ASUSTeKのノートPCラインアップの中で、ゲームをストレスなく楽しむため、そして最新ラインナップでは3Dコンテンツも快適に利用できるシリーズが、「Republic of Gamers(略称R.O.G.)」シリーズだ。ここでは、最新モデルの「G53Jw」を試用して、その高い性能や、実際に3Dコンテンツを利用した時の快適さや、使い勝手を確かめてみた。

「G53Jw」

[CPU] Intel Core i5-460M(2.53HGz) [チップセット] Mobile Intel HM55 Express [メモリ] 4GB [HDD] 640GB [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 460M [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット [希望小売価格] 149,800円

フレームシーケンシャル方式による高精細な3D表示

「G53Jw」の最大の特徴は、なんといっても3DゲームやBlu-ray 3D等のコンテンツに余裕あるスペックで対応できる点だ。本モデルにはNVIDIAのアクティブシャッター方式の3Dメガネ「3D VISION」が同梱され、簡単なステップですぐに使えるようになっている。昨年発売された前モデルである「G51Jx 3D」では、やはり「3D VISION」がセットになってはいたが、通信用エミッタをUSB接続する必要があった。しかし、「G53Jw」では本体側にエミッタを内蔵しているため、USBポートを使う必要がない。「ちょっと持ち歩く」や「隣の部屋で映画を観よう」という時でも、スマートに利用できる環境になったことはうれしい。

グラフィックス用にはNVIDIAの高性能GPU「Geforce GTX 460M」を装備し、1.5GBのGDDR5ビデオメモリを搭載する。DirectX 11対応によるゲームの快適動作はもちろん、「3D VISION」でのリアルな3D表示を可能にする。

現在、3D表示に対応するPCでは、解像度が半分に落ちてしまう偏光方式よりも、秒間120フレームで左右の映像を交互に表示する、フレームシーケンシャル方式が主流になってきている。本機のディスプレイもフレームシーケンシャル方式であり、3Dメガネの「3D VISION」はそれに対応するアクティブシャッター方式だ。

はっきりとした立体感が得やすく、実際に3DゲームやBlu-ray 3Dを視聴してみても疲労度は少なく感じた。ただし、使用中は視界が少し暗くなり、視野角もそれほど大きいとはいえないため、個人差も大きい部分ではある。

手持ちのBlu-ray 3Dソフトを視聴したところ、基本的に「G53Jw」の3D表示は、大きく飛び出す映像というよりは、しっかりと奥行きを感じさせるものと感じた。15.6インチの液晶ディスプレイの映り込みはやや多めなのだが、コンテンツ視聴時にはそれほど気になるレベルではない。また、このサイズではフルHDに対応する液晶ディスプレイも増えているが、本機の解像度は「1366×768」までとなる。とはいえ、実用上は十分に高精細な映像が得られる。

Blu-ray 3Dのコンテンツ再生には、プレインストールされた「Roxio CinePlayer BD with 3D」を利用したが、面白い機能として従来の2DのDVDソフトなども、3D変換して表示することができる。また、既存の数百タイトルのゲーム(DirectX 9以上)でも、3D変換して楽しめるという。DVDソフトで試してみると、古い2Dの映画などでも、3D表示されるのが楽しい。視聴した印象では、ホログラムの奥行きが少し深くなったような感じで、さすがに飛び出すほどの印象ではないが、十分に立体感のある表示だ。

また、HDMIケーブルで大画面3Dテレビと接続すれば、PC側のコンテンツを大人数で楽しむようなこともできる。3D写真のスライドショーなどは、家族でも楽しめるだろう。対応する3Dテレビ等のシステム要件については、NVIDIAのサイトの一覧により確認ができる

エミッタを本体側に内蔵するため、付属する「3D VISION」には3Dメガネと調整用の鼻あておよび簡易マニュアルのみが入っている

付属のCinePlayerにより、3Dコンテンツが手軽に楽しめる

全画面再生時に3D表示が可能となり、3D VISIONが自動的にシンクロする