トイレの配管から水漏れした場合にまず行うべきこと
トイレの配管から水漏れした場合、もし水漏れがそれほど大きなものでなければ雑巾などで拭き取れば問題ないと考えられている傾向にあります。しかし水漏れをしているということは、トイレは通常の動きをしていない証拠です。雑巾で拭くだけで済むような水漏れであったとしても、少しでも水が漏れていたら原因を探し、対処をするようにしましょう。
水漏れを放置していると、さらに水漏れが悪化する可能性が高くなります。一軒家の場合は床に水が浸み込むことにより床が劣化また腐食してしまい、大規模なリフォームをしなければいけない場合も少なくありません。
また集合住宅に住んでいる場合は、階下や周辺の住民、また建物全体にも被害が行く場合があり、損害賠償になることもあるので注意をしてください。
これらのことを防ぐためにも、トイレが水漏れした場合は絶対に放置をしないでください。まずは水を止めた状態で原因究明が必要ですが、少しでも不安なことがあったり自分で作業が行えないように感じたりするのであれば、速やかに業者に相談しましょう。
自分で判断をして、さらにトラブルにつながってしまったり、取返しのつかないことになってしまったりすると大変です。それだけトイレの水漏れは危険な状態だと認識しましょう。
水を止める
水漏れをした場合は、まずこれ以上事態を悪化させないように水を止めることが最優先です。作業をするときは、まず水をとめてから進めるようにしてください。
配管から水漏れしている場合は、ナットのゆるみとパッキンの劣化が原因であることが一般的です。ナットの締めなおしやパッキンの交換には以下の5点が必要です。
- モンキーレンチ
- マイナスドライバー
- バケツ
- 雑巾
- 新しいパッキン
マイナスドライバーは、止水栓がマイナス溝型である場合にのみ必要です。モンキーレンチはナットを緩めたり締めたりするのに使います。バケツや雑巾は、作業中に水漏れした場合に準備しておくとよいでしょう。
賃貸の場合は賃貸契約書を確認
水漏れをしているのが賃貸の場合は賃貸契約書に、水漏れのときにするべき手順が書かれていることが一般的です。そのため勝手に業者をよんではいけません。契約通りにしないと、契約違反となってしまい、多額の請求をされることがあるので注意してください。
契約をしっかり守っていて、通常通りのトイレの使い方をしていれば大家さんが修理費を負担してくれるケースは少なくありません。
そのため水漏れの場合は、どうなるかを頭に入れておくと対処しやすくなります。
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トイレの配管から水漏れする原因4パターン
トイレの配管から水漏れする原因は、以下の4パターンが考えられます。
- 原因1:タンクと便器を繋ぐ洗浄管からの水漏れ
- 原因2:トイレの止水栓からの水漏れ
- 原因3:給水管と止水栓の接続部分からの水漏れ
- 原因4:便器本体と床の隙間からの水漏れ
ここではそれぞれの水漏れの原因について解説していきます。床が濡れている場合でも、タンクや配管が結露しているだけの場合もあります。確認方法も詳しく説明するので頭に入れておいてください。
原因1:タンクと便器を繋ぐ洗浄管からの水漏れ
比較的古いタイプとして、三角タンク、隅つきタンク、ロータンクと呼ばれるタイプのトイレがあります。これらのタンクと便器をつないでいる洗浄管からの水漏れの場合は、ネジのゆるみ、またパッキンの消耗が考えられます。
ネジの緩みやパッキンの消耗であれば、ネジを締め直したりパッキンを交換することで解決できるでしょう。具体的な修理の手順は後述しますので、そちらを参考にしてください。
原因2:トイレの止水栓からの水漏れ
トイレの止水栓からの水漏れの場合は、ネジ(ナット)の緩みやパッキン交換が必要です。
パッキンは消耗品であるため、定期的に交換しないと水漏れの原因になる可能性があります。
止水栓を含むトイレの水漏れ時におけるパッキン交換について、詳しい手順は後述しますのでそちらを参考にしてみてください。
原因3:給水管と止水栓の接続部分からの水漏れ
給水管や壁・床から出ている止水栓の接続部分から水漏れが起きている場合は、接続部分のパッキンの劣化が原因として挙げられます。
前述したように、パッキンは定期的な交換が必要なため、劣化している場合は交換してください。
また、パッキンの劣化ではなくナットが緩んでいるだけの可能性もあるため、併せてナットの締まりを確認しておくと良いでしょう。
原因4:便器本体と床の隙間からの水漏れ
便器本体と床の隙間からの水漏れは、トイレ周りの水漏れの中でも最も対応が難しいトラブルです。原因は以下の5点が挙げられます。
- 床下に設置している排水管が劣化している
- 便器のひび割れが原因
- 正しい設置をしていない
- タンクから水漏れしている
- ウォッシュレットと接続している部分からの水漏れ
この5点が主な原因ですが、まれに結露が原因であることも考えられます。気温が低くなる冬に起こりやすく、便器の温度と便器内の水温の差によって結露が発生します。
結露が原因の場合は、極力温度差を発生させないようにしましょう。また、結露を防止するための便器やタンクの導入を検討してみても良いかもしれません。
上記で挙げた5点の原因について、詳しい内容と対処法についてそれぞれ以下で解説していきます。
床下に設置している排水管が劣化している
トイレの床下に設置している排水管が劣化してひび割れなどが起こってしまうと、隙間から水漏れが発生し、便器本体と床の隙間から水が漏れることがあります。
この場合は必ずしもトイレに繋がっている配管が原因であるとは限らず、トイレの下を通る別の排水管が原因である可能性もあります。
トイレの水漏れではない可能性もあるため、業者に依頼して原因を突き止め、修理してもらうことがおすすめです。
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便器のひび割れが原因
便器のひび割れが原因で水漏れが発生することがあります。便器に物をぶつけたりして強い衝撃が加わると便器にひびが入り、その隙間から水が漏れてしまい、便器本体と床の隙間から水漏れが発生します。
とはいえ便器は陶器製のため、そう簡単にひび割れが起きることはありません。もし便器本体と床の隙間から水が漏れている場合は、別の原因を先に探すと良いでしょう。
万が一便器のひび割れが原因で水漏れしている場合は、応急処置として防水パテやコーキングで補修する方法がありますが、あくまで応急処置のため便器の交換が必要です。
正しい設置をしていない
便器が正しく設置されていないまま使用していると、便器本体と床の隙間から水漏れが発生してしまうことがあります。
トイレの便器を新しいものに交換したり、修理によって便器を取り外したりした際に、起こりやすいトラブルといえます。
もし便器が正しく設置されていない場合は、設置を依頼した業者に問い合わせて対応してもらいましょう。
タンクから水漏れしている
水がポタポタ落ちていたり、タンクから水が染み出していたりするようであれば、タンク内のボールタップやゴムフロートの異常が考えられます。
ボールタップとは、ボールタップの先端にある浮き玉がタンク内の水位と連動することで、タンク内への給水・止水をコントロールする給水装置のことです。
ゴムフロートとはタンクの水を排水する際の蓋のことで、レバー・くさりと連動し、便器に水を流したり、タンクに水を溜めたりします。
この場合は、ボールタップやゴムフロートを交換することで水漏れを解消できます。
まず、ボールタップを交換する手順は以下の通りです。交換にはモンキーレンチが必要なため、事前に用意しておきましょう。
- 1. タンクのフタを開ける
- 2. じゃばら管と手洗い管が繋がっているナットを外す
- 3. モンキーレンチで袋ナットとツバ付きナットを外す
- 4. ボールタップをタンクの内側に向かって抜き、新しいものに取り替える
- 5. 逆の手順で給水管を取り付け、止水栓を開けて水位を調整する
- 6. 水を流してみて、正常な水位になったらタンクのフタを閉める
手順2のじゃばら管とは、ボールタップと手洗い管を繋げるための管のことをいいます。
また、手順3の袋ナットは、給水管とボールタップの繋ぎ目にあるナット、ツバ付きナットとは、ボールタップとタンクを固定するためのナットを指しています。
続いて、ゴムフロートを交換する手順は以下の通りです。
- 1. タンクのフタを開ける
- 2. 鎖とレバーを取る
- 3. オーバーフロー管の根本からゴムフロートを取り外す
- 4. 新たなゴムフロートを取り付ける
- 5. 逆の手順で元に戻す
ゴムフロートを手で触ると崩れたり、黒い汚れが付着したりする場合は交換の目安ですので、新しいものに交換しましょう。
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ウォッシュレットと接続している部分からの水漏れ
ウォシュレットとの接続部分から水漏れが発生した場合は、まず止水栓を閉め、電源を落としましょう。電源が落とせたら水漏れ箇所を探し、部品の修理や交換を行います。
もし原因が分からない場合は無理に自分で直そうとせずに、プロの業者に依頼することがおすすめです。
ウォシュレットは電化製品であるため、どうしても劣化してしまうことは防げません。劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
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トイレの配管から水漏れした場合に行うべき対処法
トイレの配管から水漏れした場合は、ナットを締めるかパッキンの交換のいずれかで対処できる場合が多いです。特にナットの締めなおしは簡単なので、普段から定期的に行うとよいでしょう。
またパッキンは7年~10年が寿命といわれますが、水漏れがあった時点で毎回交換することをおすすめします。いずれも水漏れに大きく関連する部品です。
ナットの緩みを確認
まず作業をする前に水を止める必要があるのですが、止水栓を締めるにはマイナスドライバーが必要になります。
ナットを締める場合は、小さめのモンキーレンチを用意してください。トイレの給水管や下水管などのパイプ類に関してはスペースがあまりない場合が多いので、大きいモンキーレンチを使うとうまく回せない場合があります。
まず止水栓の締め方ですが、ハンドルを回すタイプであればマイナスドライバーは必要ありません。しかしマイナス溝型の場合は、ドライバーを使って回すことができます。止水栓がうまく回らないとき、力任せに回すと給水管を傷つけてしまうので注意してください。
次にモンキーレンチを使って、緩んでいるナットを締めれば対処完了です。しかしナットも止水栓と同じように、力任せに締めようとすると給水管に傷をつけることなり被害が広まる可能性があるので注意してください。
ナットを締め終えたら、止水栓を開いてください。もしこの時改善がなければ原因はパッキンである可能性が高くなります。その場合無理にナットを締めすぎないことが大切です。
作業の途中で水漏れの可能性があることから、バケツや雑巾を用意しておくとスムーズに修理をすることが可能です。
パッキンを交換
次にパッキンの交換方法ですが、準備するものはナットを締めるときと同じで、以下4点です。その他に新しいパッキンを用意してください。パッキンの交換は場所ごとに種類やサイズが異なるため、間違えて購入しないように注意しましょう。
- モンキーレンチ
- マイナスドライバー
- バケツ
- 雑巾
そのほか、止水栓のパッキンを交換する際はナットを緩めるためのウォーターポンププライヤーを用意します。
レバーハンドルや給水管、分岐水栓のパッキン交換であればトイレの止水栓を閉めるだけで大丈夫ですが、止水栓のパッキンを交換する際はトイレの止水栓を締めても水が止まらないため、水道の元栓を閉めてから作業をしてください。
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洗浄管のパッキン交換
洗浄管から水漏れした際のパッキン交換の手順は、以下の通りです。
- 1. タンク側のナットをモンキーレンチで緩める
- 2. フィルター(ストレーナー)の左右にあるパッキンを取り外す
- 3. 新しいパッキンに交換し、逆の手順で元に戻す
- 4. 止水栓を開いて水の流れを確かめる
ナットを緩める際にタンク内のボールタップが動いてしまいやりにくい場合は、もう片方の手で押さえながら行ってください。
注意点として、ストレーナーは再利用するため捨てないようにしましょう。また、ナットはきつく締めすぎないようにしてください。
止水栓のパッキン交換
止水栓のパッキン交換は、以下の手順で行います。
- 1. モンキーレンチまたはウォーターポンププライヤーで止水栓のナットを緩める
- 2. 三角パッキンを取り外し、固定コマスピンドルの突起部分を左に回して外す
- 3. 固定コマスピンドルの奥に入っているコマパッキンが劣化していれば交換する
- 4. コマパッキンを取り付けたら奥に差し込み、右に回して取り付ける
- 5. 三角パッキンが劣化している場合は交換する
- 6. ナットを締め直す
- 7. 止水栓を開いて水の流れを確かめる
古いパッキンが固まって外れにくいようであれば、精密ドライバーなどでほじるようにすると取り出しやすくなります。
給水管と止水栓の接続部分のパッキン交換
給水管と止水栓部分の接続部分のパッキン交換については、以下の手順で行います。
- 1. モンキーレンチで接続部分のナットを緩める
- 2. ナットを外して古いパッキンを取り外す
- 3. 新しいパッキンに交換し、逆の手順で元に戻す
- 4. 止水栓を開いて水の流れを確かめる
ナットを緩める際に、幅が狭くてモンキーレンチが入らない場合はウォーターポンププライヤーを使いましょう。
上記全ての手順において、ナットを閉めて止水栓を開いても水漏れが改善されない場合は、もう一度ナットを締め直してみてください。
それでも改善しない場合は、給水管が破損している可能性もあるため業者に早急に連絡をしましょう。
パッキンの交換は決して難しいものではないのですが、もし上手く交換できないと水漏れがひどくなる可能性があるため注意して作業をしてください。もし難しいようであれば、業者へ依頼することをおすすめします。
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自分で対処が難しい場合は業者に相談を
パッキンはホームセンターで販売しており、交換作業自体はそれほど難しくありません。しかしうまく交換できないと、水漏れが悪化してしまう可能性があるため自信がない場合は業者にご相談ください。
例えばせっかくパッキンを取り替えても、正しくパッキンをとりつけていない、ナットが緩んだままの状態であれば改善どころか悪化する可能性もあります。
そのため少しでも自信がない場合は、早めに業者に相談することをおすすめします。
トイレの配管からの水漏れ修理にかかる費用は?
トイレの配管からの水漏れ修理にかかる費用は、業者やトラブル状況にもよりますが3,000〜15,000円程度が一般的で、そこに部品代が加わります。
配管の水漏れ修理には、下水管の詰まりを高圧洗浄で取り除くなどの作業が必要になる場合もあり、状況によって異なりますので予め見積もりをとって確認するようにしましょう。
まとめ
しかし、それでも解決しない場合や自分で修理するのに自信がない場合は、業者へ相談するようにしてください。
ナットの締め方が悪かったり、パッキンがうまく交換できていなかったりすると、さらに水漏れがひどくなる可能性があります。
自分での修理が難しいと感じたらまずは止水栓を閉じて水が流れないようにしておき、業者を呼ぶようにしてください。また、ウォシュレットタイプの場合は電源を抜いておくことも忘れずにしましょう。
水漏れを放置するとさらに事態を悪化させてしまいかねないため、なるべく早めの対処が大切です。
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