Googleが提供するAndroidスマートフォン/タブレットのブランド名「Nexus」。このNexusシリーズは、いずれもその時代におけるAndroidのフラグシップ端末を作ることができる、高い技術と生産力を備えたメーカーが担当する。
この冬発売された「Nexus 6P」は、スマートフォンやタブレット、モバイルルーターなど様々な通信端末を製造するファーウェイ製のスマートフォンだ。本稿で、その魅力を詳しく紹介していく。
Google独自ブランド「Nexus」の特徴とは?
「Nexus 6P」に触れる前に、まずは「Nexus」ブランドの特徴について簡単に説明しておこう。
NexusはGoogleがハードウェアの設計や製造を外部メーカーに委託して提供されるGoogle自前のAndroid端末のブランド名。Nexusという名称が当たられた端末は、他のAndroid端末とは異なり、メーカーやキャリアのカスタムを含まない純粋なAndroid環境として提供される。よって、プリインストールされるアプリはGoogle純正のもののみというプレーンな環境であることが必須となる。また純粋なAndroid環境であるがゆえに、Android OSがバージョンアップを行う際には真っ先にアップデート対象となる。同時に、新Android OSが実現する最新のハードウェア要件を満たしている場合も多い。
こういった特徴から、新たな環境を常に確保しなければならない開発者や、新OSを真っ先に試したいハイエンドユーザーなどに高い人気がある。Googleの最新Android OSを真っ先に試すことができるブランド、それがNexusだ。
2016年度Android端末の設計指針となるフラグシップモデル「Nexus 6P」
それではファーウェイが作り上げたNexus 6Pのディテールを見ていこう。Nexus 6Pは、WQHD(2560×1440ドット)の有機EL(AMOLED)ディスプレイを搭載したスマートフォンだ。Nexus 6Pという名称ながらも、前機種であるNexus 6よりも横幅が狭く、実際のサイズは5.7型。このサイズにWQHDという高解像度が凝縮されているため、画素密度は518ppiにも達する。画面は非常になめらかで、ドット感を感じることはまずない。外装は美しいエアクラフトグレードのメタルフレームを採用しており、高い剛性を誇っている。
試用機の本体色はシルバーを採用した"アルミニウム"だが、この他にブラックの"グラファイト"と、ホワイトの"フロスト"を用意。加えて、12月12日からは”ゴールド”も発売する。
WQHDの5.7型有機ELディスプレイを搭載したNexus 6P。高い解像度とコントラスト感を両立した、非常に滑らかな画面が確認できる |
メタルフレームを外装に採用。6型に近い大型のスマートフォンながらも高剛性と高級感を備えている。カラーはアルミニウム、グラファイト、フロスト、ゴールドをラインナップ |
CPUには、最新の64bitプロセッサ「Qualcomm Snapdragon 810」を搭載。オクタコア (2.0GHz + 1.5GHz)で動作する最高峰のCPUだ。RAM容量は3GBとなり、こちらもまったく不足を感じない。無線LANは802.11 a/b/g/n/acのデュアルバンド 2×2 MIMOを搭載し、理論値にして最大867Mbpsという速度をたたき出すことが可能。
スペックとしてはまちがいなく2015年トップクラスの端末。プリインストールされているOSも最新のAndroid 6.0、通称"Marshmallow"(マシュマロ)だ。
アプリ「CPU-Z」で確認したCPUの様子。オクタコアで動作するQualcomm Snapdragon 810を搭載している |
搭載するOSは、Androidの最新バージョンである6.0、通称"Marshmallow"(マシュマロ)だ |
接続端子として新たにUSB Type-Cが搭載されている点も新しい。この新しいUSBポートは、コネクタに裏表が存在せず、どちら向きに挿しても通信や充電が行われる。暗い場所で抜き差しを行っても、ケーブルが刺さらずにイライラすることが無くなるのは嬉しいポイントだ。さらに、10分の充電で最大7時間使用できる。急速充電に対応。バッテリーが残り少なくなっても、すぐに使用可能な状態まで回復させることができる。