文部科学省のGIGAスクール構想の推進によって、小学校の児童と中学校の生徒1人に1台端末が整備されているのはご存じですか? もちろん、高校でも同じようにICT環境の整備が進みつつあります。

そんな急速に進むICT教育をより充実したものにするため開発されたのが、カシオ計算機の学習ツール「ClassPad.net」です。今回は、その「ClassPad.net」について、教育BU 関数戦略部 ICTビジネス開発室の浅沼さんに話を伺っていきます。

  • ICTビジネス開発室の浅沼さん

 ClassPad.netとは 


高校や、小中学校でのICT教育に効果的なデジタルノート機能やオンライン辞書機能、数学ツールを備えたオールインワン総合学習プラットフォーム

---本日はよろしくお願いします。早速ですが、「ClassPad.net」は、数学用ツールとしてアメリカで販売していたものを、日本に持ち込んだそうですね。いわば逆輸入ともいえます。日本での導入に、どのような経緯があったのか教えてください。

浅沼さん:以前から、当社の電子辞書を多くの教育機関でご利用いただいていたこともあり、教育現場の方々とよくコンタクトをとっていました。約2年前、新型コロナウィルス感染症の影響で、全国の学校が突然休校になったのは記憶に新しいですよね。当時は先生方も手探り状態で、「どうやって授業を再開しようか」と悩まれていたことを覚えています。

コロナ禍が契機となり、全国でのGIGAスクール構想は前倒しに。オンライン授業や課題の提出などで、パソコンを利用する学校が増えていきました。その際に当社としても、試行錯誤していた先生方のサポートをするために何ができるかを考えたんです。

そこでまずは、「ClassPad.net」を日本でも展開することを決めました。「ClassPad.net」は、元々数学用のツールで、関数電卓の機能を備えたりグラフを簡単にかける点が特徴です。数学なら記号や数字は世界共通。言語を日本語に対応させることで、スムーズに導入ができました。これが2020年6月のことです。

その後、数学だけでなく当社の強みである電子辞書を用いたコンテンツを開発。2021年4月から電子辞書のコンテンツ、それにあわせてデジタルノートを搭載し、9月から現在の形で「ClassPad.net」の製品サービスを開始しました。

---実際に、教育現場では「ClassPad.net」をどのように活用されているのでしょうか。

浅沼さん:「ClassPad.net」は、辞書機能、デジタルノート、授業支援機能、数学ツールを備えているのですが、先生方からは授業支援機能が好評です。授業ごとにプリントを配布するとクラス全員に行き渡るまで時間がかかりますし、回収も大変。 でも、「ClassPad.net」ならクリックひとつで全員に配布することができます。個別にも送れますので、児童や生徒にあわせた課題の配布も可能です。紙も使わないためペーパーレス化にもひと役かっています。

---それなら、プリントの紛失や出し忘れなども防げそうですね。学校を休んでいる児童や生徒にも授業の進度にあわせて課題を共有できて便利そうです。

浅沼さん:そうですね。「ClassPad.net」は、インストール型ではなくブラウザで立ち上げ、クラウド上でIDとパスワードを使って管理しているWebサービスのため、学校からだけでなく自宅のパソコンなど、どこからでもアクセスができます。

実は、私の子どもが通う学校で、急に学級閉鎖になったため学校のパソコンを持ち帰れず、自宅でパソコンを使う課題をできなかったということがありました。また、学校によってはセキュリティ面からパソコンを学校で管理するところもあります。そうした教育現場の状況にあわせてクラウド型のWebサービスを採用しているんです。

---なるほど。また、「ClassPad.net」のデジタルノートはさまざまなファイルを貼り付けられて、自己学習が捗りそうです。

浅沼さん:テキストふせんでノートのように書き込めるほか、気になる資料を貼り付けたり、関係するURLをメモしたり、その付箋に画像やPDFをどんどん貼り付けて自分の好きなようにまとめることができます。

---学生時代に紙のノートに記入したあと、付箋にチェックポイントをまとめたり、シールを貼って目立つようにしていましたが、その感覚に近いですね。画像やPDFが張り付けられると、さらにノートが充実しそうです。

浅沼さん:まさに、「ClassPad.net」では、机やノートをそのままデジタル空間に持ってきたように使えることを意識しています。

教育現場では、自ら学び考える力を育てる「探求型授業」が積極的に行われているんです。何かのテーマについて、自分で情報収集・整理分析・まとめをするときに、ClassPad.netを使えば、自分の探求を突きつめられるのではないかと期待しています。

各生徒の意見、生徒たちに共有し、視点の違いの気づきを促すような授業をしている先生もいらっしゃいます。元々が数学ツールだったので、グラフで整理した場合も簡単です。調べる学習を進めるうえで、この点も高く評価をいただいています。

---最近は、オンラインの辞書もだいぶ増えてきています。手軽さでいえばネットで検索すればすぐに調べられますよね。そのなかで、辞書機能は、教育現場でどのような点が評価されているのでしょうか。

浅沼さん:それぞれの方法に良さはありますが、当社の辞書コンテンツは出典が確かな点が評価されています。電子辞書「EX-word」で好評のコンテンツをそのまま持ってきていますので、歴史があり信頼の置ける辞書をそのまま使えるのです。

また知らない単語を調べたときに、そこから派生する言葉や、関連する言葉を調べられるのも当社の辞書機能の良さです。

---なるほど。電子辞書のコンテンツが使えるということは、主要6教科全て「ClassPad.net」を使って学習できるわけですね。

浅沼さん:はい。「ClassPad.net」では、どの教科でも活用できることが大切だと思います。

例として、英語では辞書はもちろん、高校モデルにはCNNのリスニング教材を備えています。数学の場合は、当社の強みであるグラフ機能が好評です。関数グラフの場合、変数によってグラフの形が変わりますが、それを手書きで書くと時間がかかります。「ClassPad.net」なら、数値を変えればグラフがすぐに更新されるので直感的に分かります。

これはとくに、数学が苦手な生徒のサポートに効果的なんです。数学が苦手な子は、計算式をみながら自分で書くと混乱してしまいがちなのですが、ビジュアルでみると理解しやすいですよね。自分で実際にグラフを動かすことで、数値の変化をイメージでつかみ取れるわけです。

また、各教科共通になりますが、板書の時間を大幅に短縮できたとの声もいただいています。

---なるほど。そういった部分は、オンラインツールならではの良さですね。ほかには、機能の呼び出しなど、反応が早くストレスを感じにくいと思いました。

浅沼さん:現場の先生は、限られた授業のなかで使うため、呼び出しが遅かったり、すぐに使いたいコンテンツが見つからないとご迷惑をおかけしてしまいます。とくにパソコン操作に不慣れな先生なども簡単に使えるよう、工夫しました。

ほかにも、現場の先生からの声を参考に、4月1日に多くの機能改善を予定しております。一例ですが、複数辞書検索、調べた単語を単語帳に登録できる機能、ふせんでの音声の録音・再生機能、ふせんの線つなぎ・スライドショー機能など、現場の先生からいただいたフィードバックはスピード感を持って開発にいかしています。

---現場の先生方との関係を築けているカシオならではの細やかさですね。現在高校で使われている「ClassPad.net」は、今後小学生、中学生向けにも広めていくとのことですが、どんな風に活用してほしいですか?

  • 小中学校用に追加されるコンテンツ

浅沼さん:小学生の場合、ネット上には信頼できない情報も多くあります。そのため、まずはしっかりと信頼できる辞書機能を使ってパソコンで調べる・整理する作業をして、自分の興味をどんどん深めていただきたいですね。中学生は、いろいろな機能を使って、まとめてオリジナルのテキストをつくるような気持ちで学習に役立てていただけたら嬉しいです。

---我が家にも小学生の子どもがいますが、紙のプリントの管理や宿題の管理が大変だと感じています。学校に忘れることもありますし。でも「ClassPad.net」なら、これらの管理もクラウド上でできて便利ですね。

浅沼さん:そうですね。繰り返しになりますが、「ClassPad.net」はIDとパスワードでログインするため、自宅のパソコンからも使えます。宿題やプリントの管理のほか調べ学習をする時などは、家族で話しながら取り組んでいただくのも学びが広がってよいかもしれませんね。

私は、良い機能と使いやすい機能は別物だと考えています。教育現場で使いやすい機能にしていくため、現場の先生方やユーザーの皆様にフィードバックをいただき、今後もブラッシュアップしていきます。

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学校現場の声を取り入れながら、開発された学習プラットフォーム「ClassPad.net」。2022年4月からは、小学校、中学校、さらに大学でも使えるようになります。自分の学びの履歴を「ClassPad.net」で管理することで、理解度のチェックや将来の進路選択の振り返りとしても活用できそうです。教える側・学ぶ側双方をサポートしてくれる「ClassPad.net」に、今後も期待が高まっていくでしょう。

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[PR]提供:カシオ計算機