トイレが流れない場合の応急処置
トイレの水が流れない・詰まってしまったときは、被害を最小限に抑えるためにすぐに取るべき応急処置があります。
- 止水栓を閉める
- 温水洗浄便座の電源プラグを抜く
特に便器から水が溢れそうな場合は二次被害防止が最優先です。以下では、まず行うべき2つのステップについて説明します。
止水栓を閉める
トイレが流れないときは、まず止水栓を閉めましょう。
止水栓とはトイレタンクへの給水管についている小さなバルブで、マイナスドライバーや手で回して操作します。

止水栓を時計回り(右方向)に回すと、水の供給を止めることができます。
これにより、意図せずレバーを操作してしまった際にタンクから新たな水が流れ出て便器が溢れるのを防ぐ効果があります。
万一トイレの横にある止水栓が見当たらない場合や固くて回らない場合は、家全体の元栓を閉めても構いません。
止水栓を閉める前にタンク内に水がたまっている場合、その水は止水栓を閉めても流れてしまう可能性があります。
心配なときはタンク内の水をバケツなどで汲み出しておくと安心です。
温水洗浄便座の電源プラグを抜く
次に、ウォシュレットなど温水洗浄便座の電源プラグをコンセントから抜きましょう。
トイレの水が流れない原因がつまりの場合、今にも水が溢れそうになっていることがあります。
そんなとき、万が一水が床にあふれて電源コンセントにかかると漏電や感電、さらには火災の危険もあります。
被害を防ぐため、電源プラグを抜いておくことが大切です。電源プラグを抜く際は、手が濡れていないことを確認して感電に注意してください。特に水漏れが起きている状況では安全第一です。
また、プラグやコンセントが濡れてしまった場合、トイレつまりが解消した後でもプラグが完全に乾くまで差し込まないようにしましょう。
これら二つの応急処置を行うことで、ひとまず被害拡大の心配をせずに原因の確認や対処作業に移ることができます。
トイレが流れない場合の原因
トイレの水が流れないトラブルにはいくつかの原因が考えられます。
- トイレのつまり
- 給水系のトラブル
- トイレタンク部品の劣化
それぞれの原因について、具体的にどんな状況なのかを見ていきましょう。
トイレのつまり
トイレが流れない原因で最も多いのが便器や排水管のつまりです。何らかの異物が詰まって排水経路が塞がれると、水がスムーズに流れなくなります。
例えば以下のようなケースがあります。
- 一度に大量のトイレットペーパーを流した(紙が溶けきれず詰まる原因に)
- 排泄物が大量で、水量に対して多すぎて流れ切らない
- 本来流してはいけない異物を流してしまった
- 便器や配管内に尿石や水垢が蓄積し通路が狭くなっている
- お子様が玩具やオムツなどを誤ってトイレに落とし、そのまま流してしまった
紙や排泄物によるつまりの場合、時間の経過とともに水分がしみ込んで徐々に柔らかくなれば自然に流れることもあります。
しかし異物(紙以外のもの)によるつまりは自然に解消しません。いずれの場合も無理に何度も水を流そうとすると便器から水が溢れて大惨事になる恐れがあります。
まずは前項の応急処置を行い落ち着いて対処しましょう。
また、「水は流れるけれどいつもより流れ方が弱い」「完全に流れ切らず残ってしまう」といった場合も、配管内の部分的なつまりが原因で流れが悪くなっている兆候です。
早めに対処しないと完全に流れなくなる可能性があるため注意が必要です。
給水系のトラブル
トイレタンクに水がたまらない場合や、必要な水量が確保できずに流れない場合は、給水系のトラブルが疑われます。
具体的には以下のような原因が考えられます。
- 止水栓が閉まっている(掃除や修理の際に閉じたまま忘れていることがあります)
- 断水している(地域全体で水道が止まっていないか確認しましょう)
- 給水管が凍結している(冬場に気温が低い地域では配管凍結で水が来なくなることがあります)
- タンク内のボールタップ(給水バルブ)や浮き球が故障・固着して水が自動で供給されない
- 給水バルブ内部のフィルター詰まりや劣化で、水がタンクに供給されにくくなっている
- そもそもの水圧が低い、または節水設定により水量が不足している
給水系のトラブルでは、トイレタンクに水がしっかり溜まっていないために流れない状態になっています。
レバーをひねっても水が出てこない場合はまずタンク内の水位を確認しましょう。断水の場合は水道が復旧するのを待つか、バケツで水を便器に注いで一時的に流す方法もあります(※ただし排水経路につまりがないことが前提です)。
ボールタップや浮き球の不具合なら、それらを正しく直す必要があります。例えば浮き球がタンク内で引っかかって常に満水と認識されていると、タンクに給水されません。
この場合は浮き球を軽く動かして正常に上下するか確認しましょう。長年使用したボールタップが故障している場合は、新しい部品への交換が必要になることもあります。
トイレタンク部品の劣化
トイレタンク内部の各種部品の経年劣化も、流れないトラブルの原因になります。タンク内には、水を流すためや水をせき止めるためのパーツがいくつもあります。
主要な部分では以下のようなものがあります。
- フロートバルブ(ゴムフロート):タンクの水をせき止めるゴム製の栓
- 鎖(チェーン):レバーとフロートバルブをつなぐ金属チェーン
- レバー:手でひねる水洗レバー(タンク内部で鎖と接続)
- 浮き球(フロート):タンクの水位を測る球体部品。水位で上下し給水を制御
- ボールタップ:浮き球と連動し、給水を開始・停止するバルブ装置
- オーバーフロー管:タンク内の水位が上がりすぎた際に水を便器へ逃がす管

これらの部品が古くなり劣化すると、正常に作動しなくなって水が流れない原因となります。
例えば、レバーを回しても手応えがなく空回りする場合は中でチェーンが外れていたり、レバー自体が折れている可能性があります。
また、チェーンが緩みすぎているとレバーを引いてもフロートバルブが持ち上がらず、水が流れません。
反対にチェーンが短すぎてもフロートバルブがきちんと閉まらず常に少し水が流れ続けてしまい、タンクに十分な水が溜まらなくなります。
ゴム製のフロートバルブが劣化して硬くなったり変形したりすると、レバーを引いても栓が外れにくくなったり、隙間から水漏れしてタンクが満水にならないことがあります。
ボールタップが故障した場合も給水・止水の制御ができず、うまく水が流れない・溜まらない状態になります。
このようにトイレタンク内の部品不良は、一見すると「水が流れない」という症状で現れます。
原因が部品の劣化によるものであれば、その部品を調整・修理したり交換することで解決できます。
トイレが流れない場合の対処法
ここからは、トイレが流れないトラブルへの具体的な対処法を原因別に説明します。まずは原因を見極め、それに合った方法で対処することが大切です。
自分で直せるケースもあれば、専門の道具や技術が必要で業者依頼が望ましいケースもあります。一つずつ見ていきましょう。
まずは原因を確認
トイレ修理の対処を始める前に、まず流れない原因がどこにあるのかを確認することが重要です。
原因を誤ると適切な対処ができず、状況が悪化するおそれもあります。
以下の手順で不具合の箇所を切り分けてみましょう。
- タンクのフタを開けて水が溜まっているか確認する(空っぽなら給水トラブルの可能性)
- タンク内に水がある場合、水洗レバーを操作したときの反応を確認する
- レバーが軽く空回りする → チェーン外れやレバー故障の可能性
- レバーに手応えはあるが水が出ない → フロートバルブの不具合や詰まりの可能性
- タンクから水が出て便器に入るが流れていかない → 排水経路のつまりの可能性
大きく「タンクに水が溜まらない」場合と「タンクから水は出るが便器の水が流れない」場合に分けて考えると原因を特定しやすくなります。
前者であれば給水系かタンク部品の問題、後者であればつまりやタンク部品(フロートバルブなど)の問題が疑われます。
原因を確認したら、次節から紹介する方法で実際に対処していきましょう。
トイレ修理に必要な道具
自分でトイレのつまりや故障を直すために、用意しておくと便利な道具を紹介します。身近なものやホームセンターで入手できるものが中心です。
あらかじめ準備しておくと、いざという時に慌てず対応できます。
- ラバーカップ(いわゆる「スッポン」:便器の排水口に押し当てて圧力をかけ、つまりを吸引・押し出す道具)
- バケツ(水や汚物を汲み出したり、お湯を注いだりするのに使用)
- ゴム手袋(手を汚水や汚物から保護し、安全に作業するために着用)
- マイナスドライバー(止水栓の開け閉めに使用。硬貨などでも代用可)
- モンキーレンチ(ナットで固定されたレバーや給水管を外す際に使用)
- 重曹(じゅうそう:炭酸水素ナトリウムの粉。つまり解消に使用)とお酢またはクエン酸(重曹と組み合わせてつまりを分解するのに使用)
- 雑巾やタオル(床に漏れた水を拭いたり、掃除の際に使用)
- ※必要に応じて:真空式パイプクリーナー(強力なポンプ式のつまり除去道具)、ワイヤーブラシ・トーラー(配管内の固形物を除去する器具)
一般家庭ではラバーカップとバケツ、重曹やお酢などがあれば基本的なつまりには対処できます。
モンキーレンチやドライバーはタンク内部品の調整・交換時にあると便利です。状況に応じて上記の道具を準備しましょう。
トイレつまりを解消する
トイレが流れない原因が「つまり」である場合、自分で解消を試みることができます。ここでは家庭でできる代表的なつまり解消法を紹介します。
- ラバーカップによるトイレつまり解消法
- お湯を使ったトイレつまり解消法
- 重曹を使ったトイレつまり解消法
ただし、無理に作業して便器や配管を傷つけてしまうと修理費用がかさむ恐れがあります。
慎重に作業し、改善しない場合は無理をせず業者に依頼しましょう。それでは順に方法を見ていきます。
ラバーカップによるトイレつまり解消法
つまり解消の定番はラバーカップ(スッポン)を使った方法です。
ラバーカップはホームセンターやドラッグストアでも入手でき、和式・洋式でカップ形状が異なる場合がありますが使い方は同じです。
- 便器の排水口にカップを密着させる:ゴムカップ部分を排水口(穴)にしっかりと当てます。このとき便器内に適度な水位があると効果的です(水が少なければバケツで足し、カップが半分ほど浸るくらいにする)。
- ゆっくり押し込んで勢いよく引く:ラバーカップを垂直に押し込み、カップをへこませた状態から一気に引き抜きます。
- 何度か繰り返す:1~2の動作を何度か繰り返し行います。ゴボッと音がして少しずつ水位が下がったり、詰まりが動く感触があれば効果が出ています。
- 水を流して確認:作業後、バケツで少量の水を流すか、水位が十分下がっていればタンクの水を流してみます。勢いよく流れるようになればつまり解消です。まだ流れない場合は再度繰り返すか、次の方法を試してください。
ラバーカップでトイレつまりを解消する際は、押す時より引く時に力を入れるのがポイントです。水圧の変化で詰まった物をグッと引き出すイメージです。

ラバーカップ使用の際は、強く押しすぎて急に離すと汚水が跳ねてしまうことがありますので注意しましょう。
また、和式トイレの場合は奥に突き当たる感じがするまでカップを差し込んでから引いてください。
ちなみにラバーカップに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

お湯を使ったトイレつまり解消法
ラバーカップが手元に無い場合や、つまりの原因がトイレットペーパーなど水に溶けるものと考えられる場合はお湯を使った方法がおすすめです。
お湯の熱で紙や汚物をふやかし、つまりを解消しやすくします。次の手順で行いましょう。
- 便器内の水位を調整:便器に水がたくさん溜まっている場合は、バケツや柄杓で半分程度に減らします。逆に少なすぎる場合は少し水を足しておきます。
- 適温のお湯を用意:やかんや鍋でお湯を沸かしますが、熱湯は避けて50〜60℃程度に冷ましたものを使います。沸騰直後のお湯をいきなり注ぐと陶器が割れる恐れがあるため注意してください。
- お湯をゆっくり注ぐ:お湯を便器の排水口めがけてゆっくり注ぎ入れます。一気に大量のお湯を入れると溢れる危険があるので様子を見ながら少しずつ注ぎましょう。便器内の水位が上がりすぎないように調整します。
- しばらく放置する:お湯を入れたら20〜30分程度そのまま放置します。温度と水圧で紙がふやけて解けるのを待ちます。時間があるなら1時間程度置くとより効果的です。
- 流れるか確認:放置後、水位が下がっていればつまりが緩和された証拠です。バケツで水を少し流すか、タンクの水を流してみてください。スムーズに流れれば成功です。まだ流れない場合はもう一度お湯を追加して繰り返すか、次の重曹の方法を試します。
お湯による方法はトイレットペーパーや排泄物が原因のつまりに有効ですが、プラスチックなどの異物には効果がありません。
また、便器が陶器製であることがほとんどなので、熱湯は厳禁です。必ず適温まで冷ましたお湯を使うようにしてください。
ちなみにお湯を使ったトイレつまり解消に関してはこちらの記事でもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

重曹を使ったトイレつまり解消法
身近にある重曹とお酢を利用してつまりを解消する方法もあります。
重曹とお酢を混ぜると発泡して二酸化炭素の泡が発生し、この作用で紙や汚物を分解・緩和する効果が期待できます。
ラバーカップが無い深夜などでも試しやすい方法です。手順は以下の通りです。
- 換気する:初めにトイレの窓やドアを開けて十分に換気してください。重曹とお酢の反応で発生する二酸化炭素がこもらないようにするためです。
- 水位を調整:お湯の方法と同様、便器内の水が多すぎる場合は汲み出して減らします。反対に少なすぎる場合は少し水を足しておきます。
- 重曹を入れる:重曹(粉末)をコップ1杯程度、直接便器の排水口付近に振り入れます。粉が水に沈殿して詰まり部分に触れるようにします。
- お酢(またはクエン酸液)を入れる:コップ1/2〜1杯程度の酢をゆっくりと注ぎます。重曹と反応して泡が発生しはじめます。(※泡が吹きこぼれる恐れがあるためゆっくり注ぎましょう)
- お湯を注ぎ入れる:続けて50℃程度に冷ましたお湯を便器の半分くらいまで静かに注ぎ足します。するとさらに発泡が活発化します。
- しばらく放置する:そのまま1時間程度放置して、泡がつまりの原因を徐々に分解・軟化するのを待ちます。
- 水を流して確認:時間が経ったら、バケツで水を少しずつ流してみます。スムーズに流れるようになればつまり解消です。もし流れが悪ければもう一度重曹とお酢を追加して繰り返すか、ラバーカップも併用してみましょう。
重曹とお酢の方法は、排泄物や紙によるつまりに効果がありますが、異物や頑固な尿石にはあまり効きません。
また、塩素系の洗剤や他の薬剤とは絶対に併用しないでください。有害なガスが発生する危険があります。
必ず重曹+酸性(お酢やクエン酸)だけで試し、効果がない場合は他の手段に切り替えましょう。
ちなみに重曹を使ったトイレつまり解消に関してはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。

以上の方法で多くのつまりは解消できますが、それでも改善しない場合や明らかに異物を流してしまった場合は、無理をせず専門の業者に依頼することをおすすめします。
無理にワイヤーを突っ込んで配管を傷つけたり、便器を外そうとして破損させると状況が悪化します。詰まりが頑固なときはプロの力を借りましょう。
トイレタンク内部部品の修理
トイレタンクに水が溜まらない、レバーをひねっても反応がない、といった場合はタンク内部品の不具合が原因です。
この場合は該当する部品を修理・交換する必要があります。
以下に、主な対処ポイントを挙げます。
- チェーンが外れていないか:レバーとフロートバルブをつなぐ鎖が外れていたら、元の位置に掛け直します。フックが壊れていないかも確認しましょう。
- チェーンの長さ調整:チェーンが長すぎるとレバーを回してもフロートバルブが持ち上がりません。適度なたるみになるように調整し、長すぎる分はカットするか調節します。
- レバーの緩み・破損:タンク外側のレバー根元にある固定ナットが緩んでいれば締め直します。レバー自体が折れていたり空回りする場合は部品交換が必要です。ホームセンターで対応するレバー部品を購入し、古いものを取り外して新しいものに交換しましょう(取り付け部のナットは逆ネジの場合が多いので注意)。
- フロートバルブ(ゴムフロート)の状態:タンク底のゴム製フロートにひび割れや変形がないか確認します。劣化している場合は正常に栓が開かず水が流れない原因になります。ゴムフロートは規格品が市販されているので、新しいものに交換しましょう。
- 浮き球とボールタップ:浮き球がスムーズに上下するか確認します。引っかかっている場合は位置を直します。ボールタップ(給水バルブ)が故障して水が出ない場合、部品の清掃や交換が必要です。こちらは少し難易度が高いため、自信がなければ業者に任せた方が安全です。
以上の点検・修理で、多くの場合タンク内の不具合は解消し、水が流れるようになります。作業の際は必ず止水栓を閉め、水が出ない状態で行ってください。
修理後、止水栓を開けてタンクに水を溜め、正常にレバーで流れるかを確認しましょう。
部品交換した場合は、新しい部品がきちんと取り付けられているか、水漏れがないかもチェックしてください。
もし部品交換を試みても直らない、あるいはトイレの構造によっては素人では交換が難しい部品(特殊なバルブや洗浄ユニットなど)の場合もあります。
その際は無理せず水道修理のプロに相談してみてください。プロであれば適切な部品を持参して迅速に交換してくれるでしょう。
ちなみにトイレタンクの修理に関してはこちらの記事でもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

トイレが流れないトラブル解決の料金相場
トイレが流れないトラブルに関する修理料金の相場を把握しておきましょう。以下に主な作業内容別の目安を示します。
- 薬剤を用いたつまり除去:約3,000円
- ラバーカップなど簡易道具でのつまり除去:約4,000円〜8,000円
- 高圧ポンプ・トーラー等専門機材でのつまり除去:約7,000円〜20,000円
- 部品交換(鎖・レバー・フロートなど):部品代+作業費で約5,000円〜15,000円
上記はあくまで目安ですが、軽度のつまりなら1万円未満、深刻なつまりや大掛かりな修理になると数万円程度を見ておくと良いでしょう。
ただし業者によっては基本料金(出張費)や夜間・早朝の割増料金が別途かかる場合もあります。
依頼前に料金体系を確認し、見積もりを出してもらうことをおすすめします。
また、中には相場を大きく超える高額請求をする悪質な業者も存在します。相見積もりを取ったり、料金表を公表している良心的な業者を選ぶことでトラブルを避けられます。
水道局指定の業者であれば極端なぼったくりは少ない傾向にありますが、念のため事前に料金の説明をきちんとしてもらい、不明瞭な点は確認するようにしましょう。
トイレが流れないトラブルを再発防止するための対策
一度トイレが流れないトラブルを経験したら、再発防止策にも気を配りましょう。
同じトラブルを繰り返さないように、日頃からできる対策を3つご紹介します。いずれも難しいことではなく、少し注意するだけで効果があります。
- トイレットペーパーを適切に使用する
- 異物を流さない
- トイレタンク内の点検・清掃
トイレットペーパーを適切に使用する
トイレットペーパーの使い方ひとつで、つまりのリスクを大きく減らすことができます。まず、一度に大量の紙を流さないようにしましょう。
必要以上に長く巻き取りすぎたり、大量の紙を重ねて使用すると、紙が水に溶けきれず配管内で留まり詰まる原因になります。
長尺ロールなどを使っている場合は特に注意が必要です。
そのため、まずはトイレットペーパーを大量に流さずに、適切な量を使用するように意識をしましょう。

もし排泄物が多く紙もたくさん使った場合は、途中で2回に分けて流すことを心がけてください。一度流してからもう一度使用することで、一度あたりの負荷を減らせます。
また、トイレットペーパー自体も水に溶けやすい質の良いものを選ぶと安心です。日本のトイレットペーパーにはJIS規格による溶解度試験をクリアした製品があります。
パッケージに「水に溶けやすい」と明記されたものを選ぶと良いでしょう。逆に、ティッシュペーパーやキッチンペーパーなど水に溶けにくい紙類は流さないでください。
トイレにはトイレットペーパー以外の紙は流さないのが鉄則です。適切な紙の使用と流し方を心がけるだけでも、つまりの再発をかなり防ぐことができます。
異物を流さない
トイレには異物を流さないことが大前提です。
トイレに流して良いのは「排泄物」と「トイレットペーパー」のみと覚えておきましょう。以下のようなものは決して流さないでください。
- 生理用品、おむつ、綿棒、コットンなどの衛生用品(紙や綿でも水に溶けません)
- おもちゃ、小銭、ペンなどの小物類(お子様が遊んで落としやすい物に注意)
- 食べ残しや天ぷら油、猫砂などトイレ以外の廃棄物(固まったり沈殿して配管を塞ぎます)
- 「流せる」と書かれたおしり拭きシートや紙でも、大量に流すと詰まることがあります。少量でも心配な場合はゴミ箱に捨てた方が無難です。

特に小さなお子様がいるご家庭では、おもちゃや異物を誤ってトイレに落としてしまう事故が起こりがちです。
チャイルドロック機能付きの便座フタを活用したり、日頃から「トイレに物を落とさない・流さない」ことを教えることも大切です。
万一異物を落としてしまった場合は、まだ流れていなければゴム手袋をして取り出してください。無理に流そうとしないことが肝心です。
トイレタンク内の点検・清掃
トイレのつまりは排水経路だけでなくタンク内部品の不具合から起こることもあります。日頃からトイレタンク内の状態を点検・清掃する習慣をつけましょう。
といっても難しいことはありません。月に一度程度、タンクのフタを開けて中を覗いてみるだけでもOKです。
チェックするポイントは、水位や部品の状態に異常がないかです。適切な水位まで水が溜まっているか、浮き球が途中で引っかかっていないか、鎖がたるみすぎていないか、などを確認します。
水垢が部品にこびりついていたら拭き取るだけでも動きが改善することがあります。
また、タンク内に長年溜まった汚れ(黒ずみやヌメリ)は、放置すると給水バルブのフィルターを詰まらせたりする原因になります。
市販のタンククリーナー剤などを使って定期的に洗浄するとよいでしょう。
ただし塩素系の洗浄剤を使う場合は部品を傷めることもあるため、説明書に従って適切に使用してください。
タンク内を清潔に保ち、部品の劣化に早めに気づくことで、突然の「流れない」トラブルを未然に防ぐことができます。
音や手応えなど普段と違うと感じたら、早めに点検する習慣をつけましょう。
トイレ修理業者に依頼するケース
トイレが流れないトラブルに直面したとき、最初は自分で何とかしようと試みるかもしれません。
しかし、場合によってはプロのトイレ修理業者に依頼した方が良いケースもあります。以下のような状況では、無理をせず業者に任せることを検討しましょう。
- 自力で解決できない場合
- 繰り返しトイレが流れなくなる場合
- 悪臭や水が溢れる等の緊急性が高い場合
自力で解決できない場合
ラバーカップやお湯、重曹など様々な方法を試してみてもつまりが解消しない場合は、無理に続けても改善が見込めない可能性があります。
異物が深い位置に詰まっていたり、排水管の奥で固形化している場合は、専門業者が持つ機材(高圧ポンプやトーラー、カメラ調査機器など)でないと取り除けないことがあります。
また、タンク内部品の故障で自力交換が難しいケース(特殊な形状の部品、便器一体型トイレの内部機構など)もあります。
工具が手元になかったり分解手順が不明なまま無理をすると、かえって故障箇所を増やしかねません。
自分で対応しても直らない、対処法がわからないときは業者に依頼するのが安全です。
繰り返しトイレが流れなくなる場合
一度直しても何度もトイレのつまりや不具合が再発する場合は、根本的な原因が解消されていない可能性があります。
配管自体の傾きや老朽化、下水道や排水枡のトラブルなど、自分では手を出せない部分に問題があるケースもあります。
例えば古い家屋で排水管に汚れが蓄積し、排水管の中が狭くなってしまっていると、何度もつまりが発生します。
このような場合は配管洗浄や交換といった大掛かりな対策が必要になることもあります。繰り返すトラブルはプロに相談し、原因を徹底的に調査・解決してもらうことが大切です。
そのまま我慢して使い続けると、ある日大きな故障に繋がるかもしれません。
悪臭や水が溢れる等の緊急性が高い場合
トイレが流れない状況に加えて下水の悪臭がする、あるいは汚水が逆流して溢れてくるような場合は、非常に緊急性が高いです。
悪臭は排水管のさらに下流(下水道や浄化槽)のつまりや逆流を示唆しており、放置すると衛生上も問題があります。
また、水が溢れて床一面水浸しになると、下の階への漏水など二次被害も甚大です。
このような事態では一刻も早く専門業者を呼ぶのが得策です。
24時間対応の水道修理業者であれば、深夜でも駆けつけてくれるところがあります。
応急処置にも限界がありますから、躊躇せずプロに任せて被害を最小限に留めましょう。
トイレ修理業者の選び方
いざ業者に依頼しようと思っても、どの業者を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。
水道修理業者は数多く存在しますが、信頼できる業者を選ぶために確認したいポイントを押さえておきましょう。
- 水道局指定業者か
- 対応エリア・対応時間
- 施工実績
- 保証・アフターフォロー
- 口コミ・保証
水道局指定業者か
まず注目したいのは、その業者が各自治体の水道局指定工事店かどうかです。
水道局指定業者とは、水道局から給排水工事の資格を正式に認定された業者のことで、一定の基準を満たした信頼できる業者と言えます。

自治体のウェブサイトなどで「指定工事店一覧」が公開されている場合もありますので、一度確認してみるとよいでしょう。
指定業者でないからといって必ずしも悪質というわけではありませんが、指定を受けている業者は技術や実績の面で安心感があります。
「水道局指定第○○号」といった番号をホームページ等に表示している業者も多いです。
初めて依頼する業者で不安な場合、ひとつの判断基準としてチェックしてみてください。
対応エリア・対応時間
トイレ修理を依頼する際は、自宅のエリアに対応しているか、また希望する時間帯に来てもらえるかも重要です。
インターネットで業者を検索するときは、所在地や対応エリアを確認しましょう。遠方の業者だと出張費が高くついたり到着に時間がかかることがあります。
なるべくお住まいの地域で実績のある業者を選ぶと良いです。また、トイレが使えない状況は一刻を争うことも多いため、24時間受付・対応可能な業者だと安心です。
深夜や早朝でも駆けつけてくれるところは心強いですね。
ただし、営業時間外の対応は割増料金になるケースもあるので、その点も事前に確認しましょう。
受付だけは24時間で実際の作業は営業時間内という業者もありますので、急いでいる場合は「今から来てもらえるか」を電話でしっかり伝えて確認することが大切です。
施工実績
業者選びでは、これまでの施工実績も参考になります。
創業してからの年数や、これまで対応してきた件数などを公表している業者も多いです。
例えば「累計○万件の修理実績」「創業○○年の信頼」といった謳い文句は、その業者の経験値を示すものです。
トイレのような水まわりトラブルは、やはり場数を踏んだプロの方が的確に原因を突き止めて修理してくれる傾向があります。
もちろん、創業年数の浅い、新しい業者でも優良なところはありますが、判断材料が少ない場合は経験豊富な老舗業者を選ぶ方が安心でしょう。
公式サイトやチラシに実績が書かれているかチェックしてみてください。
保証・アフターフォロー
修理が完了した後の保証やアフターフォローがしっかりしているかも大切です。
例えば「修理箇所について○ヶ月以内に再発した場合は無償対応」といった保証制度を設けている業者もあります。
修理内容によって保証期間は異なりますが、保証があると万一再度トラブルが起きても安心です。
また、修理後に気になることがあった際に気軽に相談できる雰囲気かも重要です。電話対応が丁寧だったり、作業後に今後の予防策をアドバイスしてくれる業者は信頼できます。
アフターフォローが手厚い業者かどうかは、口コミや評判からもうかがい知ることができます。
口コミ・保証
最後に口コミや評判も業者選びの参考情報となります。
実際にその業者を利用した人の声は貴重ですので、インターネットの口コミサイトやSNS、地域の掲示板などで評判を調べてみましょう。
「対応が迅速だった」「説明が丁寧だった」「料金が明朗会計だった」といった良い評価が多い業者は安心できます。
逆に「作業後に高額請求された」「修理後すぐまた壊れたのに対応してくれなかった」など悪い評判が多い業者は避けた方が無難です。
口コミを見る際は、すべてを鵜呑みにせず全体的な傾向を掴むようにしましょう。中には競合他社による誹謗中傷やサクラの絶賛レビューが混じっている場合もあります。

一つのサイトだけでなく複数の情報源を見るとより信頼性が増します。最終的には、自分が問い合わせたときの対応の印象なども含めて総合的に判断すると良いでしょう。
以上のポイントを踏まえて業者を選べば、大きく外れを引くことは避けられるはずです。
困ったときに信頼できる業者が見つかれば、トイレトラブルも早期に解決できるでしょう。
まとめ
トイレが流れない原因と対処法について、応急処置から予防策まで詳しく見てきました。最後に重要なポイントを振り返っておきましょう。
まず、トイレが流れなくなったら落ち着いて止水栓を閉め、電源プラグを抜いて安全確保することが第一です。
その上で、原因が「つまり」なのか「給水トラブル」なのか「タンク部品の不具合」なのかを確認し、それぞれに合った対処を行いましょう。
ラバーカップやお湯、重曹などを使った自力でのつまり解消法も効果的ですが、無理は禁物です。原因を取り除いた後は、再発防止のための日頃の注意も大切です。
トイレットペーパーの使い方に気をつけ、異物は流さず、タンク内もときどき点検・清掃しておくとよいでしょう。
それでも解決が難しい場合や緊急性の高い場合は、早めに水道修理業者に相談してください。信頼できる業者を選べば迅速かつ確実にトラブルを解決してくれます。
トイレは生活に欠かせない設備だからこそ、いざという時のために正しい知識と対処法を知っておくことが大切です。
本記事の内容を参考に、トイレが流れないトラブルにも落ち着いて対応し、快適な暮らしを守ってくださいね。
困ったときには無理をせずプロの力を借りることも検討し、早め早めの対処で被害や不便を最小限に抑えましょう。
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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