【連載】

5分でわかるビジネスモバイル用語まとめ

【第1回】学び直したい「M2M」

[2016/12/01 08:00] ブックマーク ブックマーク

ソリューション

連載目次

スマートフォンの法人活用が進むにつれ、情報システム担当者がモバイルにも関心を持たなければならない時代が到来しています。ただ、消費者としての「モバイル」とシステム担当者としての「モバイル」の接し方は大きく異なります。この連載では、システム担当者として気をつけたい「ビジネスモバイル」にまつわる主なワードをピックアップして解説します。初回はIoT時代以前から機械と機械を繋げてきた「M2M」です。

M2Mの構成要素とは?

M2M(Machine to Machine)は文字通り「機器間の通信」で、その機器間の通信にネットワーク接続を使用します。機器から収集したデータを応用すれば、人間を介すことなく、ほかの設備や機器を自律動作・遠隔操作できます。

M2Mは、使用用途に応じて接続される末端の機器群の「デバイス」、デバイスから上がる情報の集約やデバイスの遠隔制御を担う設備の「サーバー」、デバイスとサーバー間に用いられる通信環境を「ネットワーク」から構成されます。

  • デバイスについて

デバイスは、各種センサーの制御・通信機能を持ち、それらをコントロールするファームウェアを搭載しています。高機能化や汎用性が求められる場合は、組み込み用OSを搭載するケースもあります。

  • サーバーについて

サーバーには、デバイス管理機能と、デバイスから上がってくるデータの集約機能があります。上がってくるデータを処理して、何らかの次の動作(デバイスの制御を行うなど)を実行するかどうかの判断を担います。

・ネットワークについて

使用するネットワークは、デバイスの通信機能と能力、接続構成、設置環境によってさまざまなパターンが考えられるため、一概に「これが良い」とは言い切れません。例えばデバイス側の通信・処理能力が低い場合は、サーバーにデータを上げる能力を別の機器(ゲートウェイ)に集約し、送信するケースがあります。

機器を接続するためのネットワークは無線だけでなく有線も使用します。ひとえに「ネットワーク」と言っても、短距離接続は短距離無線やケーブル、広域接続が必要な場合は移動通信網や専用線、インターネットVPNやIP-VPNなどの閉域接続を使用します。M2Mに適した無線接続の規格は、各標準化団体で検討・規定されています。

M2Mで使用する主なネットワーク

ここで通信経路を判断する根拠を、種別ごとに見てみましょう。

移動通信網を利用

デバイスに搭載されたセルラーの通信モジュールでサーバーと情報のやり取りを行いますが、この場合は接続台数分の回線が必要になります。日本では携帯キャリアがM2M向けのネットワーク回線管理サービスを提供しており、回線開通・閉塞、通信量などの管理・統計情報が容易に取得できます。

携帯キャリアのネットワークを利用するため、設置から利用開始までの所要時間が短縮できるメリットがあります。一方のデメリットは、通信料コストや通信モジュールが高価であること、M2M機器は一度設置すると長期間利用するケースがあるにも関わらず、モジュールの通信規格の問題から継続的に利用できる期間が限られる可能性があること、通信品質が携帯キャリアによって左右される点があります。

現在携帯キャリアはデメリットを解消するため、M2M向けの安価な通信モジュールや、低コストの通信網の開発・配備に取り組んでいます。

短距離無線通信を利用

デバイスの出力できる電波強度によって通信距離は決まります。例えばZigBeeなどは通信可能な距離が数メートル~数百メートルですが、最新の規格ではモバイル網に対抗するために数キロ届く仕様を検討しているほか、さらなる低消費電力化を目指しています。これらの無線通信規格の中には、出力電波を小さくして無線利用の免許取得が容易、もしくは不要なものが存在します。

このケースでは、ネットワーク機能を省電力で動かせるため、必要な電源・バッテリーを小型化でき、ハードウェアコストの面でも有利です。

固定通信網を利用

デバイスが固定通信網に接続できる場合は、専用線やネット回線を引き、安定した通信を行うのも選択肢の一つとなります。

ネットワークの組み合わせ利用

情報を収集・制御する対象となる設備が比較的近距離にある場合は、短距離通信のデバイスと、それを受けるゲートウェイを組み合わせてネットワークを構成することも可能です。ゲートウェイからデバイスには、固定通信網もしくは移動通信網で接続することになります。

接続構成例

M2Mでも大切な「ソフトウェアアップデート」

M2Mのネットワークは、インターネットに接続するIoTと異なり、外部(例:クラウド)と接続されている箇所が少ない閉じたネットワークや機器群です。そうした環境でも、デバイスとサーバー間に通信を用いている以上、デバイスやネットワークに「脆弱性」や「不具合」への対処が必要になる可能性があります。

定期点検や交換が容易にできない環境にデバイスを設置する場合は、遠隔監視による不具合検出機能や、ソフトウェアアップデート機能をあらかじめ用意しておき、サーバー側からプッシュできる仕組みを用意しておくことが重要になります。

M2Mネットワーク活用について

M2Mは、デバイスからさまざまなデータを収集できます。遠隔地にあるデバイスを用いて付近の状態・状況把握や、集めた情報の分析を行い、再びデバイスへデータに基づいた制御が可能となります。

一方で、収集したデータが膨大な量になるため、入手した情報の分析や分析結果を基に制御するシナリオを設計する人間の技能が求められます。いわゆるデータサイエンティストなど、ビッグデータを処理できるスキル開発・取得がM2Mを活かす鍵となることでしょう。

著者プロフィール

上竹 勝彦(うえたけ・かつひこ)
ソフトバンク 法人事業統括 ICTイノベーション本部 モバイルES統括部 モバイルサービス部

携帯電話用のIPネットワーク構築、メールサービス実装、迷惑メール対策を経て、現在はモバイルの法人向けサービス「ソフトバンク 法人サービス M2Mソリューション」の開発を担当。

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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