こんにちは。漫画家のあざらすぃゆずこです。

「Intuos Comic」付属ソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO」を使った、基本的な4コマ漫画の描き方を解説する連載「ペンタブで漫画描きたきゃこれ覚えとけば大体OK! 」。 今回は、前回描いた下描きに沿ってペン入れをしてみましょう。

(4)ペン入れ

さて、いよいよペン入れ作業です。その前に、作業がしやすいように下描きレイヤーの設定をいじってみましょう。

1:「下描き」レイヤーを選択した状態で、レイヤーパレット上にある「レイヤープロパティ」内の「レイヤーカラー」をクリック(水色の紙が重なっているようなアイコンです! )

すると、下描きレイヤーの線が爽やかな水色に染まりましたね! このように、レイヤーの表現色を簡単に変更することが出来ます。下描きレイヤーの色を黒以外に変更しておく事で、ペン入れの線との区別がハッキリして作業がしやすくなります。

このレイヤーカラー、デフォルトでは水色が設定してありますが、実は自分の好きな色に変更することも出来るんです。せっかくなのでちょっとやってみましょうか!

1:「レイヤーカラー」の「横向きの黒い三角形」ボタンをクリック
2:好きなカラーを選択(ここではピンクを選択してます)

線が艶やかなピンクに変わりましたね! より作業がしやすいように不透明度も少し下げておきます。不透明度のいじり方は前回お伝えしたので省略しますね。50~60%程に設定しておきます。

表現色はお好きな色で構いませんが、黄緑など蛍光色っぽい色にするとちょっと見にくいかもしれないのでご注意くださいね。

引き続き、下描きレイヤーの設定を続けます。

1:下描きレイヤーをクリックした状態で、レイヤーパレット中央あたりの「下描きレイヤーに設定」をクリック(水色の鉛筆のアイコンです! )

下描きレイヤーの右側に水色の鉛筆アイコンが付きましたね! これで「下描き」レイヤーが「下描きレイヤー」である為の設定が完了しました。

「下描きを下描きに設定…? え? 何のための設定なの? それって必要なの? 」と思われるかもしれませんが、この鉛筆マークがついたレイヤーには以下のメリットがあります。

・印刷を行っても下描きレイヤーは無視されて印刷されない
(WEB用に出力する時も同様)
・他レイヤーで選択範囲を作成する際、下描きレイヤーは無視される
・他レイヤーで塗りつぶしを行っても、下描きレイヤーは無視される

なんだか徹底的に無視されていて、ちょっと可哀想な気がしますね…。ペン入れの段階ではあまり良く分からないかもしれませんが、今後、ベタ入れやトーン貼りを行う際、とても便利になってきますので、この段階で設定しておくことをオススメします。

さてさて! 下描きレイヤーの設定はこれまで。本題のペン入れ作業に入りましょう。まず、ペン入れ用のレイヤーを作ります。が、これまで作ってきたネーム、下描きのレイヤーとちょっと違う部分があるので、説明しますね。下描きレイヤーの上にある「コマ1」に注目して下さい。

1:「コマ1」左側の「横向きの黒い三角形」マークをクリックする
2:「横向きの黒い三角形」が「▼」になったのを確認し、新規ラスターレイヤーを作成、名前を「ペン入れ」に変更

「▼」は、そのフォルダを展開した状態で、フォルダの中にどのレイヤーが入っているかを確認できます。もう一度クリックして「横向きの黒い三角形」にすると、フォルダが収納されます。今、コマ1というフォルダの中に、「ペン入れ」というレイヤーを作った状態です。

「それってどういう事? 下描きやネームのレイヤーとはどう違うの? よく分かりません!」

ですよね~! 私も最初は意味不明でした。口で説明するより実際に描いた方が早い!! ペン入れをやってみましょう。

画面左端ツールパレット内「ペン」を選択→「Gペン」を選択

丸ペンやカブラペンなど、色々選択できますが、ここではGペンを使ってペン入れしていきます。先ほど作ったペン入れレイヤーに描いていきましょう。

お分かりいただけたでしょうか……!!!

そうです、コマ枠から線が一切はみ出ないんです。

これはレイヤーマスクというものの恩恵なのですが、簡単に言うと、“ペン入れレイヤーは「コマ1」というコマ枠フォルダの中に入っているので、コマから線がはみ出ない、下描き・ネームレイヤーはフォルダ外にあるので、はみ出る”という感じでしょうか。この「マスク」という機能、とても便利なのですが、解説しだすと長くなるので省略しますね。

枠から線がはみ出ることがないので、恐れることなくペン入れできちゃいます!どんどん描いていきましょうー!

いかがでしたか? 下描きレイヤーの表現色を変更したおかげで、スムーズにペン入れ作業が出来るんです。最初は難しく思えるかもしれませんが、一個一個の作業はワンタッチで行えるので、この機会にぜひチャレンジしてみてくださいね。

さて、今回はここまで。次回はフキダシの入れ方についてです。お楽しみに~。

★Intuos先輩のワンポイントレッスン「筆圧の設定」

<作者プロフィール>
あざらすぃゆずこ
酒とゲームにおぼれる健全な20代女子漫画家。大人になったら何でも出来ると思っていたが、精神的にも肉体的にも小4から変化なし。成長期は来なかった。モンスターハンター公式ファンクラブ「モンハン部」にて「モンスター4コマshow」、ファミ通MHX応援チャンネル「狩りぷれっくす」にて「モンスターのきもち。」を毎週連載中。(Twitter:@onigirioisii)

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