復興支援の枠組みから次のステップへ、ドコモが考える「地方創生」とは

[2016/09/01 16:51]徳原大 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

NTTドコモと仙台市は8月29日、「ICTを活用したまちづくりに関する連携協定」の締結を発表した。具体的には「防災・減災」「地域活性化」「近未来技術の実証」の3分野で連携を行う。

防災分野では、ドコモのモバイルネットワークの仕組みを利用した人口動態統計「モバイル空間統計」を活用して防災計画などを策定する。また、モバイル通信網が正常に利用できない場合の非常時の通信手段として、Bluetooth Low Energyを活用して近距離のスマートフォン同士を繋げる新サービスの実証も行っていく。

一方で地域活性化の取り組みでは、スタートアップ支援や「+d」などの取り組みで続けているドコモのアセットと地元企業との新たなビジネス創出を検討する。最後の近未来技術の実証では、仙台市が国家戦略特区に指定されていることから、災害発生時の被災状況の確認や生活インフラの点検などを想定し、ドローンを活用した映像ソリューションの導入も検討するとしている。

ICTを活用したまちづくりに関する連携協定の連携イメージ

吉澤氏「ドコモのアセットをフルに使ってほしい」

ドコモと仙台市は、これまでもドローンの利活用やコミュニティサイクル「ダテバイク」などで協力関係を続けてきた。ただ、仙台市長の奥山恵美子氏が「個別分野で協力するよりも、包括的な取り組みにした方が効果的ではないか」と語るように、まちづくり全体への波及効果を見込み、ICT協定への引き上げを行った。ドコモは、2015年12月にニセコ町らと、4月に神戸市とICTを活用したまちづくり協定を結んでおり、今回が3例目。分野によっては他地域への応用も考えられることから、包括協定を望む自治体は今後も増えることだろう。

NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏が会見内で何度も強調した点は「NTTドコモのアセットを地方の人・企業に上手く使ってもらう」ことだ。

仙台市長 奥山恵美子氏

NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏

例えば「モバイル空間統計」は、季節や月次、時間帯別に特定地域の人口を推計できる。人口量だけでなく、どこから人がやってきてどこへ向かっているのかも推計できるため、防災計画だけでなく、観光振興などのマーケティングにも応用例がある。当初の予定では防災分野での活用を検討しているが「利用用途を防災に限定しようとは考えておらず、さまざまな検討をしていく予定」(仙台市担当者)だそうだ。

また、地場企業の支援では、仙台のICTコンソーシアム「グローバルラボ仙台」の運営にNTTドコモがすでに参画しており、協定をもとに今後もさらにこの枠組みを超えたスタートアップ支援などを行うという。東日本大震災後に「新規事業を立ち上げようという機運が仙台で高まった」と奥山氏が話すように、大阪市や福岡市ほどの規模感ではないにせよ「ICTで地方創生を」という熱量が仙台にはある。もちろん、奥山氏と吉澤氏が語るのは、すぐに世界を目指せる企業をという「夢物語」ではなく、現実路線の目標だ。

「芽が出て成長してやがて幹となる。と上手く行けば良いけれど、まずは小さな芽をたくさん育てて、ICT能力を活かす土台作りができればと思います」(奥山氏)

「私たちはICTに関連するトップクラスの技術ノウハウを持っていると確信しています。ただし、それを使ってすぐにビジネスができるかというと違うと思うので、コンテストやハッカソンなどを重ねながら、『ビジネスに発展するための後押し』で支援し、仙台発、日本発のサービスを作っていければと考えています」(吉澤氏)

ドローンは災害時の現場空撮や、通常業務でもインフラ点検などに活用していく

>>ドコモが考える地方へのICT定着のキモは「人と直接話す」

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