ダーモスコピーのノウハウを注ぎ込んだダーモスコープ「DZ-S50」

日本大学医学部附属板橋病院は、東京都板橋区に立地する1935年開設の大学病院で、病床数1,025床を備える。皮膚科では湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚腫瘍、乾癬、掌蹠膿疱症、皮膚感染症、脱毛症、熱傷や虫刺されなど、皮膚・毛髪・爪に関わる疾患を幅広く診療している。

  • 日本大学医学部附属板橋病院は、池袋駅から東武東上線の大山駅、中板橋駅、もしくは地下鉄有楽町線・副都心線の千川駅が最寄り駅となる

同病院の皮膚科専門医 伊﨑聡志 助教は、2009年に医師免許を取得し、今年で11年目となるベテランの皮膚科医だ。

  • 本大学医学部附属板橋病院 皮膚科専門医 伊﨑聡志 助教

伊﨑先生の使用しているダーモスコープ DZ-S50は、カシオ計算機が千葉大学と共同開発した皮膚科医向けのダーモスコープだ。これまでの学習サービスやダーモカメラの開発を通じて皮膚科医からヒアリングしたニーズを集約し、医工連携で開発した製品になっている。

手に持ちやすい大きさと重さでありながら、広い範囲で患部を観察できる直径40.5mmの大口径レンズを採用。レンズは端まで歪みが少なく見えるよう工夫している。患部を照らして観察しやすくするLEDライトを備える。偏光・非偏光は側面のボタンを使用し、ワンタッチで切り替えが可能だ。

  • ダーモスコープ 「DZ-S50」 本体サイズはW67.5×H140.2×D23.1mm、重さは約125g。電源は内蔵バッテリーで、LEDライトの連続点灯時間は約120分。充電は付属のACアダプターを利用する。価格は税込(以下同)76,780円

オプションでレンズ倍率を6倍から9倍に拡大する、コンバージョンレンズ「DSL-50M」も用意している。コンバージョンレンズとダーモスコープ本体はマグネットで簡単に着脱できるので、ポケットに入れている間に外れて行方不明になる心配もない。


  • コンバージョンレンズ 「DSL-50M」(オプション)。コンバージョンレンズの価格は、単体では21,780円だが、ダーモスコープ本体とセットで購入すると87,780円だ。
    カシオのウェブサイト「D'z IMAGE STORE」で販売している


  • コンバージョンレンズDSL-50Mを、本体であるダーモスコープ DZ-S50に装着。
    マグネットで簡単に着脱ができるのもポイント

今回の取材ではオンライン会議システムを用い、伊﨑先生からダーモスコープ「DZ-S50」を使用しての診療について取材に応じてもらった。

皮膚科医は自分専用のダーモスコープを持っている

――早速ですが、ダーモスコープやダーモカメラを普段どのように使用していますか?

伊﨑先生:「診察はまず肉眼で確認して、それをダーモスコープで詳細にチェックする手順となります。慢性に経過しそうなものや、写真に残しておくべきものはダーモカメラで撮影します。

もちろん、撮影時は患者さんに許可を取ります。女性の患者さんなど、一般のクリニックでは撮影を嫌がるケースもあると聞きますが、当院では顔やプライベートゾーンであっても、あまり嫌がられた経験はありません。当院は大学病院なので、一般のクリニックなどで紹介されて来るケースもありますので、患者さんはもしかしたら重病かもしれないという緊張感を持って来院されるからではないかと思います」

――ダーモスコープとダーモカメラの両方をご使用中とのことですが、いつ頃、何をきっかけに使ってみようと思いましたか?

伊﨑先生:「皮膚科医はみんな自分専用のダーモスコープを持っています。医局に入った直後に用意するのです。私も入局したころから他社製のダーモスコープを使用していました。カシオのダーモスコープ DZ-S50を使い始めたのは、ダーモカメラを利用してカシオさんから教えていただいたのがきっかけで一台使っています」

レンズが大きいので顔を近づけなくても見られる

――カシオのダーモスコープはいかがですか?

伊﨑先生:「ダーモスコープは初めて手に持った時にはとても軽くて持ちやすいと感じました。最初にいいなと感じたのは、充電式である点です。これまで使っていたものは電池式で、電池がいつ切れるか分からなかったのですが、この製品は電池が切れそうなタイミングがすぐ分かるので助かります。

機能がシンプルで、使い方に迷うことは基本的にありません。LEDライトが明るくて、皮疹が見えやすくなりました。他のダーモスコープと比べると、レンズが大きくて視野が広いのが大変ありがたいです」

――レンズが大きいとそんなに違いますか?

伊﨑先生:「はい。疾患の特徴を捉えやすくなりました。あとは患者さんの皮疹を見る際に、今までほど顔を近づけなくても見られるのが嬉しいです。医師の顔が近づくことで、患者さんが圧迫感を覚えることもあるため助かります」

  • ダーモスコープ「DZ-S50」による観察イメージ

――患者さんの反応は重要ですね。

伊崎先生:「もちろんです。DZ-S50は本体の色が白く、デザインは柔らかいフォルムなので、愛らしい感じが出て、患者さんに不必要な緊張感を与えないのも良いですね。
患者さんを不安にさせないデザインについては、ダーモカメラも同様のことが言えます。患者さんにとっては、いま自分が受けている診療がどんな効果があるのかはとても気になります。自分の肌とはいえ、自分の病変を毎日見ていると変化は捉えづらいので、ダーモカメラで撮影した画像をご覧いただきながら、『だんだん良くなっていますね』などと言えると、患者さんの治療に対する意欲も上がります。

  • DZ-S50を手にする伊﨑先生。手にフィットするグリップデザイン。重量も約125gと軽量で疲れにくい

――使いづらいと感じたところや、気になったところはありませんでしたか?

伊﨑先生:「先程も述べた通り、ダーモスコープ DZ-S50で操作や使い方を迷うところは皆無です。コンバージョンレンズも、マグネットでの付け外しが簡単です。強いて挙げるなら、両側にあるスイッチ形状が似ているので、指で触れるだけでスイッチを判別できると嬉しいですね。

ダーモスコピーは基本的には色素性病変の診断技術ですが、ダーモスコープやダーモカメラなどのツールは、より広い場面で使えることに医師が気づき始めています。皮膚科で言えば、たとえば脱毛症の診察でも役に立ちます。

皮膚科医はみんな自分専用のダーモスコープを持っていて、頻繁に買い替えるものではありませんが、これから購入する新人の医師や買い替えを考えている医師には、ダーモスコープ DZ-S50をオススメしたいですね。

若手の皮膚科の医師がダーモスコピーを学べる場は増えてきています。ダーモスコープもダーモカメラも、これから活躍の場がますます広がっていくアイテムではないかと思います」

ダーモカメラ DZ-D100は「患者も納得しやすい」

――カシオのダーモカメラ DZ-D100についてもお聞かせください。

伊﨑先生:「ダーモカメラ DZ-D100は、昨年発売されてから比較的早い段階で導入しました。新しい皮膚科専用のカメラが出るとの情報を医局員が入手し、皮膚科の皆で機能や価格などを調べ、使ってみようとなりました」

  • ダーモカメラ DZ-D100

ダーモカメラ DZ-D100は接写撮影と、通常(臨床)撮影が一台で行える皮膚科医向けのカメラで、2019年5月にカシオ計算機から発売されている。皮膚内部の構造や色を確認しやすい偏光撮影と、皮膚表面の病変部を観察しやすい非偏光撮影、さらにシミやほくろの辺縁部をくっきり写し出すUV撮影をワンシャッターで行えるため、同一画角で比較しやすい画像を容易に得られるのが特徴だ。

――それまでは普通の一眼レフカメラで記録していたのですか?

伊﨑先生:「はい、そうです。外来では2台のカメラを使い、それと別にダーモスコピー用の年季の入った一眼レフカメラを医師たちで使いまわしていました。故障も増えそのたびに修理費用と時間がかかっていたこともあり、この際だからとダーモカメラの導入に至りました。現在は二台のダーモカメラを運用し、従来の一眼レフカメラもたまに使用しています。

一眼レフカメラの方は普段趣味で撮影している人でないと、モードの切り替えやホワイトバランスの設定などまでなかなか覚えきれません。皆で共有するため、撮影していると明るさのバラツキなどがどうしても出てしまいます。私自身もカメラは趣味にしておらず、専門外のことを若手の医師に教えるのはなかなか骨です」

――実際に使ってみて、どう感じましたか?

伊﨑先生:「一台で通常(臨床)撮影と接写撮影の両方に使えるのが良いです。一眼レフカメラより遥かに使いやすいですよ。覚えないといけない操作が少なくて済みますし、若手への指導も容易で助かります。皮膚科は女性医師が多く、機械に苦手意識のある方でも扱いやすいようです。軽量なのも好評です。

特に便利なのは、撮影したその場で確認できるので、頭の中で臨床と所見が繋がることです。経時的に観察する病変部も、ダーモカメラで撮影していれば、明るさなどが均一になって見やすいですし、患者さんに見せながら説明していても患者さんが納得しやすいですね。

今は他社のカメラと併用してダーモカメラ DZ-D100を使っています。カシオの画像管理ソフト『D‘z IMAGE Viewer』は使っていないのですが、使用するカメラがDZ-D100に統一されたらぜひ使ってみたいですね」

  • 画像管理ソフト D‘z IMAGE Viewer(無料ダウンロード)。ダーモカメラとの連携が可能で、撮影した写真の管理も効率的に行える

――本日はありがとうございました。

[PR]提供:カシオ計算機