"Kaby Lake"世代のCPUで処理速度は上々

「STYLE-IL11-i5S-HNV」のもう一つの魅力は、サイズを超えた高い処理能力にある。CPUに"Kaby Lake"というコードネームで知られる、第7世代Intel Coreプロセッサの「Core i5-7500T」を搭載し、省電力ながらも高いパフォーマンスを実現している。4コア4スレッドで動作し、動作クロックは最大3.3GHzにまで上昇するので、ビジネス向けアプリも高速に動作することだろう。メモリは8GB(8GB×1)のシングルチャネルと過不足ないが、1スロットの空きがあるため、必要に応じてBTOカスタマイズで増設すると良さそうだ。

CPU-Zで見る「Core i5-7500T」。TDP 35Wながらも4コア4スレッド、最大クロック3.3GHzで動作する

GPUは内蔵グラフィックス「Intel HD Graphics 630」となり、こちらも前世代の「Intel HD Graphics 530」に比べて多少性能が強化されているが、3D性能よりもH.265/HEVCやVP9といった4K動画に使用されるコーデックをサポートしたことのほうが、より大きなトピックとなるだろう。その効果はYoutubeをはじめとした動画サイトの4K動画でも体感でき、CPUに大きな負荷をかけることなく再生が行えるようになる。

GPU-Zで見る「Intel HD Graphics 630」。4K動画で利用されるH.265/HEVCやVP9といったコーデックをサポート

アクセス速度と利便性を両立したSSD&HDDのツインドライブ

システムドライブに240GBのM.2 SSDを採用していることも、「STYLE-IL11-i5S-HNV」の体感速度が快適に感じる要因といえるだろう。さらに、容量不足を補うため、1TBのHDDも搭載。小さな筐体の内部を最大限に活用し、ストレージ容量を増やしている。頻繁にアクセスするOSやアプリをSSDにインストールし、データはHDDに保存することで、大きなデスクトップPCと同じように運用することができる。その速度の違いを「CrystalDiskMark 5.2.2」で計測したので、参考にしてほしい。

システムドライブとして利用されている240GB M.2 SSDの速度。HDDに比べて高速なアクセスが可能

データドライブとして搭載されている1TB HDDの速度。安心してデータを保存できる容量だ

コンパクトPCでどこまでアプリが動くのかベンチマークでチェック!

さて、最後にコンパクトな「STYLE-IL11-i5S-HNV」が実際にどれだけの処理能力を備えているか、ベンチマークテストを試していきたい。「WIN SCORE SHARE」を利用した「WinSAT.exe」のWindows エクスペリエンス インデックス スコアでは、プロセッサとメモリで"8.0"、プライマリディスクの項目で"8.2"と高い数値が確認できる。

「WIN SCORE SHARE」ではプロセッサとメモリ、プライマリディスクの値が優秀

CPUとOpenGLの性能を計測する「CINEBENCH R15」でも、やはり注目はCPUの値で、サイズを超えた性能が確認できる。内蔵グラフィックスを利用しているため、OpenGLはそこそこの値に落ち着く。

「CINEBENCH R15」でもCPUが振るっており、外見とは裏腹にしっかりとした処理性能を備える

Futuremarkの最新ベンチマークソフト「PCMark 10」のExtendedは、総合スコアが"2178"だがEssentialsやProductivityは十分に高く、インターネットでの動画再生やビジネス利用は快適に行えそうだ。レンダリングや3Dゲームこそ厳しいが、写真やビデオ編集もそれなりにこなせるだろう。

「PCMark 10」の総合テスト「Extended」で確認すると、得意な分野と苦手な分野がよくわかる

テレビの裏に付けるのもあり? 存在を隠せる超コンパクトPC

W174×D182×H36mm、身近なものではブルーレイビデオディスクのケースよりちょっと大きい程度という極めてコンパクトな筐体を実現した「STYLE-IL11-i5S-HNV」。横置きにすればディスプレイの下に潜り込ませることができ、縦置きにすれば本棚にスッキリと収まる。さらにディスプレイにVESAマウントしてしまえば、まるで一体型PCのように本体の存在を隠してしまうこともできる。

このようなコンパクトPCは性能的に振るわず、実用性に疑問符が付くことも多いが、「STYLE-IL11-i5S-HNV」はIntel Core i5にM.2 SSD&HDDまで搭載。拡張性も非常に高く、処理能力が求められるシーンにも対応できるのがポイント。それでいて通常価格85,980円(税別)に抑えられているのもうれしい。上位モデルとしてCore i7を搭載した製品「STYLE-IL11-i7S-HNV」も用意されており、こちらも通常価格99,980円(税別)と10万円を切っているので、性能を求める方はそちらもチェックしてほしい。

本機は、やはりスペースに制約のある場所や、PCの存在を意識させたくない場所でも十分な性能を発揮させたいという方に向いている。ビジネスシーンはもちろんのこと、家庭ではテレビの背面にVESAマウントして使うのも面白そうだ。

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー ユニットコム
型番 STYLE-IL11-i5S-HNV
CPU Intel Core i5-7500T(最大3.3GHz)
メモリ 8GB DDR4-2400 S.O.DIMM (PC4-19200)
M.2 SSD 240GB
HDD 1TB
チップセット Intel H110 Express
光学ドライブ
グラフィックス Intel HD Graphics 630
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビットLAN
IEEE802.11 ac/a/b/g/n 2×2 Dual Band Wi-Fi + Bluetooth 4.2
インタフェース USB 3.0×4(背面×4)、USB 3.1 Type-C×1(前面×1)
サイズ W174×D182×H36mm(※最大突起物除く)
ディスプレイ
価格 85,980円(税別)

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