トイレの壁が汚れる原因
トイレの壁が汚れてしまう主な原因は、尿がはねることによる黄ばみと、黒カビなどの黒ずみです。原因によって、臭いや汚れ方が異なります。いつもキレイで清潔なトイレを目指すためにも、汚れの原因を知っておきましょう。臭いや汚れの原因を知っておくことで、トイレ掃除や臭い対策がしやすくなります。
尿ハネによる黄ばみ
トイレの壁の黄ばみは、尿が壁に跳ねることが原因で起きます。尿が飛び散る原因は、男の人が立って用を足したり、トイレの蓋を閉めずに水を流したりすることです。尿自体の臭いがトイレに残り続ける場合には、トイレの壁に尿ハネによる汚れがついている可能性が高いです。
また、壁にはねた尿を放置することで、雑菌が繁殖して悪臭を放つ状態になることも。さらに、尿にはカリウムやミネラルが含まれています。尿の中にあるリン酸カルシウムは、タンパク質と結合することで結晶化し「尿石」と呼ばれる状態になってしまいます。尿石に変化すると、汚れが落としにくくなってしまうので注意が必要です。
トイレの壁だけではなく、便器内が黄ばんでいる場合も「尿石」が原因の汚れです。便器内についた尿石は、放置すると便器内にこびりつき、落としにくくなってしまいます。
黒カビなどの黒ずみ
トイレは、使用頻度が高い水まわりのひとつです。トイレは他の部屋に比べて狭いので、湿気で黒カビが発生することがあります。トイレの壁に黒い汚れがある場合、黒カビの可能性が高いでしょう。
カビは、温度が25℃から30℃で湿度80%以上の状態で活発に繁殖します。トイレ内に尿や水が飛び散り、換気されずに湿気がたまると、トイレの壁や便器内に黒カビが発生することがあります。
さらに、トイレ内にトイレットペーパーや洋服のほこりが壁や床に入り込み、カビの繁殖の助けになってしまいます。トイレ内は、カビにとって水・エサ・環境が揃っているので、黒カビが発生しやすい状況といえます。
トイレの壁の掃除方法
トイレの壁は、適切に掃除することで臭いや汚れのこびりつきを防ぐことができます。トイレの壁の掃除手順と必要なものをひとつずつ解説しますので、参考にしてみてください。
- 壁のほこりを落とす
- クエン酸水で拭き掃除
- 水拭きをする
- 乾拭きをする
壁のほこりを落とす
トイレの壁を掃除するときには、はじめに壁についたほこりを落としましょう。あらかじめほこりを落とすことで、ほこりをエサとするカビの繁殖を抑えることができます。
壁のほこりを落とすときには、市販されているモップやはたきを使うと便利です。持つ部分が長いモップを使うと、壁の隅までキレイにほこりを落とすことができます。
壁のほこりを落とすときに注意したいのが、濡れたぞうきんなどで拭かないことです。壁に付着しているほこりを濡らしてしまうと、壁にこびりついて落としにくくなってしまうので注意しましょう。
クエン酸水で拭き掃除
次に、クエン酸水(クエン酸大さじ1に対し水200ml)とゴム手袋を用意します。ゴム手袋がなければ、水分を吸い込まないビニールなどを用意しましょう。クエン酸は、液状のものや顆粒のものが販売されており、薬局やドラックストア、百均などで購入することが可能です。
クエン酸は、壁に付着した尿を取り除くのに効果的です。尿汚れはアルカリ性なので、酸性であるクエン酸水を使用することで、トイレの壁の黄ばみや臭いをとることができます。また、クエン酸は雑菌の繁殖を抑制する効果があるので、トイレ掃除に適しています。
クエン酸水を用意したら、壁全体にスプレーし、ゴム手袋などで塗り広げるようにしてください。このとき、上からスプレーすることでクエン酸水を効率よく壁に塗りつけることができます。
ただし、クエン酸は紙製や布製のクロスに使用するとシミになってしまう可能性があります。また、酸に弱い成分で着色している場合は色褪せや変色の原因にもなるので使用している壁紙にクエン酸を使用しても大丈夫か確認をしてから使用してください。心配な方は目立たない場所に軽く塗布し、問題がないかを確認してから作業をするのがおすすめです。
水拭きをする
クエン酸水を壁に馴染ませたら、ぞうきんやキッチンペーパーを使用して水拭きを行いましょう。用意するものは、乾いたぞうきんとスポンジ、ブラシです。
トイレの壁の黄ばみがひどい場合には、少しのあいだ放置しておくことで壁に付着した尿が落ちやすくなります。ただし水拭きを行わずに長い間放置してしまうと、クエン酸による黄ばみができてしまうので放置しすぎには注意しましょう。
水拭きをするときには、固く絞ったぞうきんなどを使用すると、キレイにクエン酸を落とすことができます。クロスの間にある黄ばみが付着している場合には、ブラシやスポンジなどを使い隙間の尿汚れを落としましょう。
乾拭きをする
壁紙の痛みやカビを予防するために、水拭きをしたら乾拭きを行いましょう。水拭きの時と同様にぞうきんやキッチンペーパーなどを使用するのがおすすめです。乾拭きをするときには、壁紙を傷めないよう軽い力で行いましょう。
壁に水分が残っていると、カビの原因となってしまうので、十分水気を取ることを忘れないのがポイントです。乾拭きをしたら、カビを繁殖させないためにもトイレ内の湿気を取りましょう。窓やドアを開けたり、換気扇をしばらく回しておくことでカビの繁殖を抑えることができます。
黒カビにはエタノールが有効
トイレの壁に黒カビがある場合には、エタノールとぞうきんを使用します。ぞうきんはキッチンペーパーなどでも代用可能です。黒カビがひどい場合には、メラミンスポンジを使用することで、カビをキレイに落とすことができます。エタノールは、薬局やドラックストアなどで購入可能です。
黒カビは、エタノールを使用することで除菌できます。また、エタノールを使用することで、黒カビが発生するのを防ぐ効果も期待できます。エタノールは、トイレ以外のカビにも効果的なので、ひとつ常備しておくと便利です。
ぞうきんやキッチンペーパーにエタノールを染み込ませたら、黒カビができている部分を拭き取ります。拭き取っても黒ずみが取れない場合には、メラミンスポンジを使用することで、黒カビをキレイに取り除くことが可能です。黒カビを除去するときには、クロスを傷つけないように強く擦りすぎないようにしましょう。
トイレ掃除の際の注意点
トイレをしっかりキレイにするためにも、トイレ掃除の際にはいくつか注意しなければいけないことがあります。いくらキレイに使用していても、トイレ掃除は定期的に行わなければいけません。この機会に注意点をしっかり覚えておいてください。
洗剤を混ぜない
トイレ掃除だけではなく、家の掃除に洗剤を使うときには洗剤を混ぜないように注意しましょう。酸性の洗剤と塩素系の洗剤を混ぜると、体に有毒なガスが発生します。洗剤を使用するときには、必ず表示をよく読んでから用法を守って使用してください。
また、本記事で紹介したクエン酸水も、漂白剤と混ぜることで有毒なガスを発生させます。トイレ掃除でクエン酸水やハイターなどの漂白剤を使用する場合、混ざることがないように十分すすいでから次の洗剤を使用しなければいけません。
万が一、ガスが発生したときに備え、トイレ内の換気も行っておきましょう。トイレ掃除中に少しでも異常を感じたら、医療機関を受診してください。
壁紙に合った洗剤を使用する
トイレの壁紙を掃除するときには、壁紙の種類と使用できる洗剤を事前に確認しましょう。
壁紙によっては、特定の洗剤を使うことで色落ちやシミが起こる場合があります。トイレ掃除をして、トイレをキレイにしようとしたのに、壁紙が傷んでしまっては掃除した意味がなくなってしまいます。
トイレの壁のシミや劣化を防ぐためにも、壁紙に合った洗剤を知っておくことが大切です。
トイレの臭いの対処法
悪臭が気になるトイレは、工夫して使用することで汚れの蓄積を予防できます。トイレの臭いをなるべく抑えるために日常的にできる方法を2つ紹介します。
男性も座って用を足す
トイレが臭くなってしまう原因の多くは、壁への尿ハネです。壁紙や床に尿汚れが蓄積することにより、尿や雑菌の臭いがトイレ内に充満するようになってしまいます。
トイレをよく使用する男性が座って用を足すようにすることで、尿ハネを最小限に抑えることができます。自宅のトイレを使用する男性には、座って用を足すようにしてもらいましょう。座って用を足すことを促すようなステッカーを、トイレ内に貼っておくのも効果的です。
また、トイレの蓋を閉めてトイレを流すようにするのも壁や床への尿ハネ対策として有効です。女性も男性も、用を足したあとはトイレの蓋を閉めて水を流すようにしましょう。
ちなみにトイレの床掃除についてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてください。

定期的に掃除をすることが大事
トイレの臭いや汚れを予防する一番の方法は、定期的にトイレ掃除を行うことです。週一回を目安に行うと、汚れの蓄積を抑える効果が期待できます。
トイレは、常に水があり湿気が溜まりやすい場所です。さらに、尿や便などが飛び散ることもあり、匂いもこもりやすい環境です。適切な頻度でトイレ掃除を行うことで、トイレの壁や便器、隙間などに汚れが蓄積するのを防ぐことができます。
また、汚れの成分に合った洗剤を適切に使用することで、汚れや臭いを効果的に落とすことができます。汚れる前に掃除することを徹底し、汚れてしまったときは適切な洗剤を使用して汚れを落としましょう。トイレ掃除をするために、クエン酸と塩素系漂白剤を常備しておくのがおすすめです。
簡単に汚れを落とすコツ
一日に行う家事は、トイレ掃除だけではありません。なるべくなら、簡単にトイレの掃除を終わらせてしまいたいと考える方も少なくありません。簡単にトイレの汚れを落とすには、少し工夫が必要です。トイレの汚れを簡単に落とすコツを紹介するので、ぜひ実践してみてください。
汚れに適した成分で掃除する
トイレの汚れには、汚れの種類に合った洗剤を選びましょう。今回は、ありがちなトイレ汚れの成分と、それぞれに適した洗剤を紹介します。
酸性の汚れにはアルカリ性の成分で
黒カビや黒ずみなどの汚れは「酸性」です。酸性の汚れは、アルカリ性の洗剤で落とすことができます。便器内の汚れであれば、アルカリ性洗剤をかけて放置し、磨くように掃除するのがおすすめです。壁など便器以外の汚れであれば、アルカリ性の洗剤を含ませた布で拭くとよいでしょう。
下記に、トイレ内の酸性の汚れに適した洗剤を紹介します。
- 黒カビ:無水エタノール、セスキ炭酸ソーダ
- 黒ずみ:塩素系漂白剤
- さぼったリング:塩素系漂白剤
塩素系の洗剤を使用するときには注意が必要です。素手で触ってしまうと、肌荒れを起こしてしまうことがあります。アルカリ性の洗剤を使用する場合には、必ずゴム手袋などを使用し換気を忘れないようにしましょう。
アルカリ性の汚れには酸性の成分で
トイレ特有の汚れといえば「尿石」などの尿汚れです。尿汚れはアルカリ性なので、酸性の洗剤で落とすことができます。便器内や壁に黄ばみがある場合には、クエン酸などの酸性洗剤を使用することで、尿汚れを溶かしてくれます。
また、水垢などの汚れもアルカリ性なので、クエン酸などの酸性の洗剤で落とすことができます。お風呂やキッチンの水垢にも効果があるので、ぜひクエン酸を活用してみてください。
- 尿石:クエン酸
- 水垢:クエン酸や重曹
重曹もクエン酸も、薬局やドラックストア、百均などで簡単に手にいれることができます。家に一つあればトイレ以外の掃除にも使用することができるので、常備しておいて損はありません。
洗剤使用時には使用上の注意を読んで十分な換気を
トイレ掃除は、汚れによって異なる洗剤を使用することがあります。種類の違う洗剤を掃除で使用するときには、使用上の注意をよく読み、安易に混ぜ合わせてはいけません。
塩素系洗剤と酸性の洗剤を混ぜることで、有毒な塩素ガスが発生します。塩素ガスを吸い込むことで、呼吸器などに痛みを感じたり、中毒に陥ってしまったりするので注意が必要です。
トイレ掃除で複数の洗剤を使用するときには、必ず換気を行い、洗剤の使用には十分注意しましょう。
汚れ予防の防水シートを使用する
トイレの汚れや臭いを防止するためには、汚れ防止の防水シートや防水シールの使用がおすすめです。防水シートを貼っておくことで、尿汚れや水ハネによるシミなどを防止することができます。
また、トイレの隙間に専用のシールを貼ることで、トイレの隙間に汚れが溜まってしまうのを防ぐことができます。便器の下の隙間などにテープを貼っておき、尿汚れの蓄積を防止しましょう。
トイレ用の防水シートは、ドラックストアやネット通販などで購入可能です。トイレの隙間に貼るシールは、百均にも売っているので、手軽に購入することができます。
ただし、防水シートやシールを貼っているからといって、掃除をサボってしまうと汚れや臭いが蓄積してしまいます。防水シートやシールは、適度な間隔で交換するようにしましょう。
トイレの汚れは賢く掃除をしてキレイを維持しましょう
トイレの汚れは、適切な洗剤を使用して掃除を行いましょう。尿汚れとカビ汚れなど、汚れの種類によって適切な洗剤を覚えておくと便利です。
悪臭や汚れが溜まってしまいがちなトイレの壁は、なるべく頻繁に掃除することで汚れの蓄積を抑えることができます。洗剤の使用に注意し、適切な頻度でトイレ掃除を行い、いつでもキレイなトイレを目指しましょう。
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