Workdayで人事の刷新に挑む日産 - 最新動向と成功のポイント

[2018/10/18 08:00]末岡洋子 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

企業にとって大きな資産でありコスト源でもある人材。人手不足の今、その効果的な活用がさらに重要になっている。「目指す人事は『ヒューマンキャピタル・サプライチェーン』」と語るのは、日産自動車でグローバルデジタルHR部門ゼネラルマネージャーを務めるラジュ・ヴィジェイ氏。クラウド型人事ソリューション「Workday HCM」を導入し、グローバルで統一したタレントマネジメントを進めてきた人物だ。米Workdayが10月初めに米ラスベガスで開催した「Workday Rising 2018」にて、同氏に話を聞いた。

日産自動車でグローバルデジタルHR部門ゼネラルマネージャーを務めるラジュ・ヴィジェイ氏

人事システムの統一による「変化」

日産自動車が人事クラウドWorkday HCMを全世界で導入するプロジェクトを始動したのは2013年のことだ。それ以来、北米、メキシコ、日本、欧州と順次Workdayの実装を進め、2017年には全世界の拠点で稼働開始した(関連記事:『日産のグローバル人事システムがついに始動!「変化」は何をもたらすか?』)。ヴィジェイ氏によれば、現在、運用環境で利用するアクティブユーザーは9万8,000人だという。

日産では、ヒューマンリソース管理、レポートと分析、ワークフォースプランニング、リクルーティング、タレントマネジメントなどにWorkdayのクラウド型人事ソリューション「HCM(Human Capital Management)」を活用している。そもそもの目的は、それまで地域ごとにバラバラだった人事システムをグローバルで統一すること。これにより、グローバル規模でのタレントマネジメントの実現を目指した。「共通のタレントマネジメントソリューションにより、世界各国のタレント(人材)を視覚化できる」(ヴィジェイ氏)ため、最適な人材がどこにいるのか、その人は移動/異動可能かといったことを把握できるというわけだ。

グローバルでの標準化/クラウド化により、インフラ面でも設備投資型のCapexモデルから運用主導のOpexモデルに変わった。総じて、「オペレーションの効率化と、ヘッドカウント(社員数)やコンピテンシー(能力)管理の効率化が進み、アプローチを集約できるようになった」(ヴィジェイ氏)という。

同時に、その国固有の法律に合わせつつ、意味のあるところで仕事の標準化も進めた。また、固有の慣習もシステムに取り込んだ。例えば日本の「出向」や、新卒の大量採用などがその1つだ。

新たな機能導入への取り組み

現在ヴィジェイ氏が進めているのが、2017年にWorkdayが発表した分析ソリューション「Workday Prism Analytics」の導入である。

日産では、同社が事業展開する132カ国中、58カ国でWorkday HCMを導入しているが、ディーラー(販売店)や関係会社、合弁会社、子会社などでは利用されていない。人事部門はWorkday HCMの標準ダッシュボード機能を利用して、ヘッドカウントやダイバーシティ、離職率などをレポートしており、それぞれ地域別/部署別/労働者のタイプ別に把握できるようにしているが、「ディーラーなど全てがWorkdayを使うわけではないが、共通の定義に基づいてヘッドカウントをレポートしなければならない」とヴィジェイ氏は説明する。

Prism Analyticsでは、Workday HCM以外のデータも取り込んで分析できるため、外部データを取り込んだ合計約23万人分のレポート作成を行える。機能発表から1年、日産は早期ユーザーとしてPrism Analyticsを運用環境で利用するための作業を進めてきた。10月にはダイバーシティの分野から、ライブ稼働を開始するという。ヴィジェイ氏は、「これまで地域のデータを収集して統合する作業に数週間を要していたが、ボタンを押すだけになる」と期待を込める。

Prism Analytics以外の新しい取り組みとしては、Workdayが開発中の新機能「Workday Assistant」が挙げられる。Workdayに音声で語りかけて情報を得たり、システムを操作したりできるというもので、今年のWorkday Risingで紹介された際には、観客から大きな拍手が沸き起こった。「新しい世代はPCは使わない。声で操作する」とヴィジャイ氏も見解を示す。とは言え、現状では複雑な処理をやらせるのは難しい。まずは、住所変更など簡単なところから試していきたいという。

また、日産はWorkdayの新機能である「Data as a Platform」にも参加している。Workdayを利用する企業がオプトイン形式で参加し、人事データを共有することで「業界」や「規模」といったくくりのベンチマークを得られるものだ。まだ早期段階であり、どのベンチマークをどのように利用できるのかを検討していきたい、という。

Workdayが注力するPaaS「Workday Cloud Platform」についても、UI面での改善につながるかどうかを見ながら進めているという。例えば、ハイライトや太字などを使ってWorkdayの機能を社員がわかりやすいかたちで表示することなどを考えているとヴィジェイ氏はコメントした。

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企業にとって大きな資産でありコスト源でもある人材。人手不足の今、効果的な活用がさらに重要になっている。「目指す人事は『ヒューマンキャピタル・サプライチェーン』」と語るのは、日産自動車 グローバルデジタルHR部門ゼネラルマネージャー ラジュ・ヴィジェイ氏。クラウド型人事ソリューション「Workday HCM」を導入し、グローバルで統一したタレントマネジメントを進めてきた人物だ。米Workdayが10月初めに米ラスベガスで開催した「Workday Rising 2018」にて、同氏に話を聞いた。

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