「安心の国内ブランド」という表現には、製品における品質管理とサポートの両面において、日本人の消費者が期待する水準に至っているというニュアンスが込められています。PC業界において、その表現がしっくりとくる国内メーカーの代表が「エプソンダイレクト」です。多くの企業や工場、病院、小売店などが導入して高く評価する、国内メーカーならではの魅力や、現場を止めない顧客ファーストの企業姿勢について、信頼のブランドを守るエプソンダイレクトのCS品質管理部 部長 原田寿郎氏にその魅力を詳しく聞きました。

顧客満足を高める小回りの利く品質管理とサポート

エプソンダイレクトでは、CS品質管理部が品質管理と法人サポートを統括しています。原田氏はその部長。2つの部門が統合される以前から、両方の部門を合わせて20年以上経験されているベテランです。

  • CS品質管理部の部長を務める原田寿郎氏

「当社はもともと一般OA向けのPCをメインにしていました。近年は特定業務への導入が加速し、今ではそちらがメインになってきています。特定業務とは当社の社内用語で、医療や工場、小売の店舗、ゲームクリエイター向けなど、一般OAとは異なる用途で用いられる場所を指しています」

特定業務の顧客からは、その現場ならではの事情に即した問い合わせが寄せられます。1台ではなく100台、200台といった単位でまとめて納品するため、個人のお客様では出ないようなトラブルが報告されてきます。しかも、原因によっては個別で対応しなければなりません。こうしたトラブルを未然に防ぐのが、品質管理グループの役目であり、納品前にいかに顧客の用途や使い方を想定して備えておけるかが、最悪の事態を回避する鍵になります。

「我々が想定しきれなかったお客様の用途や使い方は、後から品質が低いという評価やトラブルにつながりかねません。なかには1万台以上納品するケースもあります。1万台を納品して何か1つでも問題があれば、1万台すべてが対象になるのです。小さな問題も見過ごせません」

品質管理の重要さはもちろんですが、実際に運用していれば小さなトラブルはどうしても発生します。問題が大きくならないうちに対処するサポート部隊も同じくらい重要です。原田氏は「トラブルは我々よりもお客様のほうがよく覚えています」と表現して、小さなトラブルでも見逃さずに真摯に向き合うよう心掛けているそうです。

エプソンダイレクトでは、大手には難しい小回りの利いた対応を強みにしています。たとえば、ある顧客に100台のパソコンを納品していた場合、そのうちの複数台に問題が起きたり、同じ現象が起きたりしたとき、「故障は修理で出してください」と言って終わりにするのではなく、原因を突き止めて解決できるまで向き合ってくれるのだそう。その結果、他でも発生するかもしれない波及性のありそうな問題だと判断すると、残りのパソコンに対しても発生させないための是正処置を施します。

「こういう使い方は故障の原因になりますとか、こう使えば安全ですなどと伝え、部品を交換しなければ解決しないと判断すればすべて取り替えます。お客様にご迷惑をお掛けしないことを第一にして何ができるか考えます。また、個人のお客様側でも発生する現象であった場合は、そういったフィードバックを迅速に展開できる事が私たちの部署の強みとなっています」

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カスタマーサクセスの視点から生まれた「高速化サービス」

品質管理と法人サポートを統合し、力を入れているエプソンダイレクト。顧客の細かなニーズにも耳を傾け、応えようとする姿勢の背景には、どのような考えがあったのでしょうか。

聞くと、原田氏は2年ほど前に「カスタマーサクセス」について社内で検討するようになって、部門の意識が変わってきたと言います。カスタマーサクセスとは、自社の製品・サービスを使う顧客が成功するよう支援するビジネスのこと。

「それまではどちらかというと、我々がお客様のためになるだろうと想定したサービスメニューや長期保守、一日修理など、目を引く取り組みを用意して強みとなるよう打ち出し、お客様からも良い反応を得てきました。しかし、『カスタマーサクセス』について検討した際、別のアプローチが必要だと気が付きました。『自分達がやれることをやれる範囲で考えていると、どうしてもこじんまりした施策になる』『お客様がしてほしいことをどうすれば実現可能か考えたほうが良い』という声が部門の中から上がってくるようになったのです」

それぞれの顧客が望む方向性を見定めて、それを支えるために自分達が何をできるか考え、その顧客に一番合った提案をしようという思考の転換が図られたのです。

「品質管理に長年携わってきて、品質がベースにないと何をやってもダメだと感じています。品質が悪くてサポートが良くても、お客様は選んでくれません。お客様がやりたいことがやりたいようにできるカスタマーサクセスを提供するためには、品質を上げていかなくてはならないのです。そのうえで納品した後も評価をしっかり確認して、納品前の想定と違う使い方をしているようならばトラブルが出る前に掘り下げてチェックします。経験を次へ活かしていくべく、品質管理やサポートは技術部門と緊密に連携しながら、新しいサービスも考えています」

このカスタマーサクセスの発想からメニューになったサービスで挙げられるのが「エプソンPC 高速化サービス」。導入開始からこれまで多くの顧客の方より好評を得ています。

  • エプソンダイレクトが提供する「エプソンPC 高速化サービス」

これはHDDをSSDに交換するサービスです。PCは長く使っているとどうしても動作が遅くなって作業効率が落ちてきます。そこでHDDをSSDに換装し、データの読み書きやアプリケーションの起動を劇的に速くすることで、PCを買い替えるよりも安価な投資で延命させようという内容です。何十年も使い続けられるわけでありませんが、予算の都合で買い替えはもう少し経ってからにしたいというニーズに応えます。

「自社の利益だけを考えれば、買い替えサイクルが短いほうが利益は増えます。しかし、その場合は競合他社に乗り換える可能性も高くなります。当社としてはお客様がエプソンダイレクトの製品を長く使い続けて良さを感じた上で、再度当社の製品を導入したくなる、そんなつながりにしたいのです。当社では『長く使い続けていただく』をスローガンのようにしている企業風土もあり、それとも合致するサービスだと思っています」

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自営保守サービスでは顧客ごとの専用ページを用意

品質向上やサポートの取り組みはこれだけではありません。電磁波ノイズの測定や落雷などでの絶縁耐性、高温・低温環境下での安定動作や静電気耐性など、さまざまな試験を繰り返して品質の担保に努めています。PCを構成する主要なパーツにも物理的な干渉や熱暴走を防ぐ工夫を凝らし、熱に強いとされている国内メーカー製の105℃対応コンデンサを採用。メモリーソケットには100%の金メッキ端子品を用いて、冷却ファンも厳選するなど、安定動作の確保に余念がありません。

さらに「自営保守サービス」にも対応し、メンテナンス部隊が動きやすいような施策も行っています。自営保守とは販売した企業様がメーカーに戻すことなく自分たちで保守する仕組みのことで、そうした企業は自社内にメンテナンス部署があったり、保守専門の代理店と契約していたりします。多くの場合、複数のメーカーのPCを導入しています。

「自営保守というのは、パソコンやディスプレイの故障が発生した際に販売した企業様ご自身で故障部品の特定/交換作業を行うことで、保守/管理をすることを意味します。当社ではそうしたお客様に向けて、専用ページを用意して、何かが起こってもそのページを見たら解決策や問い合わせ先がわかるよう整備しています。お客様に合わせた、一般的には開示していない専用の修理マニュアルや部品表、導入履歴などの情報を掲載し、随時更新しています」

エプソンダイレクトのPCを購入して、エンドユーザーに納品している代理店もあり、そうした代理店向けのサポートページも用意しているのだそう。購入した機種の情報だけが表示されるので、必要な情報に早くたどり着け、見やすくなっています。代理店には「現在利用中のPCの保守期限がいつまでなのか」という問い合わせが多いと聞き、サポートページではすぐに確認できるように設計しました。

こうした顧客目線の取り組みは試行錯誤の積み上げであり、失敗した苦い経験も糧になっています。

「先ほど『納品前のお客様の用途が想定しきれないと、後からトラブルになる』と言いましたが、まさにそれで大変な目にあったことがあります。全国チェーンで展開する小売店舗のPOS端末として大量納品した製品で当社の想定と異なる使い方があり、トラブルの報告が上がってきてしまったのです。お客様とも協議する中で、内容を吟味してほかの店舗でも同様のトラブルが発生する可能性があると判断し、最終的に全店舗に対応しました」

現場によってはトラブルが生じても簡単にPCを止められません。この顧客もまさにそうで、エプソンダイレクトのサポートメンバーが日本中に出向いて対応するしかありませんでした。原因究明が難しく数も多かったことから、対応を終えるまでお盆も正月もない状態でした。

「お客様からは最初こそ厳しいことも言われましたが、当社が誠心誠意対応している様子をご評価いただき、最後には『エプソンダイレクトだからやってくれた』『任せて良かった』という感謝の声をいただきました。そのときは嬉しくて、非常にやり甲斐を感じました」

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世の中の動きに合わせて進化し続ける品質管理と保守

今後の展望について聞いたなかで、特筆したいのが保守サービスの一部で実施し始めた事例です。

エプソンダイレクトの保守期間は1年から6年あり、平均すると6年保守を選ぶ方が多いです。業界内で「5年保守」が少なくないなか、「6年保守」を真っ先に取り入れて好評を得ていますが、「キッティングBTO」というサービスの中で、さらに一歩先を行く「7年保守」をメニューに用意しました。20台以上導入した場合のみといった条件はありますが、いわゆる裏メニューではなく正式なメニューの1つです。

「7年保守が特に喜ばれるのは医療系です。医療業界ではPC以外のシステムは7年保守が多く、7年ごとに予算を組んで機器を入れ替えるケースがよく見られます。お客様にとってPCは現場でいろいろ使用する機材の1つにすぎません。それなのにPCだけが5年や6年で保守が切れてしまうと、リプレースがやりにくいという声は頷けます。そこでキッティングBTOの中で試験的に7年保守を実施したところ非常に好評だったんです」

この7年保守も含め、エプソンダイレクトでは、お客様の目線でニーズを考え、お客様に寄り添う姿勢に重きをおいた、さまざまな施策を検討しています。

「世の中にはいろいろな使い方があり、製品は進化して使い方も変わっていきます。トレンドもあります。これが一番という答えはありません。それでもエプソンダイレクトを買っておけば安心だと思ってもらえるよう、弊社ならではの良さが感じられる取り組みを今後も続けていきます」

エプソンダイレクトの品質管理やサポートをさらに磨き上げ、飛躍させる、そんな決意を感じる取材でした。

今回お話を伺った
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