「イノベーションラボで働いてくれるプロダクトデザイナーを探してくれる?」とスマートフォンに語りかける。すると「適任の候補者を見つけました」と音声で回答、名前や履歴書を表示する。気に入れば、機械がその候補者と面接担当のスケジュールを参照して面接スケジュールを組む――そんな世界がそう遠くない将来、人事にもやってきそうだ。Workdayが10月1日から4日まで、米ラスベガスで開催した年次イベント「Workday Rising 2018」では、人事クラウドでもAIが活用されていく将来が垣間見られた。

顧客数は2,300社、管理する従業員数は3,100万人に

Workday RisingはWorkdayが毎年秋に開催するイベント。今年の基調講演では、共同創業者で最高経営責任者(CEO)のAneel Bhusri氏は家族の病気のために欠席となり、冒頭にはもう1人の共同創業者でチェアマンを務めるDave Duffield氏と最高執行責任者(COO)のJim Bozzini氏がステージに立った。

Workdayの共同創業者 Dave Duffield氏

Workdayは順調に成長中だ。2月に発表した会計年度2018年の売上高は前年同期比36%増、この1年で韓国、南アフリカ、タイなどにオフィスをオープンした。企業数は2,300社となり、Fortune 500の50%がWorkdayの顧客企業だという。同社が最も重視しているという年次の顧客調査での顧客満足度は、98%を記録したとBozzini氏は報告する。

業界アナリストからの評価も高い。「主力製品のクラウドHCMでリーダーであるほか、財務クラウドもリーダーと評価されている」とBozzini氏は胸を張る。

WorkdayのCOO、Jim Bozzini氏

強みは「Power of 1(パワー・オブ・ワン)」――これは、1つのデータソース、1つのセキュリティモデル、1つの体験、1つのコミュニティを意味する。「最初からこれを念頭に設計した」とは、ボッツィーニ氏の言だ。Workdayも顧客も、全員が同じバージョンを使うことで、もしバグが見つかったとしてもWorkdayが1カ所修正するのと同時に、顧客の環境もアップデートされるという。バージョンアップは半年に1度、ロールアウトして数時間で全員が最新版を使う。