米カリフォルニア州サンフランシスコで6月10日(現地時間)、Appleの開発者会議「WorldWide Developers Conference 2013 (WWDC 2013)」がスタートする。日本時間で6月11日午前2時には同社CEOのTim Cook氏らによる基調講演が行われる予定で、ここではiOSやOS Xなど、主に開発者視点でのソフトウェア/サービス新製品の概要が紹介される見込みだ。本稿では現時点で出揃ったiOS製品に関する情報をまとめ、WWDC直前での参考ガイドとしてまとめてみた。
iOS新デバイス発表の可能性は低い、注目はiOS 7の新機能
すでに多くが予測しているが、WWDCのタイミングでiOSを搭載したハードウェアの新製品が登場する可能性はかなり低い。まずiPhoneについては量産に関する情報が現時点でほとんど流れてきていないこと、そして以前にも話題であったように第3四半期での新製品の登場が予想されているからだ。第3四半期といえば7~9月にあたるが、量産から製品出荷までのサイクルを考えれば2ヶ月程度のマージンが必要になる。だが現時点での話を総合すると最速でも8月後半から9月にかけての線が濃厚だ。一方で廉価版といわれる新しい製品コンセプトのiPhoneについては、年内または第4四半期ごろの登場が噂されており、次期主力モデルにあたる「iPhone 5S (仮称)」についても夏の時期よりは、現行のiPhone 5と同じ9~10月ごろの可能性が高いのではないかと考えられる。
iPod touchとiPadの新製品については、現時点でiPhoneよりも登場する可能性がさらに低い。まずiPod touchは16GBでカメラなしの新モデルが追加されたばかりであること、そしてiPadについては先日の円安を受けた価格改定で全製品ラインが影響を受けたこともあり、当面のモデルチェンジはないと考えられる。Appleは製品サイクルで更新時期が近い場合、モデルチェンジのタイミングで価格改定を行う傾向がある。流通在庫のコントロールが上手く、店頭の製品ラインを一気に切り替えることが可能なAppleだからこそ通用する技で、WWDC直前のタイミングでモデルチェンジなしの価格改定を行ったということは、当面は製品ラインの刷新は行われないと推測するのが妥当だろう。もっとも、第2世代iPad miniに関する噂は現在でもあり、こちらは第3四半期での登場が噂されている。
ハードウェアの新製品が期待できないのは残念だが、今回は新製品発表ではない開発者向けというイベントの性格から考えても、ソフトウェア製品ならびに新サービスがWWDC発表における最大の目玉だといえるだろう。Mac向けのOS Xもさることながら、注目はやはり「iOS 7」で、特にデザイナーのJonathan Ive氏が自ら陣頭指揮を執り、従来とは異なるルック&フィールを備えた新ユーザーインターフェイスがどのような形になるのかという点だ。現時点でいわれているのは、ホーム画面のアイコンのデザインが従来のリアル指向からよりフラットで抽象的なものとなるというものだ。真偽は不明だが、9 to 5 Macがリークとした新アイコンの画像をイベント直前に公開している。少なくともこれを見る限り、標準のホーム画面の印象はがらりと変化する感じだ。