USB PD対応バッテリーの実力を測る
USB PD対応のバッテリーの実力はいかなるものか、シリコンパワーの新製品「C10QC」と「C20QC」を試してみよう。
これは10000mAh(C10QC)、20000mAh(C20QC)の容量を持ち、USB Type-Aポートを2つと、microBポート1つ、USB Type-Cポートを1つ備えたモバイルバッテリーだ。従来製品がマイクロUSBポートでバッテリーを充電したのに対し、C10QC/C20QCではUSB Type-Cポートでの充電可能、さらにバッテリーから機器に給電する際にも利用できる。つまりUSB PDの特徴である「ロールスワップ」にも対応しているわけだ。
USB PDとしての性能は、最大18Wを供給。最大電流は、5~6Vでは3A、6~9Vでは2A、9~12Vでは1.5Aとなる計算だ。マイクロUSBの場合、規格上は最大で7.5W、筆者の持っている充電器では最大12Wが最大なので、機器側が対応していれば、1.5~2倍以上の電力を扱える計算になる。そのぶん充電も早くなるわけだ。
USB PD対応機器としては、iPhone Xと、60WのUSB PD対応充電器を用意。iPhone XとC10QC/C20QCを使い、それぞれ、充電中に何Wで充電されているか、また充電にかかる時間がどれくらいになるかを検証してみた。
まずiPhone Xについては以下のようになった。
C10QCは、どちらのポートでも14W近い出力となり、USB PDが有効であることを確認できた。比較対象として、2.4A出力に対応したモバイルバッテリーを検証したが、こちらは最大で7W弱。ほぼ2倍近い出力差となった。
充電速度については10%程度までバッテリー残量が減ったiPhone XをC10QCで充電してみたが、Type-Cポートからは約30分程度で80%近くまで充電できた。
比較用バッテリーでは同程度の充電に1時間以上かかるので、出力差がそのまま現れた形だ。
ちなみに、比較対象としてUSB PDに対応していないiPhone 6s PlusやiPad Air(2015)もC10QCで充電してみた。
結果としてはUSB Type-Cポート経由のほうがわずかに出力が高めだが、いずれにしても相手の機器がUSB PDに対応していない場合であっても、ちゃんと互換モードで接続してくれることが確認できた。
USB PD対応充電器が15〜18Wで充電できるのに対し、比較用の充電器は8~9W前後と、やはり半分程度の出力しか出ない。これでは充電にかかる時間も2倍ほど違ってくることが予想される。
バッテリーの残量を示すLEDインジケーターが2つ点灯するまでの時間だが、従来の充電器は2時間近くかかっていたのに対し、USB PDでは約1時間だ。バッテリーの充電においても、USB PDは有効であると確認できた。
これから買うならUSB PD対応で決まり!
USB PDは今後、確実に主流となる規格だ。モバイル機器に限れば、標準的なUSB Type-C対応ケーブルでも問題なく利用できる。最小限の投資を重ねていくことで、無理なく次世代の環境を揃えていけるだろう。
これからのスマートフォンはほぼ確実にUSB PD対応モデルが中心になる可能性が高い。更にノートPCでの採用も増えている。緊急時の電源としても、USB PD対応モバイルバッテリーの重要性は増すはずだ。これらを踏まえ、これから購入するなら絶対にUSB PD対応バッテリーがおすすめである。
今回テストしたC10QCとC20QCは、数日の利用も可能な大容量を備えつつ、同クラスの製品と比べても一回り小さく・軽量・コンパクトながら、給電可能なUSBポートを合計3ポート備えるなど、充実した性能を持つバッテリーだ。
既存の機器をサポートしつつ、USB PD対応製品もカバーできるため、特に環境の移行期にはもってこいだろう。いち早く新しい規格を試したい先進的なユーザーはもちろん、どれを買えばいいのか迷っている初心者にも自信を持っておすすめ出来るモバイルバッテリーだ。
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