デスクトップPCにはさまざまなサイズの製品が存在する。そのなかでも、設置スペースをコンパクトにしつつ、ある程度の拡張性も確保したいという方にオススメなのが「スリムタワー」タイプだ。

マンガ雑誌3冊ほどのボディ幅なのでデスク上に置いてもジャマにならないし、前面のUSB端子なども抜き差ししやすい。また、いわゆる手のひらサイズの「ミニPC」とは異なり、メモリやストレージの増設、交換も比較的容易だ。

今回はパソコン工房がiiyamaブランドから販売している、手頃な価格が魅力のスリムタワー型デスクトップPC「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」のスペック、メンテナンス性、拡張性、パフォーマンスなどについて実機レビューをお届けしよう。

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  • パソコン工房「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」139,800円(税込)~

購入時にはメモリ、ストレージをカスタマイズ可能

「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」はOSに「Windows 11 Home 64ビット」、CPUに「インテル Core i7-14700 プロセッサー」(20コア[8P+12E]、28スレッド、最大5.40GHz、65W)を採用。メモリは16GB(DDR5-4800、8GB×2、DIMM×2、最大64GB)、ストレージは512GB(M.2 PCIe Gen4 x4接続)を搭載している。

インタフェースは、前面にUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、背面にUSB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×1、ライン入力×1、ライン出力×1、マイク入力×1を用意。Wi-Fi、Bluetoothなどのワイヤレス通信はオプションだ。本体サイズは、約W95mm×D337mm×H329mm(※最大突起物除く)。

購入時は、CPU冷却グリス、メモリ(8GB/16GB/32GB/64GB)、ストレージ(500GB/1TB/2TB/4TB)などをカスタマイズ可能。のちほど解説するとおり、本製品は比較的メモリやストレージの増設、交換は容易だが、ユーザー自身が作業するとメーカー保証外となる。ある程度の余裕がほしいのであれば購入時にカスタマイズしたほうがいいだろう。

  • 本体前面

  • 本体背面

  • 左側面

  • 右側面

  • 上面

  • 下面

  • 本体前面にはUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1を用意

  • 本体背面にはUSB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×1、LANポート(ギガビット/1000Mbps)、ライン入力×1、ライン出力×1、マイク入力×1を配置

  • パッケージには本体、電源ケーブル、有線キーボード、有線マウス、横置き用のゴム足、説明書類が同梱

  • 有線キーボード、有線マウスは標準で同梱されるが、ワイヤレスタイプのキーボード、マウスにカスタマイズ可能だ

「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」の詳細はコチラ

メンテナンス性は良好、一定の拡張性も確保されている

本製品のメンテナンス、拡張はけっして難しくはない。背面のプラスネジをふたつはずせば、左側面の金属パネルを簡単に取り外せる。定期的なメンテナンスとしては、この状態でブロワーなどにホコリを飛ばせばよい。環境によってホコリやチリの混入度合いは異なるが、半年~1年ぐらいが目安となる。

  • 背面のネジをふたつはずせば、左側面のパネルを開けられる

  • 今回のレビュー機では、ASRock製のマザーボードが採用されている

メモリやストレージの増設、換装もこの状態で行なえる。ただしSSDのスロットはひとつ空いているので増設可能だが、メモリスロットは16GBモデルの場合は占有済み。そのため、元から装着されているメモリを取り外し、新しいメモリを装着する必要がある。装着可能なメモリは、インタフェースがDIMM、モジュール規格はPC5-38400/DDR5-4800だ。

  • 標準で搭載される空冷CPUクーラー。グリスは、プラス2,000円でシルバーグリス(熱伝導率:9W/m・K)、プラス2500円でナノダイヤモンドグリス(熱伝導率:16W/m・K)に変更可能だ

  • メモリ(DDR5-4800、8GB)が2枚装着済み

作業としてはそれほど難しくはないが、静電気などでマザーボードやメモリを破損させてしまう可能性もある。ストレージ、メモリ換装の際にはカスタマイズ記事などを参考に、あくまでも自己責任で行なってほしい。自信がない場合にはパソコン工房のサポートに連絡しよう。

マザーボード上には、PCI Express4.0 [x16] LowProfile、PCI Express4.0 [x1] LowProfile、PCI Express4.0 [x16] ※x4動作 LowProfileなどの拡張スロットが用意されており、グラフィックボードなどの拡張カードを装着できる。ただし、本製品はスリムタワー型のPCケースを採用しているため、装着できるのは高さの低いLowProfileタイプの拡張カードだけだ。また拡張カードを装着する際には400W電源ユニットの供給能力を超えないようにする必要がある点には留意してほしい。

  • ストレージにPCIe Gen4 x4接続SSDを搭載

  • 光学ドライブはオプションで装着可能だ

  • 400W電源ユニット(80PLUS BRONZE)を搭載

  • PCI Express4.0 [x16] LowProfile、PCI Express4.0 [x1] LowProfile、PCI Express4.0 [x16] ※x4動作 LowProfileなどの拡張スロットが用意

  • ケースファンは前面にひとつ搭載されている

「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」の詳細はコチラ

クリエイティブ系アプリを快適に動作させられるパフォーマンスを発揮

最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回借用した製品は、CPUが「Core i7-14700」、メモリが16GB(DDR5-4800)、ストレージが512GB(M.2 PCIe Gen4 x4接続SSD)というスペックだ。

定番ベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は25567pts、CPU(Single Core)は2104pts、総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合は6559、Essentialsは11593、Productivityは8516、Digital Content Creationは7757、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のTime Spyは936、Fire Strikeは2766、Wild Lifeは7256、Night Raidは12956、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8」のシーケンシャルリード(1M Q8T1)は6476.786 MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)は3208.559 MB/sとなった。

CPUの処理能力としては画像、動画編集などのクリエイティブ系アプリを快適に動作させられる。メモリを32GBぐらいに増やしておけば、大きなデータも高速に処理できる。

グラフィックスの処理能力は、グラフィックボードを搭載していないので決して高くはない。とはいえ、ゲームのグラフィック品質を低めに設定すれば、3Dゲームであってもタイトルによっては実用的な速度でプレイできる。

ストレージ速度は優秀。PCIe Gen4 x4接続のSSDが搭載されており、特にシーケンシャルリードは6476.786 MB/sに達している。ストレージへの読み書きが多発するクリエイティブ系アプリ利用の際に効果を感じられるはずだ。

CINEBENCH R23
CPU(Multi Core) 25567
CPU(Single Core) 2104
PCMark 10
総合 6559
Essentials 11593
Productivity 8516
Digital Content Creation 7757
3DMark
Time Spy 936
Fire Strike 2766
Wild Life 7256
Night Raid 12956
CrystalDiskMark 8(単位:MB/s)
1M Q8T1 シーケンシャルリード 6476.786 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト 3208.559 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード 3687.356 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト 3221.145 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 390.304 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 593.642 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 58.232 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 154.808 MB/s

設置性が高く、ハイパフォーマンスなスリムタワー型デスクトップPC

「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」は設置性が高く、またプロセッサーに「インテル Core i7-14700 プロセッサー」を搭載しているので、クリエイティブ系アプリを含めて快適に動作させられるパフォーマンスを備えている。拡張性にも優れているので、長く利用できるのもポイントだ。ハイパフォーマンスを手頃な価格で利用したいという方に、魅力的な選択肢といえよう。

「iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X」の詳細はコチラ

■主なスペック

メーカー名 パソコン工房
製品名 iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X
型番 iiyama PC STYLE-S27M-147-UH4X
CPU インテル Core i7-14700 プロセッサー (20コア[8P+12E]、28スレッド、最大5.40GHz、65W)
メモリ 16GB DDR5-4800(8GB×2、DIMM×2、最大64GB)
SSD 512GB(M.2 PCIe Gen4 x4接続)
HDD
チップセット インテル B760
マザーボード MouseComputer B760M
光学ドライブ 非搭載
グラフィックス Intel UHD Graphics 770(CPU内蔵グラフィックス)
OS Windows 11 Home 64ビット
LAN 有線LAN(1000BASE-T)×1
無線
インタフェース 【前面】USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1
【背面】USB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×1、LANポート(ギガビット/1000Mbps)、ライン入力×1、ライン出力×1、マイク入力×1
サイズ 約W95×D340×H330mm
価格 139,800円(税込)~

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