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「私が社長です。」- アパホテル社長 元谷氏のピンチをチャンスに変える心構え

[2021/09/16 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

創業50年来、一度の赤字もなく発展を遂げてきた総合都市開発のアパグループ。同グループのビジネスホテルチェーンであるアパホテルは、コロナ禍でホテル/観光業界が大打撃を受けるなかでも、さらなる拡大戦略を推し進める。8月27日に開催されたビジネスフォーラム事務局×TECH+フォーラム「DX Day 2021 Aug. DXの要は経営者の視座」でアパホテル 取締役社長 元谷芙美子氏が語った、ピンチをチャンスに変え、強運を掴み取る心構えとは。

元谷芙美子氏

アパホテル 取締役社長 元谷芙美子氏

コロナ禍でも成長戦略、そこに掛ける思いとは

コロナ禍を契機に、社会は大変革時代へ入った。新型コロナウイルスの感染拡大によってさまざまな業界が打撃を受けているが、最も苦境に立たされている業界の1つが、観光/宿泊施設である。こうした状況を受け、元谷氏は「このタイミングで成長戦略を打つことは難しい」と前置きしつつも、「だからこそ、ピンチをチャンスに変えて会社の拡大につなげていくことができれば経営者冥利に尽きる。気概を持って、日々この難局にあたっている」と力を込める。

アパグループが40周年を機に2010年より開始した中期5カ年計画「SUMMIT 5」では、東京都心でトップを取るというドミナント戦略を掲げ、一等地への集中投資を推進。2015年からの「SUMMIT 5-Ⅱ」では、東京都心だけでなく大阪、名古屋、広島といった地方中核都市への展開も進め、提携ホテルを含むネットワーク客室数10万室という目標を達成した。現在は「SUMMIT 5-Ⅲ」として、アパホテルブランド(直営/FC)客室数10万室、ネットワーク客室数15万室を目標に掲げ、ホテル業界の寡占化一番乗りに挑んでいる。コロナ禍においても計画通り、本年24ホテル5,085室(直営、FC、海外含む)の開業を予定している。

「会社はまず実際の需要を起こす、そのことによって雇用を生み出し、従業員を守ることが重要。そして、一番難しくて大変だが、納税の義務を果たすことが最も大切です。実需/雇用/納税をサスティナブルに回していくことこそが、社長としての一番わかりやすい通知表になります」(元谷氏)

アパホテルのDXと積極的な新企画

DXにも積極的に取り組んでいるアパホテル。世界最先端のホテルでありたいという思いから、インターネット予約やキャッシュバックシステムなど、インターネットを活用したサービスを業界に先駆けて展開してきた。また、需要に応じて販売価格を制御し収益を最大化させるイールドマネジメントシステムを10年以上前に導入している。元谷氏は「ホテルチェーンでトップをとるには、戦略で負けてはいけない。独創的でモノマネではないシステムをつくる必要があると考え、ホテルの一歩先を行く航空業界など、稼働率と客単価が重要な業界に着目して学んできた」と説明する。

近年では、ロビーに設置された端末「1秒チェックイン機」にカードをかざすだけで非接触でチェックイン/チェックアウトできるシステムを導入しており、対面でのやり取りをなるべく低減する必要があるコロナ禍において、非常に役立っているという。

アパホテル公式アプリも好調で、現在ダウンロード数は240万を超えている。「ゴールドカードキーが出たら全額返金キャンペーン」「もう1泊1000円キャンペーン」など斬新なキャンペーンを打つことで、大学生や若手会社員など新しい顧客層の開拓にもつなげている。また、今年5月よりスタートした9万9000円/連続する30日間で全国150以上のアパホテルに泊まることができるサブスクプランは、特に若年層から好評で、元谷氏曰く「驚くほど大当たりした企画」になったとのことだ。期間限定の企画であったが、好評につき対象期間の延長が決定している。

こうしたさまざまな企画を次々と実行していることに対して元谷氏は「アパって面白いね、いろんな企画を打って頑張ってるね、と言われるが、手をこまねいているだけでは、この閉塞した期間に業績を伸ばすことは難しい。財閥系や電鉄系の一流ホテル/不動産があるなか、アパにとってはコロナ禍のような逆境こそがチャンスとなる。奮い立つような気持ちで新しい企画に挑戦してきた」と話す。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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