初心者でも安心！ウォシュレットの掃除方法・頻度・注意点を徹底解説

ウォシュレットの掃除の必要性

ウォシュレットは水で洗浄する機能があるため、「あまり汚れが付かないのでは」と思われがちです。しかし、実際には使用を重ねると様々な汚れが蓄積します。

その結果、不衛生なだけではなく故障を招く可能性もあります。

トイレという性質上、放っておくと衛生的にも良くありませんので、こまめな掃除が欠かせません。

まず、ウォシュレットを使っていると水滴や湿気による汚れが発生します。ノズルから噴出した水がおしりを洗浄する際に、便器の中だけでなく周囲にも水が飛び散り、ウォシュレット本体や便座が濡れることがあります。

この水滴が乾くと水道水中のミネラル分が固まって水垢（みずあか）となり、白いウロコ状の汚れが付着します。

特にノズルが収納される部分は常に湿度が高く、水垢が放置されると黒カビへ発展する恐れもあります。

また、トイレ使用時の尿や便の飛び散りも見逃せません。普段目に付きにくい便座の裏側や接合部にも、飛び散った尿が少しずつたまって黄ばみ汚れ（尿石）になることがあります。

尿石は悪臭の原因となり、見た目も不衛生です。

ウォシュレットには脱臭フィルターが付いている機種も多いですが、お手入れせずに長期間使用しているとフィルターにホコリが溜まり、本来の脱臭効果が発揮できなくなります。

このように、ウォシュレットを掃除せずに放置すると汚れによるニオイや衛生面の問題が生じてしまいます。

さらに、汚れがひどくなるとノズルが詰まって水が出にくくなったり、センサーが汚れて誤作動するなど故障の一因にもなりかねません。

快適で清潔なトイレ環境を保つためにも、ウォシュレットの定期的な掃除はとても大切なのです。

ウォシュレットの基本構造

ウォシュレットは主に次のような部分で構成されています。

ノズル（洗浄ノズル）は洗浄用の噴出口で、普段は本体内部に収納されており、使用時に伸びておしりに温水を噴射します。

便座は腰掛ける部分で、多くは暖房機能付きのプラスチック製です。便フタ（便蓋）は便器を覆うフタで、使用しないときに便器に蓋をする役割があります。

操作部はウォシュレットを操作するリモコンやボタンパネルのことで、壁付けのリモコンタイプと便座横に操作盤が付いた一体型タイプがあります。

ウォシュレット本体は便座後方の機械部分で、ノズルや温水を作るヒーター、脱臭ファンなどが収まっています（機種によって本体側面に脱臭フィルターが付いています）。

なお、ウォシュレットには給水用のホース（配管）が繋がっており、そこから水道水がノズルに供給されます。

その元となる止水栓（しすいせん）と呼ばれる栓がトイレ本体の近く（壁面や床）にあり、ドライバーなどで回すことで給水を止めることができます。

また、ウォシュレットは電気製品ですのでコードをコンセントにつないで使用しています。掃除の際は感電や誤作動を防ぐため、後述のように電源プラグを抜いて作業するようにしましょう。

ウォシュレットの掃除に必要な道具

ウォシュレットを掃除するにあたって、あらかじめ以下のような道具を用意しておくとスムーズです。

身近にあるものや安価に揃えられるものばかりなので、事前に準備しておきましょう。

中性洗剤

ウォシュレット掃除には、家にある中性洗剤（中性タイプの住宅用洗剤）を使いましょう。

中性洗剤とは酸性・アルカリ性が強くない中間の性質を持つ洗剤で、素材を傷めにくく安全に汚れを落とせます。

具体的には食器用の液体洗剤や、お風呂用・キッチン用の中性クリーナーなどが該当します。

トイレ用洗剤には塩酸などが含まれる酸性のものが多く、ウォシュレットのプラスチック部分には不向きですので、中性洗剤を使用するのがおすすめです。

中性洗剤は主に皮脂汚れやホコリなど一般的な汚れを落とすのに適しています。

布や歯ブラシ

ウォシュレット掃除には、道具として柔らかい布と古い歯ブラシも用意しましょう。布は綿のボロ布やマイクロファイバークロスなど、水拭き・薬剤拭きに使えるものを数枚用意します。

これに関しては使い捨てのトイレ掃除用シートを利用しても構いません。

歯ブラシは細かい部分の汚れをかき出すのに便利です。

ノズルの先端や噴出口、便座のヒンジ周りなど、布だけでは届かない箇所を古い歯ブラシで軽くこすると汚れが落としやすくなります。

ただし、ブラシで強くこすりすぎるとプラスチックを傷つける恐れがあるため、優しく扱ってください。

なお、割り箸に布を巻き付けた簡易棒や綿棒も細部の拭き取り掃除に役立ちます。

消毒液

仕上げや除菌には消毒用アルコール（エタノール）などの消毒液があると便利です。

中性洗剤で汚れを落とした後、アルコールスプレーを布に吹き付けてノズルや便座を拭けば、目に見えない雑菌の除去ができます。

アルコールは揮発性が高く跡が残りにくいので、水拭き後の仕上げにも適しています。市販のトイレ用除菌クリーナー（アルコール配合のシートやスプレー）でも構いません。

ただし、スプレータイプの場合は直接対象に吹きかけず、一度布に出してから使うようにしましょう。

ゴム手袋

トイレ掃除全般に言えることですが、ゴム手袋を着用すると安心です。汚れに直接触れることを防げますし、洗剤やお湯による手荒れ予防にもなります。

また、掃除に抵抗がある方も、手袋をすることで心理的なハードルが下がり作業しやすくなるでしょう。

トイレ専用に使うゴム手袋を1組用意し、使用後はしっかり洗って乾かし、清潔に保管しておくと良いです。

ウォシュレットの部位別掃除方法

それでは、具体的にウォシュレットの各部位を掃除していきましょう。安全にお手入れするため、最初に必ず電源と水を止めてから作業を行います。

その上で、ノズル、便座、リモコンの順にお掃除していきます。

掃除前にウォシュレットの電源を切り止水栓を閉める

掃除を始める前に、必ずウォシュレットの電源を切り、止水栓を閉めて水と電気を止めてください。

まず、ウォシュレット本体の電源スイッチをオフにするか、コンセントからプラグを抜きます。

続いて、トイレの給水管にある止水栓（しすいせん）を右に回して閉め、水が出ない状態にします。

止水栓とは、トイレやウォシュレットへの給水を遮断するための元栓です。

一般的にトイレ本体の脇の壁や床に、銀色のネジやハンドル状のバルブが付いています。これをドライバーや手で回すことで水を止めることができます。

この作業によって、掃除中に誤ってウォシュレットの洗浄ボタンが押されて水が噴き出す心配がなくなります。

また、電源を切っておけば、水気がある状態で誤作動したり感電したりするリスクも防げます。

電源と水を止めたことを確認したら、いよいよ各部の掃除に取りかかりましょう。

ノズルの掃除方法

ウォシュレットの要であるノズルは、清潔を保つ上で特に重要な部分です。掃除する際は、ノズルを本体から引き出して隅々までお手入れします。

まず、機種に搭載されているノズル掃除モードやボタンがあれば使用しましょう。多くのウォシュレットには、お手入れ用にノズルを前方に突出させる機能があります。

操作パネルの「ノズル掃除」ボタンを押す、停止ボタンを長押しする、電源オフ状態から特定の操作を行う等、メーカーによって方法が異なるため、取扱説明書で確認してください。

これらの操作でノズルがゆっくりと前に出てきたら、掃除を開始します。もしノズル掃除用の機能が無い場合やうまく作動しない場合は、手でノズルを引き出す方法もあります。

ゴム手袋をしてノズルの先端部分をつまみ、壊さないようそっと手前に引っぱります。強く引きすぎないよう注意しましょう。

ノズルが十分に露出したら、中性洗剤を含ませた布でノズル全体を優しく拭き洗いします。特に先端部分や水が出る噴出口は汚れが付きやすいので丁寧に拭きましょう。

汚れが浮いてきたら、古い歯ブラシでノズルの先端や噴出口を軽くこすって汚れを落とします。歯ブラシは柔らかい毛のものを使い、強く擦りすぎないことが大切です。

ノズルを傷つけたり故障させたりしないよう、優しく汚れをかき出すイメージで磨きましょう。

ノズルの清掃が終わったら、洗剤が残らないように固く絞った布で念入りに水拭きします。

機種によってはノズル先端を取り外して内部を洗えるものもありますが、無理に外そうとせず、説明書に記載がある場合のみ行ってください。

最後にノズルを元の位置に戻します（電源を入れ直すと自動で収納される機種もあります）。

併せて、ノズルが収納される周囲の穴や筒の部分も綿棒や布で拭いておくと完璧です。

便座の掃除方法

次に、便座と便座のフタ部分を掃除します。人が直接触れる便座周りは常に清潔にしておきたい部分です。

可能であれば、便座とフタを取り外して掃除すると隅々まで綺麗にできます。多くのウォシュレットは便座後方にワンタッチで外せるボタンやレバーが付いています。

操作方法は機種によりますが、取扱説明書に「便座の取り外し方法」が記載されていますので、外せる場合は外してみましょう。

取り外しが難しい場合は、無理せず取り付けたまま掃除しても構いません。

便座とフタを掃除する際は、中性洗剤を薄めたぬるま湯を布に含ませ、表面をまんべんなく拭きます。

便座の表側だけでなく、裏側（便器と接する面）もしっかり拭きましょう。便フタも同様に、表と裏の両面を丁寧に拭きます。尿の飛び散りによる汚れやホコリが溜まりやすい部分なので、念入りに行ってください。

便座の付け根や、ウォシュレット本体と便器のすき間など細かい箇所の汚れは見落としがちです。

そういった狭い部分には、布を細く折りたたんで差し込むか、布を巻いた割り箸、または綿棒を使って汚れを拭き取りましょう。

全体を洗剤拭きしたら、仕上げに固く絞った布で水拭きして洗剤分を除去します。取り外した便座とフタは、乾いた布で水気を拭ってから元通りに取り付けます。

なお、ウォシュレット本体（便座の後ろにある機械部分）の表面も忘れずに拭いてください。

特に本体側面の脱臭フィルター付近や、便器との接合部は汚れが溜まりやすいので注意しましょう。

リモコンの掃除方法

最後に、リモコン（操作パネル）の掃除方法です。リモコンは手で触れる機会が多いため、意外と汚れています。埃（ほこり）や手垢が付着しやすいので、定期的に拭き掃除しましょう。

リモコンの表面は、固く絞った布で優しく水拭きすれば十分綺麗になります。

油分などの汚れが気になる場合は、中性洗剤を薄めた水に布を浸し、固く絞ってから拭きましょう。

洗剤拭きした後は、水拭きで洗剤成分を拭き取ってください。ボタンの周りや隙間の汚れは、綿棒を使うと便利です。

綿棒に少量の水や中性洗剤を含ませ、細かい部分を丁寧に掃除します。細い部分でも綿棒なら届きやすく、汚れを絡め取ることができます。

仕上げに、消毒用アルコールを含ませた布でリモコン全体を拭いておくと除菌もできて安心です。

スプレー式の除菌剤を使う場合は、直接リモコンに吹きかけず、一旦布やペーパーに噴射してから拭きましょう。

直接液をかけると、内部に水分が入り故障の原因となるため注意が必要です。ここまででウォシュレット各部の掃除は完了です。

すべての部位を掃除し終えたら、最後に止水栓を開けて給水を再開し、電源プラグをコンセントに戻して、ウォシュレットを通常通り使える状態に戻しましょう。

ウォシュレットの掃除を行う際の注意点

ウォシュレットを掃除する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

誤った掃除方法を取ると、思わぬ故障や劣化を招くことがありますので、以下をしっかり確認しましょう。

使用してはいけない洗剤がある

ウォシュレットの清掃では、使ってはいけない洗剤や道具もあります。特にプラスチックやゴム製の部品が多いため、強力すぎる薬剤や研磨剤は避けましょう。

以下に、ウォシュレット掃除で使用しないほうがよい洗剤や掃除方法の例を挙げます。

上記のような洗剤や方法は、ウォシュレットの樹脂部品を傷めたり変色させたりする原因となります。

特に酸性洗剤（クエン酸やお酢）と塩素系洗剤は、混ざると有毒ガスが発生し、非常に危険ですので絶対に混ぜないようにしましょう。

電気部分へ水分を侵入させない

ウォシュレットは電気で動く精密機器でもあるため、水気の扱いには注意が必要です。

掃除の際に水や洗剤の液が電気部分に入ってしまうと、故障やショートの原因になります。

基本的に、ウォシュレット本体やリモコンなど電装部に水を直接かけるのは厳禁です。

先述のとおり、スプレー洗剤を使う場合は布に噴射してから拭くようにし、決して機器に向けて噴きかけないでください。

また、水拭きに使う布も、しっかり絞って水滴が垂れない程度の湿り具合にしてください。

特に注意したいのは、ウォシュレット本体側面の操作パネル（またはリモコン受光部）や、温風乾燥機能付きの場合の送風口、脱臭フィルター付近などです。

こういった部分に水が入り込むと内部でショートしたり、ファンが故障したりする恐れがあります。

掃除する際は、これら電気部品の隙間に水分が入らないよう細心の注意を払いましょう。

万一、水や洗剤が内部に染み込んでしまった場合は、慌てずに電源を切りコンセントを抜いてください。

そして十分乾燥させ、異常がないことを確認してから再び電源を入れるようにしましょう。

ウォシュレットの掃除頻度とタイミング

汚れは油断するとすぐに溜まってしまうため、定期的なお手入れが大切です。では、ウォシュレットはどのくらいの頻度で掃除すればよいのでしょうか。

一般的には、以下の頻度を目安に掃除すると良いでしょう。

日々使うものですので、理想を言えば汚れが目立つ前に対処するのがベストです。例えば週末のトイレ掃除のタイミングで、ウォシュレットの拭き掃除もセットで行う習慣にすると良いでしょう。

ノズル掃除は週に一度、フィルター掃除は月に一度、月初や月末など覚えやすいタイミングで実施すると忘れにくくなります。

また、長期間留守にする前後や来客前などは念入りに掃除しておくと安心です。

このように定期的に掃除を行っていれば、大きな汚れが蓄積する前に対処できるため、一回あたりの掃除も短時間で済みます。

結果的にお手入れの負担も軽くなるでしょう。

ウォシュレットの掃除を楽にするポイント

最後に、ウォシュレットの掃除を少しでも楽にするためのポイントを紹介します。日々のちょっとした工夫で、面倒な掃除もぐっと負担軽減できます。

ぜひできることから取り入れてみてください。

例えば、トイレ内にあらかじめ使い捨ての除菌シートを置いておけば、気になったときにサッと便座を拭けて汚れをためずに済みます。

ウォシュレットの機種によっては、使用後に自動でノズルを洗浄したり、便器にミストを吹きかけて汚れを付きにくくしたりする機能があるものもあります。

そうした機能が搭載されている場合は是非有効に使いましょう。そして何より、こまめに掃除する習慣を持つことが、結局はいちばん掃除を楽にするコツです。

「汚れてから慌てて掃除する」のではなく、「常に軽く掃除しておく」ことで、常に清潔な状態をキープできます。

まとめ

ウォシュレットを清潔に保つためには、定期的な掃除が不可欠です。

必要性や基本構造を理解し、適切な道具を使って各部位を丁寧に掃除すれば、初心者の方でも安心してお手入れできます。

正しい方法でこまめに掃除を続けることで、ウォシュレットの衛生状態が保たれるだけでなく、故障の予防や製品の長持ちにもつながります。

ぜひ本記事の内容を参考に、ウォシュレットの掃除に取り組んでみてください。清潔なウォシュレットで、毎日を気持ちよく過ごしましょう。

ちなみにウォシュレットだけではなくトイレ掃除全般に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

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