも、よほどの重症でない限り、一時的にでもトイレが使えるような状態にしてから、改めて工事の相談や見積もりを進めるのが通常の流れです。
加圧ポンプでの作業でつまりが解消しなかった場合、高圧洗浄が必要になる場合もありますが、まずは便器を取り外して排水管内にワイヤーを入れて洗浄するところから始まります。
ほとんどトイレに触る前から高圧洗浄をしようとしたり、少しだけ高圧洗浄機を使ったと思ったら「下水管に問題があるから、交換しないと直りません」などと、大掛かりな工事の話をその場で進めようとしたり、さらには「このままでは大変なことになりますよ」などと脅すようなことをいう業者は、信用しない方が良いでしょう。
問題のない業者の作業の流れは?
通常、作業の流れは以下のようになります。
- 修理業者に連絡する
- 専門知識のあるスタッフから連絡を受ける
- スタッフが到着
- 修理が完了しているかの確認
- 料金の支払い
自分が管理するトイレのつまりなど、人生でそう何度も経験するようなことではないですから、通常の修理業者がどのような流れで作業をするのか、想像がつかない人も多いでしょう。
悪徳業者がおかしなことをし始めた時に、早めに気付くためにも、一般的な流れを知っておくと安心です。
1.修理業者に連絡する
24時間、連絡を受け付けてくれる業者も増えていますが、さらにWeb上でスムーズに依頼ができる業者も。一般的には、電話で専用オペレーターが受け付けてくれる業者が多い印象です。
この時点で簡単な状況説明をし、専門のスタッフに引き継がれることが多いでしょう。
2.専門知識のあるスタッフから連絡を受ける
受け付けの電話でそのまま専門スタッフに引き継がれたり、折り返し連絡をもらったりする場合が多いでしょう。ここで、より詳細な状況説明をし、住所などを知らせます。
どの程度で来てもらえるのかは、この時点でほぼ分かるはず。駐車場の有無、有料駐車場を利用した際の費用についても、この時点で確認しておくと安心です。
3.スタッフが到着
実際に修理を行う専門スタッフが現場に到着します。その場で実際のトイレを確認し、まずはつまりの原因を究明します。この時点で便器を取り外すなどの実作業を行うことはありません。
つまりの原因に当たりをつけた後、見積書を作成し、状況・必要な作業内容・所要時間・費用の説明がされるでしょう。内容に問題がなければ見積書を作成し、作業を始めます。
4.修理が完了しているかの確認
作業終了後、専門スタッフの立ち合いのもと、きちんと修理され、問題なく使えるようになっているかどうかの確認をします。気になる部分は、うやむやにせず、しっかりと質問をしてくださいね。
5.料金の支払い
現金やクレジットカードなど、各業者の対応可能な方法で支払いをして終了です。
破損した部品の持ち合わせがなかったり、追加作業に必要な器具がその場になかったりしない限り、長くても1日程度で作業は完了します。
水道局の職員を装った訪問販売で騙されるケースも
さらに、自宅のトイレが特に問題がなくても、悪徳業者にだまされるケースもあります。それが、水道局員を装った訪問販売です。
「水道メーターを確認したところ、水漏れしている可能性があります」などといって訪ねてきて、水漏れ調査を始め、あの手この手で修理をすすめてくることがあります。まるで水道局の局員であるかのように振る舞っていたのに、実は全く関係のない会社のスタッフだったと、請求を受けてから気付く場合もあります。
このケースを防ぐにはまず、水道局の職員が、水漏れ調査や修理を行うことはないと知っておきましょう。家庭内の水漏れはその居住者に責任があるという考えから、水道局の職員が各家庭に足を運ぶことすらありません。
もし知らされることがあったとしても、電話やハガキでの通知が一般的。水道局が業者を斡旋して、一方的に修理に訪れることもありません。
そのため、水道局の職員であることを匂わせるような訪問は、信用しないことをおすすめします。判断に困った場合は、本当に管轄内の水道局から来た職員であるかどうか、相手が提示した連絡先ではなく、自分で問い合わせ先を調べ、電話などで直接確認すると良いでしょう。
慌てて失敗しないために自分でできる時間稼ぎ
見積もりは3社以上からとって、比較するのがベスト、といわれても、今にも溢れそうなトイレを目の前にしたら焦る気持ちは良く分かります。また、一般的な企業が営業していない夜間などの時間帯にトラブルが起こると、「すぐに対応してくれるならどこでもいいや」と思ってしまうこともあるでしょう。
むしろ悪徳業者は、極力選択肢が狭まる夜間に近い時間帯に訪問時間を設定するなど、そんな心理を逆手に取るような手を使ってくることもあります。
もし水が溢れてこなければ、翌日に多くの業者が動き出す時間帯まで待てるというのであれば、トイレにこれ以上水が流れ込まないよう、止水栓を閉めて、ゆっくりと依頼する業者を吟味してみてください。
トイレの止水栓は1カ所だけですし、ドライバーで閉めるだけですから、とても簡単。また、トイレのつまりは自分で簡単に解消できる場合もあるので、時間に余裕ができたら、症状のセルフチェックをかねて、チャレンジしてみても良いでしょう。
詳しい方法は、下記の記事で詳しく紹介していますから、参考にしてみてください。

まとめ
もし仮に、来てもらった修理業者が威圧的に、または性急に事を進めようとしても、疑問はきちんと解消すべく、嫌な顔をされてもきちんと確認する気持ちの強さは大切。
怖いからといって受け入れてしまっては、相手の思う壺です。おかしいと思ったら、自分の感覚を信じて、被害が小さいうちに、別の業者を検討してみてくださいね。

トイレ修理のぼったくりに関する よくある質問

ただし、自ら業者を呼び、説明を受け、契約書にサインをして料金を支払ってしまったら、それ自体は違法行為ではないため不適切な料金であっても、その業者を詐欺などの罪に問うことは難しいのが現状です。
しかし、修理の他に不必要なサービスまで付けた場合は、クーリング・オフの対象になるケースがありますので契約書や納品書などの法定書面は必ず保管しておきましょう。
・「見積もり無料」「出張費無料」に対象外はないか
・現場を見る前から安価な料金を提示されていないか
・勝手に作業をスタートさせない
・不用意にサインをしない
不審な点を放置せず、全てに納得してから作業を開始させるようにしましょう。
おすすめ業者4選
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