Googleはこのほど、オンラインで同社がAndroidなどで提供するアクセシビリティ機能(Android Accessibility)に関する記者説明会を開催した。

説明会では主にAndroid Accessibilityの機能として、音声文字変換(Live Transcribe)、音検知通知(Sound Notification)、アクションブロック(Action Blocks)、ライブキャプション(Live Caption)の4つの機能が紹介された。

音声文字変換

昨年、音声文字変換は同社とギャローテッド大学が共同開発した技術をもとに開発された、Android 5.0以降の端末で動作するアプリ。日本語を含む70超の言語/方言に対応し、音声をリアルタイムに文字に変換。健聴者、聴覚障がい者、難聴者の間でAndroidスマートフォンを使い、簡単に会話を可能としている。

同社の音声認識テクノロジーにより、会話の流れに応じて字幕が修正され、会話の内容はデバイス内で保護するため、サーバに保存されることはない。Wi-Fiまたはネットワーク接続があればどこでも簡単に使用でき、無料でダウンロード可能で18億台以上のAndroidデバイスに対応している。

音検知通知

音検知通知は、昨年10月に提供を開始した難聴や聴覚障がい者向けに同社が開発したユーザー補助のためのサービス。同社の機械学習を使用し、スマートフォンのマイクから得た周囲の音をリアルタイムで文字にして通知し、端末上で処理を行うためオフラインでも利用できる。

危険な状況に発展する可能性がある出来事や生活に関連する音など、自宅で発生する音を中心とした10種類をモバイル端末やウェアラブルのライト点滅、バイブレーションで知らせる。ライブビューで現在起きていることを見ると同時に、履歴ビューでは過去の履歴をさかのぼり(現時点では12時間まで)、周囲で起こっていた出来事を確認することを可能としている。

Google Play ストアでアプリを取得し、端末によってはプリインストールされており、設定からONにすることができる

Google Play ストアでアプリを取得し、端末によってはプリインストールされており、設定からONにすることができる

ユーザーからのニーズが高い、煙・火災警報、サイレン、大声、赤ちゃんの声や音、ドアホンのベルやノック、グラスなどが割れる音、犬の鳴き声、家電の音、水の流れる音、固定電話着信音の10種類の音を通知する。

米Google Hearing Accessibility プロダクトマネージャーのサガール・サブラ(Sagar Savla)氏は「これまでサイレンや火災報知機については、かなり研究してきているため音検知通知は十分な音の大きさが確保できていれば、周りがうるさくても検知できるようになっています」と話す。

米Google Hearing Accessibility プロダクトマネージャーのサガール・サブラ氏

米Google Hearing Accessibility プロダクトマネージャーのサガール・サブラ氏