数多くの感動に包まれたミラノ・コルティナ2026冬季五輪。

その公式スポンサーの一社であるサムスンは、大会期間中、ミラノ市内にポップアップスペース「Samsung House」をオープンしました。ここでは、五輪と最新テクノロジーがどのように結びつき、新しい体験を生み出しているのかを、来場者自身が歩きながら体感できるようになっています。筆者も実際に会場を訪れ、その空気を味わってきました。

  • 歴史的な建物のパラッツォ・セルベッローニ

    歴史的な建物のパラッツォ・セルベッローニ

Samsung Houseが設置されたのはミラノの中心部・ドゥオーモ至近に位置する歴史的建築「パラッツォ・セルベッローニ」です。ナポレオンも滞在したとされるこの建物を、サムスンはミラノ・コルティナ2026の期間中、選手やパートナー、メディアが集う特別なハウスとして再構築しました。

内部に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは中庭に設置されたガラス張りのパビリオン。来場者は水面へと自然に引き寄せられ、そのままこの建物へと歩みを進めます。内部ではテクノロジーと五輪の物語をさまざまな形で体験できるルートが用意されていました。

  • 中庭に建てられたパビリオン

    中庭に建てられたパビリオン

パビリオン内部はミラノ近郊の山小屋を模した内装で、冬季大会が行われている会場のそばにいるような雰囲気を味わえます。ここで用意されているのはサムスンの最新ウェアラブルグラス「Galaxy XR」を使った三つの拡張現実体験です。競技会場の360度映像や表彰台からの視点、インタラクティブな情報表示などを通じて、まるで自分自身が出場者の一員としてその瞬間の中に入り込んだかのような没入感を得ることができます。

  • パビリオン内部は山小屋風のインテリア

    パビリオン内部は山小屋風のインテリア

五輪競技はテレビやネット配信で楽しめますが、そこに映る映像はあくまで観客としての視点のものです。一方、Samsung HouseのXR体験では、実際に競技に参加している選手の視線に立って楽しめるコンテンツが用意されており、自分が選手として滑走したり、メダルセレモニーで表彰台に立つ瞬間まで疑似体験できます。こうした高い臨場感を伴う体験は、現実空間に映像を重ねるXRコンテンツならではの表現だと言えるでしょう。

  • 選手になった気分を体験できる

    選手になった気分を体験できる

Samsung Houseの展示はパビリオンだけではなく、パラッツォ・セルベッローニの建物内部でも行われました。歴史ある建物内部の階段をのぼりながら、サムスンの28年にも及ぶ五輪スポンサーの歴史がロゴやメモリアルな写真パネルで紹介されます。

  • サムスンのスポンサー歴は28年にもなる

    サムスンのスポンサー歴は28年にもなる

最初に案内された部屋には、過去数大会分の聖火トーチが開催都市の紹介とともに展示されていました。聖火トーチは五輪の歴史と伝統をひと目で伝えるシンボルであり、大会ごとにデザインも異なります。その時代の文化や価値観を映し出すアイコンを並べて見せることで、ミラノ・コルティナ2026が、長く続く物語の一章として位置づけられていることが自然と伝わってきます。

  • 過去数回の大会の聖火トーチを展示

    過去数回の大会の聖火トーチを展示

続いての展示エリアには歴代の五輪で登場した、サムスン端末のスペシャルモデルがすべて並べられていました。サムスンがパートナーとなったのは1998年の冬季長野大会からですが、毎回の大会ごとに専用モデルを出し続けています。それぞれのモデルは実機が展示されていて実際に手に取ることもできますが、暗い空間の中でライトアップされて並ぶ様子は、美術品のように遠くからシルエットやデザインそのものを眺めたくなる佇まいです。

  • 過去の五輪モデルの展示

    過去の五輪モデルの展示

初期の携帯電話からスマートフォンへの移行、そして5G時代以降のGalaxyへと続くラインアップは、そのまま携帯電話・スマートフォンの進化の軌跡と重なって見えます。歴代の五輪モデルは、毎回の大会ごとにモバイル技術がどのようにアップデートされてきたのかを物語る、歴史の証人でもあるのです。

  • 長野大会での最初のサムスン携帯電話

    長野大会での最初のサムスン携帯電話

2025年ミラノ大会の専用モデルももちろん展示されています。ベースはGalaxy Z Flip7で、外装のみならず内部のアイコンや壁紙などテーマも専用のものになっています。過去の五輪モデルは販売されたものもありますが、今年のモデルは大会出場選手や関係者のみに配布される非売品です。

  • こちらは2025年ミラノ大会モデル

    こちらは2025年ミラノ大会モデル

この部屋を出て次の大広間へ向かう途中にあるのが「Victory Profile」と名づけられたポートレートギャラリーです。ここでは大会に出場するアスリートたちの姿が大型スクリーンに投影されていました。サムスンは「オリンピック・ブロードキャスティング・サービス(OBS)」の協力を得て、2025年のフラッグシップモデル「Galaxy S25 Ultra」を開会式の放送用カメラとしても活用するなど、プロユースの撮影現場にもスマートフォンカメラを持ち込んでいます。Galaxy S25 Ultraで撮影された高精細なポートレートを通じて、アスリート一人ひとりの表情やまなざしの奥にあるストーリーを間近に感じることができる空間でした。

  • アスリートとの距離が縮まるVictory Profile

    アスリートとの距離が縮まるVictory Profile

そして最後の大広間、ラウンジルームは、Samsung Houseの来訪者だけでなく、時には選手や関係者も立ち寄り、食事やドリンクを楽しみながら会話を交わすホスピタリティあふれる空間となっています。ミシュラン星付きシェフが監修した、地元ミラノの食材を生かした料理を味わいながら、オリンピックの話題からテクノロジーの未来まで、自然と会話が生まれる空間として設計されています。

  • ラウンジルームでは来訪者同士のコミュニケーションの場

    ラウンジルームでは来訪者同士のコミュニケーションの場

特筆すべきは提供される軽食やデザートのクオリティです。シンプルな見た目の中に複雑な味わいが隠されており、味のほうも一流品でした。筆者もデザートをいくつかいただきました。

  • 軽食エリアでデザートを体験

    軽食エリアでデザートを体験

金メダルをイメージした華やかな一品や、雪山を思わせる繊細で美しいデザートなど、趣向を凝らしたメニューは目と舌の両方を楽しませてくれます。食の面でも大会の余韻を楽しむことができるのが、Samsung Houseを訪れる楽しみの一つでもあるのです。

  • 金メダルをイメージしたもの

    金メダルをイメージしたもの

  • こちらは雪山。食べるのがもったいないと思えてしまう

    こちらは雪山。食べるのがもったいないと思えてしまう

このほかプロのカメラマンがGalaxy S25 Ultraでポートレートを撮影してくれるフォトブースなど、自分も主役になれる体験型コンテンツが充実していました。単に製品を展示するだけでなく、歴史、情熱、そして未来のテクノロジーを一つの空間で結びつけたSamsung House。サムスンがこれまで続けてきたこうしたポップアップの試みは、今後の大会でもさらに進化していくに違いありません。次の大会ではどのような驚きが待っているのか、今から期待が高まります。