(3)パーツの組み込み

続いては、ピックアップしたパーツの組み込みとなる。組み立ては通常3人で行っていて、静電気防止のリストバンドを着用し静電気対策が行われた状態で1台1台慎重に組み立てていく。メンテナンスのしやすさ、内部の冷却性能にも関わる電源など各種ケーブルの処理は、PCケースの形状に合わせて組み立てスタッフが最適な状態にまとめる。実際の作業を拝見すると、結束バンドなどを使って素早く、そして美しくまとめていく。BTOで選択できるPCケースが多いだけに、素早く最適なケーブル配置を見抜く様子はまさに職人技だ。

1台1台丁寧に組み立てていく ケーブルの処理は職人の技術で行われる。素早く美しくまとめられていく
ケーブル処理が終わった状態。内部が非常にスッキリしているのがわかる 組み立てながらメモリのチェックも並行して行う。効率よく作業を行っている

なお組み立ての行程で、メモリの動作チェックも行うそうだ。組み立て終わったPCのメモリをチェックしながら、次のPCを組み立ててと、効率よく作業を行っていた。

(4)動作チェック

次は動作チェックとなる。通常は2名で行っているという。そのテスト内容は、外観の異常がないか、スイッチ類は正常に動作するかといったハードウェア面から、BIOSのチェックと設定、すべてのドライバが適用されているかといったソフトウェア面まで実に20項目以上に及ぶ。ここが、組み立てて実際に動作させるまで問題があるかどうかわからない自作PCと、もっとも大きく異なる点だろう。なお、法人向けのPCでは、要望に合わせて24時間以上の動作テストなど、より細かなテストも行うそうだ。

組み立て後は各種チェックが行われる。20以上の項目を検査と、非常に安心だ 動作のチェック項目がズラリと並ぶ

(5)出荷へ

最後は組み立て終わったPCと使用したパーツの空箱を一つの段ボールにまとめて出荷する。通常1日20~30台を組み立てて、急ぎのものに関しては本社を利用して組み立てて出荷を行うこともあるという。これだけパーツが集まると、盗難などの心配もあるが、警備システムを入れてしっかりと対応していた。

最後は段ボールにつめて出荷となる 警備システムもしっかりと

このように、1つの場所で効率よく組み立てから出荷まで行う体制が、幅広いBTOメニューを持ちながら短期納品を実現しているということがよくわかった。また、組み立て場所には、かつてマイコンブームを作ったNECのTK-85が飾られていたり、敷地内で桃を育てるなど、池田社長のPCと工場に対する愛情が随所に見られる。工場の入り口にある、アイティーシーの大きなロゴ。よく見ると池田社長の名前である、「正」にも見えるようになっている。これは池田社長の父親が作ったものという。

池田社長の名前である「正」にも見えるアイティーシーのロゴ。社長の父親がデザインしたという

通常、工場といえば都心から離れた場所にあるイメージもあるが、ストームの工場は神奈川県の相模原市と都心から電車で1時間程度。法人から実際に組み立てている様子を見たい、動作のチェックに立ち会いたいといった要望にも応えやすいメリットがある。工場周辺には温泉施設も数多く、工場に赴いた際には立ち寄ることも可能だ。アイティーシーという商社の仕入れ力を活かした豊富なパーツ類、都心から近い法人のニーズに応えやすい環境、職人による組み立てとチェック体制による素早い出荷、そのすべてを兼ねそろえているストームの工場。個人、法人を問わず、PCの購入に迷ったらぜひ一度、ストームのWebサイトをチェックしてほしい。そう思わせる充実ぶりだ。

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