G-SHOCKの最高峰“MR-G”に2年ぶりの完全新作「MRG-B2100B」が登場する。もはや定番モデルとなった8角形のベゼルがキャッチーな「2100」シリーズで初めてとなる“MR-G”だ。ベゼルやダイヤルには、日本の伝統技術「木組み」のイメージを盛り込んでいる。今回は2024年6月14日(金)の発売に先駆け、多くの写真とともにレビューをお送りする。

圧倒的なタフネス、シックで都会的なデザイン

本作最大の特徴は、2019年に発売された「2100」の初号機「GA-2100」をベースとする初の“MR-G”だ。もちろん、ただ「GA-2100」の材質をチタンに置き換えただけではない。オリジン「DW-5000」を“MR-G”の美意識とテクノロジーに落とし込んだ「MRG-B5000」同様、本体ケースとバンドのパーツを細分化。そのままでは研磨できない複雑な形状も、パーツ分割により隅々まで研磨することが可能になり、シャープな造形と美しい仕上げを実現した。

  • 8角形ベゼルが特徴の人気モデル「GA-2100」を“MR-G”を冠するにふさわしいモデルに再構築した「MRG-B2100B」

  • G-SHOCKの複雑なベゼルを27のパーツに分割、隅々までシャープな研磨を可能にした

これらのパーツは、純チタンの約4倍の硬度を持つ「COBARION®*¹」をはじめ、高硬度ながら加工性に優れる「DAT*²55G」、高硬度の「64チタン」を採用。それぞれ使われている場所に応じて素材を使い分けられている。

  • ベゼルトップに使用されているCOBARION®は、プラチナと同等の輝きを持つ

  • バンドは「MRG-B5000」と共通。コマにはDAT55Gが使われており、両サイドのディンプルの底面は別体式

コバルト合金であるCOBARION®、チタン合金であるDAT55Gや64チタンを使用した「MRG-B2100B」。重量は約122gで、チタン製の時計を着け慣れている方には、違和感なく着用できるだろう。

さらに、時計本体の重心がケースバックに寄せられており、時計が腕に沿いやすい形状で腕に馴染みやすい 。これにより、腕を動かしたとき遠心力的に引っ張られる感覚がなく装着できる。

コバルト合金であるCOBARION®、チタン合金であるDAT55Gや64チタンを使用しているので、強度性能はチタンに比べても圧倒的。そして、それこそがG-SHOCKの頂点“MR-G”のキャラクターであり、重要なアイデンティティなのだ。

「MRG-B2100B」のサイズは、49.5mm(縦)×44.4mm(幅)×13.6mm(厚み)。いわゆる「49mm径」だが、その割に腕への収まりが良い。強度の高い素材を使用することで、必要強度を維持しつつ、肉厚を薄くできることで生まれる効果だろう。

  • ケースの厚さは13.6mm。薄型のフォルムも「GA-2100」のイメージ

加えて、フェイスが適度にコンパクトであることも影響していそうだ。視認性に関してのみいえば、ケースの縁ギリギリまでダイヤル面積を広げなくとも、情報を整理して針とインデックスを見やすくすれば、時刻は十分見やすくなる。

  • ケース径は49mmと大きめ。だが、ダイヤル径は控えめで、目を動かさずに一目で時刻情報を理解できる。文字や数字がほとんどなく、目に入る情報が限られているのもいい

素材の強度が高いことの利点はほかにも。傷が付きにくいことを生かして、外装はDLC(Diamond-Like Carbon)でコート、ブラックに。加えて、バンドは美しい鏡面で仕上げられている。これが腕元で控えめに光を跳ね返し、存在感を主張するのだ。「これ見よがしではないが、黙ってはいない」という主張のさじ加減が絶妙だ。

そんな「MRG-B2100B」の最大の見どころは、伝統の木工技法 「木組み」から着想を得た立体格子のダイヤル装飾だ。

この格子は、山形カシオが誇る高精度の微細加工技術で製作された非常に繊細な装飾。まるで工芸品が風防のなかに入っているかのようである。光の反射によって表情を変え、スリットに見えたり、ときにはフラットなボーダーラインのようになったり、あるいは格子そのものが見えなくなったりする。ロゴや針、インデックスはしっかりと見えているのに、だ。

  • 「GA-2100」とは大きく異なりながら、違和感のないダイヤル

  • 光の当たり方によっては、まるでスリットのように見えることも

  • かと思うと、光の具合によっては突然存在感を消してしまう。まるで忍者!

なかでも美しいのは、やはり格子模様のすべてが現れた状態。組子格子に合わせて切り欠かれた桟(さん)を組み合わせて、レンガのイギリス積みを思わせる交互の格子柄になる。

そんな立体格子から伝わる「人の手による物作りの温かみ」と「時が刻むリズムの正確さ」のバランスには、きわめて都会的なセンスを感じるのだ。

  • 明確に立体格子が見えた状態。格子模様は同じ柄が永遠に続くことから「繁栄」を招くといわれる。そんなゲンをかつぐところもまた、MR-Gらしい

繊細なダイヤル装飾とタフソーラー駆動を両立

スマッシュヒットとなり、アナログのオリジンとまで呼ばれた「GA-2100」は、樹脂ケースから始まり、メタルカバードモデル、ミッドサイズモデル、そしてフルメタルモデルと、カラバリを含めて実に数多くのモデルが発売されたが、それらはすべて時分針+デジタル窓のアナデジコンビモデルだった。しかし、「MRG-B2100B」は「GA-2100」を初めてフルアナログ化。これに伴い、フェイスのレイアウトが再構築されている。

具体的には、液晶窓の削除、曜日表示のインダイヤルを9時位位置から7~8時位置へ移動、アナログ秒針をセンターに追加、時分針の形状を変更、3時位置にデイトを追加、インデックスを細長いバーインデックスに変更した点だ。

機能面では、マルチバンド6対応電波時計とBluetoothと専用アプリ「CASIO WATCHES」によるモバイルリンク機能を搭載。しかも、この装飾ダイヤルを搭載しながら、タフソーラー駆動を実現した。“MR-G”なのだから当然の装備、という人もいるだろう。

が、時分針と秒針の影のほか、今回はダイヤルを覆い隠す立体格子のダイヤル装飾があるため、ソーラーセルに影を落とし、発電の邪魔になるのではないかと想像できる。

そんな懸念点を打破するため、「MRG-B2100B」は、カシオが特許を持つ遮光分散型ソーラー(発電効率を最適化した時計用ソーラーパネル)を採用。格子と針の隙間を抜けたわずかな光で発電、得られるトルクで秒針を回し、時分針とインダイヤルの小針を動かして、さらにはLEDライトまで光らせることを可能にした。

これを実現するため、時分針は本体の半分を肉抜きして重量軽減と光の通過を両立。残り半分に蓄光を塗布して、さらに分針の両サイドに折り曲げ角を付けることで立体感を演出した。工夫に工夫を重ねて、不可能を可能にしたのだ。

  • この針の穴と立体格子の穴を通過した光が、遮光分散型ソーラーセルに届き、発電する

  • スーパーイルミネーター(LEDライト)点灯時。光がダイヤル全体に回り込む

操作系も、ベゼル上のレター(「LIGHT」「START」)の移動、ねじ込み式りゅうずを設置して、ボタンを時計右側に集中。あげていくと変更要素は想像以上に多いが、不思議と違和感なく「GA-2100」のデザインに見える。

  • ケースバックには、おなじみのMR-Gロゴ。「LIGHT」「RECEIVING」の操作アシストレターも彫り文字でここ(裏側)に刻まれている

  • インデックスは、非常に凝った形。「G-SHOCK」の刻印もこんなに美しい

  • MR-G定番のロック機構付き3つ折れ式バックル

見どころと語る内容が尽きない「MRG-B2100B」。その価格は649,000円(税込)と、カシオのレギュラーモデルの中で間違いなくトップクラス。写真をいくら載せても伝えきれない輝きと質感はまさに最上品である。手にした満足感をぜひ、店頭でご覧いただきたい。

*1 COBARION®は、公益財団法人いわて産業振興センターの登録商標で株式会社エイワのみで製造されています。
*2 DATは、大同特殊鋼株式会社の登録商標です

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