ラバーカップとは

ラバーカップとは、トイレや排水口の詰まりを物理的に解消するための道具です。
柄の先に半球状の柔らかいゴムカップが付いており、カップ部分を排水口に密着させて押し引きすることで水圧と真空の力を生み出し、詰まった物を動かして流れを回復させます。
日本では昔からスッポンという愛称でも親しまれており、多くのご家庭で非常時に備えて1つは置かれている頼もしいアイテムです。
ラバーカップが活躍するのは、トイレットペーパーの流しすぎや排泄物など水に溶けるものが原因の詰まりです。
ゴムカップで水ごと詰まりの原因を吸引し、押し流したり引き寄せたりすることで、紙類をほぐして流れやすくする効果があります。
ただし、おもちゃや生理用品など水に溶けない異物が詰まった場合は、ラバーカップでは完全に取り除けないこともあります(この場合の対処法は後述します)。
一般にラバーカップはトイレ詰まりの応急処置として最も手軽で効果的な道具です。使い方さえ覚えておけば、プロの業者を呼ばなくても自宅で解決できるケースが多いため、特に一戸建てやマンション問わず日本全国の一般家庭で広く利用されています。
ラバーカップの種類・選び方
ひとくちにラバーカップと言っても、実はトイレの種類や形状に合わせていくつかのタイプがあります。適切なものを選ばないと十分な吸引力が得られず、詰まりをうまく解消できないこともあります。ここでは主なラバーカップの種類と選び方のポイントを紹介します。
- 和式トイレ用(お椀型) – ゴムカップ部分が丸いお椀のような半球型になっているタイプ。カップに突起がなく、和式トイレの床面にある排水口を覆いやすい形状です。シンプルな形のため洗面所や浴槽の排水口にも流用しやすく、昔から学校や公共施設などでもよく見かけます。
- 洋式トイレ用(突起付き) – カップ内部に筒状の突起(フランジ)がついたタイプです。洋式便器の奥まった排水口にしっかりフィットするよう工夫されています。自宅のトイレが洋式の場合はこの突起付きタイプが最適で、深い位置の詰まりにも効果を発揮します。
- 和洋兼用タイプ(節水型対応) – 和式・洋式どちらにも使える汎用タイプです。カップの縁に平たいツバ(フチ)が付いており、和式の平らな排水口にも、洋式の奥まった排水口にもフィットするよう設計されています。最近主流の節水型トイレ(洋式)にも対応できるようになっており、1本で様々なトイレに使えるのが特徴です。
ご家庭のトイレが洋式か和式か、そして排水口の形状によって最適なラバーカップの形は異なります。購入時にはまず自宅のトイレに合ったタイプを選びましょう。
例えば、洋式トイレに和式用(お椀型)ラバーカップを使っても奥まで届かず密着できないため、充分な吸引効果が得られません。
逆に和式トイレに洋式用(突起付き)を当てても隙間ができてしまいます。トイレに合った形状のカップを使うことが、つまり解消の近道です。
また、ラバーカップにはカップ部分のサイズ(大・中・小など)の違いもあります。家庭用洋式トイレなら中~大サイズ程度が一般的ですが、排水口の大きさに対してカップが小さすぎると密着できず効果が半減します。
そのため、購入前に便器の排水口直径をざっくり測っておくか、迷ったら少し大きめのサイズを選ぶと良いでしょう(ゴムは柔らかいので多少大きくてもフィットします)。
一方、柄(棒)の長さや太さも商品によって微妙に異なります。長すぎると狭いトイレで扱いにくいですが、短すぎると十分なストローク(押し引き幅)が取れません。握りやすい太さ・長さであるかも選ぶ際のチェックポイントです。
最後に、品質にも触れておきます。ホームセンター等で安価なものからしっかりした作りのものまで売られていますが、ゴム部分が柔らかすぎず硬すぎない適度な弾力のものが扱いやすく効果的です。
あまり安いものだとゴムが薄く弱かったり、逆に硬くて押し付けに力が必要な場合もあります。口コミや店頭での感触を確かめ、しっかり密着して真空状態を作り出せるものを選びましょう。
「まだラバーカップを持っていない」という方は、万一のために一本用意しておくことをおすすめします。 トイレが詰まってから買いに走るのでは遅い場合もあります。和洋兼用タイプを選んでおけば、自宅のトイレ以外にも幅広く使えるので安心です。
ラバーカップの使用方法
ここではラバーカップの基本的な使い方を解説します。洋式トイレと和式トイレでは排水口の形状や水のたまり方が異なるため、それぞれの場合に分けて手順を紹介します。
どちらの場合も「押す力より引く力が大事」というのがポイントです。

ゴムカップを排水口にしっかり密着させ、水を押し出す時よりも引き抜く時に強く引くことでつまりを吸い出す効果が高まります。それでは具体的な手順を見ていきましょう。
洋式トイレの場合
洋式便器でラバーカップを使うときは、水があふれないよう安全に配慮しつつ確実に詰まりを動かしていきます。次の手順で作業してみてください。
- 止水栓を閉める: 最初にトイレの止水栓(水を止めるための小さなハンドル)をしっかり閉めましょう。止水栓は壁や床から出ている給水管の途中にあるマイナスドライバーや手で回せるネジ状の栓です。これを閉めておけば、誤ってレバーを押しても水が流れず、汚水が便器からあふれるのを防げます。
- 周囲の養生と準備: ラバーカップを使うと水が飛び跳ねる可能性があるため、便器の周りに新聞紙や古タオルを敷いて床を保護します。あわせてゴム手袋を着用し、可能ならエプロンや汚れてもいい服装に着替えておきましょう。詰まったトイレの水には汚物が含まれる場合もあるため、衛生面の準備は大切です。
- 便器内の水位を調整: 便器の中の水が少なすぎても多すぎてもラバーカップの効果が出にくいです。適量は排水口をしっかり覆える程度(洋式ならカップが沈むくらい)が目安です。水位が低くカラカラの場合はバケツ等で水を足して半分ほど水を溜め(※お湯は後述の代用法で使いますが通常は水でOK)、逆に水が溜まりすぎて今にもあふれそうなら灯油ポンプや容器で汚水をくみ出して減らしておきます。
- ラバーカップを排水口に密着: ラバーカップのゴム部分を排水口にしっかり被せます。洋式用であればカップ内側の突起部分を排水口の奥まで差し込むようにセットしましょう。ポイントはカップ内に空気がなるべく入らないように斜めに当ててからまっすぐ密着させることです(空気だと圧力が逃げ、水があると力が伝わります)。便器とカップの間に隙間がないことを確認してください。
- ゆっくり押し込んで勢いよく引く: 密着させたら、最初にゆっくりとカップを押し下げて中の空気を抜きます。次に勢いよく手前にグッと引き抜くように動かします。この押してから引く動作を繰り返しましょう。2~3回では効果が出ない場合も多いので、リズミカルに5~10回程度続けてみてください。引き上げる際に水と一緒に詰まりの原因も動いて流れやすくなります。
- 詰まりが解消したか確認: 何度か繰り返すうちに汚水の水位が少し下がったり、ゴボッという音とともに水が引いていく感じがすることがあります。ある程度つまりが緩和した手応えがあれば、ラバーカップを外して様子を見ましょう。水位がスーッと下がっていくようであれば、詰まりが解消している可能性大です。
- 水を流して正常に流れるかチェック: 止水栓を開け直し、バケツの水やタンクの水を一度そっと流してみます。勢いよく流すと万一まだ詰まっていた場合に溢れる恐れがあるので注意してください。水が問題なく流れていけば成功です!詰まりが直った後は、念のためもう一度ラバーカップで軽く押し引きして残った汚物を押し流し、その後通常通りレバーで水を流して完了です。
多少時間がかかっても落ち着いて作業すれば、ほとんどの場合はこの手順でトイレの詰まりが解消するはずです。
作業後は取り除いた汚物が再度詰まらないよう十分に水を流しておきましょう。また、使用したあとのラバーカップはこのまま置いておくと不衛生なので、後述する方法できちんと洗浄してくださいね。
和式トイレの場合
続いて、和式トイレでのラバーカップ使用方法です。和式は洋式に比べて詰まりにくい構造とはいえ、大量の紙を流したりすると詰まることがあります。基本的な動作は洋式と同じですが、和式特有のポイントに注意しましょう。
- 止水栓を閉め、床を養生: 和式トイレでもまず止水栓を閉めることから始めます。和式は水を流す勢いが強いため、万一詰まった状態で水を流すと一気に溢れる危険が。必ず水を止めて作業しましょう。併せて、便器周りの床に新聞紙やビニールシートを敷いて飛び散り防止の養生をします。手袋の着用もお忘れなく。
- 便器に適量の水を溜める: 和式トイレは洋式に比べ便器内に常に溜まっている水が少ないため、そのままではラバーカップがうまく吸着しません。バケツや洗面器で汚水をすくうか水を足し、便器の半分くらいまで水を溜めましょう。このとき勢いよく注ぎすぎると溢れる可能性があるので注意してください。水が十分に溜まったら、排水口が水で覆われていることを確認します。
- ラバーカップを排水口に当てる: 和式トイレ用(お椀型)のラバーカップを排水口にかぶせます。和式便器の排水口は陶器の底部中央またはやや奥にありますが、カップ全体でしっかり覆うように当ててください。洋式と違いカップに突起が無いため、比較的フラットに密着できるはずです。このときも空気が入らないようにカップ内を水で満たした状態で当てるのがコツです。
- 押して引いてを繰り返す: カップが密着できたら、ゆっくり押し込んでから勢いよく引き抜く動作を繰り返します。和式トイレでも引く動作が重要なのは同じです。ジャバッと水が動く感覚がありますが、何度か繰り返すうちに抵抗が軽くなったり、ゴボゴボと水が引いていく音がしたら詰まりが動いた合図です。
- 水位の変化を確認し、流してみる: ラバーカップを外してみて、水位がスーッと引いていくようであれば詰まりが解消された可能性があります。ゆっくりと水を流してみて、正常に排水されるか確認しましょう。まだ流れが悪い場合は再度カップを当てて繰り返します。
和式トイレの場合も、水を十分溜めることと引き抜く力がポイントです。洋式に比べて姿勢的に作業しづらいかもしれませんが、ゆっくり確実に試してみてください。
なお、和式トイレの排水口は比較的大きいので、適切なサイズのラバーカップでないと密着しにくい点に注意しましょう。
例えば小ぶりのキッチン用ラバーカップでは和式トイレの排水口を覆いきれず効果が出ません。和式トイレをお使いのご家庭では、大きめサイズのラバーカップを用意しておくことをおすすめします。
ラバーカップ使用時の注意点
ラバーカップは便利な道具ですが、扱う際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
- 事前準備を徹底する
- 原因が異物の場合は無理しない
- 絶対に慌てて流さない
- 薬剤使用時は注意
- 正しい方法で使用する
誤った使い方をすると効果が無いばかりか、状況を悪化させてしまう恐れもあります。初心者の方でも安全かつスムーズに作業できるよう、以下の点に気を付けてください。
事前準備を徹底する
ゴム手袋の着用や床の養生(新聞紙やビニールシート敷き)は必須です。汚水が手や床に付着すると後始末が大変ですし衛生的にも良くありません。また作業前に止水栓を閉め、水位を調整するなど、準備を怠らないようにしましょう。
原因が異物の場合は無理しない
トイレットペーパーや排泄物以外の固形物(おもちゃ、生理用品、ペット砂やスマートフォンなど)が詰まりの原因と思われる場合、ラバーカップでは完全に取り除けないことがあります。
また無理に圧力をかけると異物が奥へ押し込まれ、さらに深刻な詰まりになる恐れや排水管を傷つけてしまう可能性もあります。心当たりがある場合は、早めに専門業者に相談するか、異物除去用の器具を検討しましょう。
絶対に慌てて流さない
詰まっているときに焦って何度も水を流すのは厳禁です。溢れて床一面が水浸し…なんて事態になりかねません。ラバーカップ使用中も、途中で便器の水が減ってきてもすぐにレバーをひねらず、バケツで少しずつ注ぎ足すなど慎重に対処しましょう。
薬剤使用時は注意
詰まり解消のためのパイプクリーナー(薬剤)を併用することもありますが、その場合は取り扱いに十分注意してください。薬剤投入直後にラバーカップで勢いよく圧力をかけると、薬品が飛び散って肌や目に危険を及ぼすことがあります。薬剤はあくまで単独で使い、それでもダメな場合にラバーカップを使う、もしくは併用する際はゴーグルをするなど安全対策を取りましょう。
正しい方法で使用する
ラバーカップは適量の水がある状態で垂直に押し当てるなど、正しい使い方をしてこそ効果を発揮します。斜めに押し付けて隙間があったり、カップに空気が入っていると圧力が逃げてしまいます。また押す時より引く時に力を入れることも忘れないようにしましょう。使い方のコツを押さえていれば、初心者でも十分つまりを直せます。
特に原因不明の異物には要注意で、「これは無理かも…」と感じたら早めに次の手段に切り替える冷静さも大切です。無理に続行せず、後述の対策やプロへの依頼も検討しましょう。
ラバーカップの代用品
「いざトイレが詰まったのに家にラバーカップが無い!」という状況は意外と多いものです。そんなときでも慌てないでください。身近にあるものを使ってラバーカップの代わりに詰まりを解消する方法がいくつかあります。
- ぬるま湯を流す
- ペットボトルを使う
- ラップを張る
- ビニール袋で直押し
- 時間を置く
完全に同じ効果とまではいきませんが、応急処置として試してみる価値は十分あります。
ぬるま湯を流す
やや熱め(50℃前後)のお湯をバケツで勢いよく注ぎ入れる方法です。水圧で押し流す効果と、お湯で紙をふやかす効果が期待できます。
ただし沸騰したお湯は陶器を割る恐れがあるためNG。あくまで手で触れられる程度の温度にしましょう。また、高い位置から一気に注ぐ際は飛び散りに注意し、床の養生を忘れずに。
ちなみにお湯を使ったトイレ詰まり解消法に関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますので参考にしてください。

ペットボトルを使う
大きめの空のペットボトル(2Lなど)の底を切り抜き、簡易ラバーカップとして利用する方法です。キャップを外した飲み口側が持ち手になります。切り取った底面を排水口に当て、上下に押し引きして圧力をかけると、つまりの原因を動かせます。ボトルの硬さで多少コツがいりますが、柔らかめのボトルだと圧力が伝わりやすいでしょう(切り口で便器や手を傷つけないようテープを巻くと安心です)。
ペットボトルを使用した方法に関してはこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてください。

ラップを張る
キッチン用のラップフィルムで便器のフチを覆い密閉し、空気圧で押し出す方法です。
便座とフタを上げた状態で、便器の上面を隙間なく何重にもピッタリとラップで覆います。厚めに巻いてピンと張ったら、水を流してみます(コップ1杯程度かタンクの小レバーで少量)。するとラップが風船のように膨れるので、手でゆっくり押し込んで水圧をかけます。一気に圧力が加わり、詰まりが押し流されることがあります。
ビニール袋で直押し
丈夫なビニール袋(ゴミ袋など)の中に手を入れ、袋ごしに排水口へ直接手を押し入れて詰まりを動かす荒技です。
一見驚きますが、手がラバーカップの代わりとなりピストン運動で水圧をかけることができます。厚手のゴム手袋をした上から袋を二重にするなどすれば衛生面も多少安心です。グッと押し込んでパッと引き抜く動作を繰り返し、終わったら袋を裏返しにしてそのまま廃棄します。
時間を置く
道具ではありませんが、しばらく放置して自然に流れるのを待つのも一つの手です。
トイレットペーパーが原因の場合、時間と水で徐々に溶けて流れやすくなることがあります。2~3時間程度水を足しつつ放置し、少しずつ水位が下がるようならそのまま改善するかもしれません。ただし完全に詰まって水位が下がらない場合は効果が薄いです。
以上が代表的なラバーカップ代用テクニックです。これらを試す際も、水が溢れないよう十分注意してください。特にラップ方法は成功すれば強力ですが、貼り方が不十分だと水が漏れるリスクがあります。
また、代用グッズでは完全に詰まりを取れない場合もあります。やはりラバーカップが一番簡単で確実ですので、応急処置でしのいだあとは早めにラバーカップを入手しておくと安心です。
固形物が詰まっているケースでは上記の代用法を無理に試さない方が良い場合もあります。例えばオモチャなどが引っかかっているときにお湯を流すと悪影響を及ぼすことも。また、ペットボトルやラップはあくまで紙詰まり向けの方法です。異物が原因の場合は最初から業者に依頼した方が結果的に早く安全に解決できます。
ラバーカップのメンテナンスと保管方法
トイレの詰まりが無事直ったら、使ったラバーカップをそのまま元通りに…とはいきません。使用後のお手入れ(メンテナンス)と保管もしっかり行いましょう。
汚れたまま放置すると悪臭や菌の繁殖の原因になりますし、次回使うときに嫌な思いをしないためにも重要です。以下に、ラバーカップを清潔に長持ちさせるための手順と保管のコツをまとめます。
使用後はすぐに洗浄する
まず使用後はすぐに洗浄することが大切です。ラバーカップのゴム部分には汚水や汚物が付着しています。そのままでは不衛生ですし、時間が経つほど雑菌が増えてしまいます。
具体的には、バケツに水をためて中でゴシゴシ洗うか、風呂場などで他のものと分けて水道水で十分にすすぎ洗いしましょう。便器の中で何度か水を流しながら振り洗いするだけでも大まかな汚れは落とせます。
汚れが気になる場合は中性洗剤とスポンジで軽くこすり洗いしても良いですが、塩素系漂白剤や強力な洗剤はゴムを劣化させる恐れがあるため避けてください。
どうしても気になる場合はアルコールスプレーなどで除菌しておくと安心です。
洗浄後はしっかりと乾燥させる
洗ったあとはしっかり乾燥させます。水気が残っているとカビや臭いの原因になるので、できれば日光に当てて天日干ししましょう。
天日干しが難しければ風通しの良い場所で十分乾かします。完全に乾燥すればゴム部分の劣化も遅らせることができ、結果的にラバーカップが長持ちします。
最後に保管方法です。ラバーカップは見た目も衛生面もあまり他人に見せたくない道具ですよね。適当に隅に置いておくと臭いや雑菌も気になります。以下のような方法で清潔に保管しておくと良いでしょう。
- 専用ケースに収納する – ラバーカップ用の専用収納ケースやスタンドを使って保管する方法です。ホームセンターやネット通販で購入できます。ケースに入れておけば見た目もすっきりしますし、ニオイや汚れも閉じ込められます。トイレの隅にそのまま置くより衛生的で、来客時に目につく心配もありません。
- ビニール袋に包んで保管する – 手軽に済ませたい場合は、大きめのビニール袋でカップ部分をすっぽり覆い、その状態で物置やトイレの隅に置いておきます。使うたびに新しい袋に交換すれば常に清潔です。費用もかからず簡単ですが、見た目は多少生活感が出ますので、気になる場合は二重に袋をして不透明にすると良いでしょう。
他にも、フタ付きのバケツを代わりに収納ケースとして使う方法や、屋外の倉庫に保管する方もいます。
いずれにせよ「しっかり洗って乾かしてから収納」が鉄則です。そうすれば次回使うときにも嫌な臭いがせず、気持ちよく使えます。
また、ゴム部分にヒビ割れなど劣化が見られたら交換のサインです。年月が経つとゴムは硬くなり密着しづらくなるため、定期的に状態をチェックし、必要に応じて新しいものに買い替えましょう。
ラバーカップが効かない場合の対策
ラバーカップを正しく使えばたいていの詰まりは解消できますが、中にはラバーカップでも効果が出ない頑固な詰まりもあります。
何度試しても水が引かない」「むしろ状況が悪化している気がする…」という場合、別のアプローチが必要です。ここでは、ラバーカップが効かないときの対策をいくつかご紹介します。
- 別の方法を試す
- 詰まりの原因を再確認
- 専用の器具を使う
- プロに依頼する
別の方法を試す
前述した「お湯を注ぐ」「ラップを使う」などの代用法をまだ試していない場合は、ラバーカップに固執せず他の方法も検討しましょう。
特に紙詰まりが原因なら、バケツのお湯作戦はラバーカップと併用すると効果的なことがあります。
ラバーカップである程度ほぐした後にお湯を注ぎ、一旦休憩してから再度ラバーカップ…といった具合に組み合わせると、単独より改善するケースもあります。
詰まりの原因を再確認
一向によくならない場合、本当に原因が紙類かもう一度考えてみてください。もしお子さんが玩具を落とした、水に溶けないものを流した心当たりがある、といった場合にはラバーカップでは物理的に限界があります。
無理に続けると異物がさらに奥に入り込み、トイレ全体を外して取り出さなければならなくなることも…。
その場合は早めに専門の器具(トイレ用のワイヤー式クリーナーなど)を使用するか、プロに任せる決断も必要です。
専用の器具を使う
ラバーカップ以外にも、トイレ詰まり解消の専用道具があります。
例えば強力な空気圧を一気に送り込む「真空式ポンプ」などです。
ホームセンターで購入できるものもありますので、比較的DIYに慣れている方は試してみてもよいでしょう。
ただし、これらは扱いが難しかったり便器を傷つけるリスクも伴うため、自信がない場合は無理に使わない方が安全です。
プロに依頼する
最終手段かつ確実なのは、やはり水道業者・専門の修理業者に連絡することです。
ラバーカップで効果がないとなると、原因が排水管の奥深くにあったり、複雑な要因が絡んでいる可能性があります。
プロであれば専用機材で速やかに原因を突き止め、適切に対処してくれるでしょう。費用はかかりますが、長引かせて被害(溢れて床が腐る等)が広がるよりは結果的に安上がりになる場合もあります。
「こんなことで業者を呼ぶのは恥ずかしい…」とためらう必要は全くありません。トイレの詰まりは誰にでも起こり得るものですし、むしろ早めに相談する方が被害も少なく安心です。
以上のステップを踏めば、ラバーカップで直らない詰まりにも落ち着いて対処できます。特に異物や排水管トラブルの場合は個人での改善は難しいので、早めにプロの力を借りるようにしましょう。
無理に自力で解決しようとして状況を悪化させるのが一番避けたい事態です。困ったときは水まわりのプロに任せるのも立派な対策のひとつですよ。
まとめ
トイレの詰まり解消に欠かせないラバーカップについて、基本知識から種類、使い方の手順、注意点、代用品、お手入れ方法、そして効かない場合の対策まで詳しく解説してきました。
ラバーカップは正しく使えば、初心者でもトイレ詰まりを自力で解消できる心強いアイテムです。特に紙詰まり程度であれば業者を呼ばずに済むことも多く、時間的・経済的なメリットも大きいでしょう。ぜひ今回ご紹介した選び方のポイント(洋式・和式に合ったタイプと適切なサイズの選定)や、効果的な使用方法(押すより引く、事前準備徹底など)を参考に、いざという時に実践してみてください。
また、ラバーカップが手元にない場合でも焦らず、ペットボトルやラップなど身近なもので代用する方法があります。これらを知っておくだけで非常時の安心感が違います。そして、使った後のお手入れと保管も忘れずに行いましょう。清潔に管理しておけば次回もすぐに使えますし、長持ちもします。
もしラバーカップでも改善しないような頑固な詰まりに直面しても、もう大丈夫。焦らず他の対処法を試し、それでもダメなら早めにプロに相談するという判断ができるはずです。トイレのトラブルは誰しも不安になりますが、本記事の内容を思い出していただければきっと落ち着いて対応できるでしょう。
おすすめ業者4選
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
PR