トークノートは3月7日、同社が提供する社内SNS「Talknote」にスタンプ機能を追加したと発表した。スタンプ機能追加にあたって発表会を開催し、トークセッションまで用意した同社。果たして、そこに込めた想いとは。

Talknoteの変更点については他の記事をご覧いただくとして、本稿では、「今後のビジネスコミュニケーションの未来」をテーマに行われたトーク・セッションの模様をレポートする。

社内SNSにスタンプ機能が必要な理由

セッションは、トークノート 代表取締役の小池温男氏と、C Channelの代表取締役であり、トークノートの社外取締役でもある森川亮氏によって行われた。LINEの代表取締役社長を務めた経歴を持つ森川氏は、「LINEのスタンプ機能も、リリース当初は種類が少なかった」と語る。しかし、人から送られると自分も送りたくなるし、できれば人とは違うものを送りたいという欲求も出てくる。こうしたニーズがバイラルに広がっていき、今のような流行につながったのだと言える。

トークノート 代表取締役 小池温男氏

トークノート 代表取締役の小池温男氏

小池氏は、ビジネス仕様であるTalknoteへのスタンプ機能追加について「あっても良いが、そんなにプライオリティが高いとは思っていなかった」と語る。だが、森川氏は社外取締役に就任した直後から、繰り返しスタンプ機能の追加を勧めた。それには、他社があまり参入して来ないだろうという目論見もあったという。一般に、BtoBのソリューションは欧米のやり方を模倣する傾向にある。そして、欧米では「スタンプはプライベートで使うもの」というイメージがあるからだ。

一方で、日本の状況を見れば、若者はスタンプしか使わないというくらいスタンプの利用が浸透している。これを生かし、むしろスタンプだけで決裁のやり取りができるくらいになれば、ビジネスのスピードが格段に向上する可能性がある。それには、既存の概念にとらわれないことが必要だ。

森川氏と小池氏のやり取りにはLINEが使われることもあり、小池氏は「LINEで森川氏から送られてくるスタンプを見ているうちに、スタンプの良さに気づいた」のだという。

「例えば、上司から叱責されるような文面が送られてきた場合、部下は『上司を怒らせたのではないか』、『嫌われたのではないか』といった不安感を抱くかもしれない。しかし、そこに1つ、スタンプを添えることでそうした不安が払拭される」(小池氏)

文字には、そこで表されている以上の情報はない。だが、そこにイラストを追加することで情報を補足することができる。コミュニケーションのスピードを加速化するうえで、より多くの情報を1アクションで送ることができるのは、スタンプの強みだと言えるだろう。