スマートフォンに次ぎ今度はタブレットも日本で発売予定のシャオミから、ついにメガネの形をしたスマートグラス「Xiaomi Smart Glasses」がグローバル向けに発表されました。シャオミが出すということは安価で販売されることが期待されます。また停滞するスマートグラス市場をにぎわす存在にもなるでしょう。

  • シャオミの「Xiaomi Smart Glasses」

サングラスやメガネを顔にかけるだけで様々な情報にアクセスできるアイウェアは、今から8年前の2013年にGoogleから「Google Glass」が鳴り物入りで登場しました。しかし価格が1,500ドル(約16万円)と高かったこと、メガネに装着するとその見た目がSF映画に出てくるかのようなサイバーすぎるデザインで目立ってしまうことなどから普及には至りませんでした。現在は企業向けに展開されており、最新モデルの「Glass Enterprise Edition 2」は2021年8月から日本でもドコモから法人向けに販売が始まっています。

  • 企業向けに販売されるGoogleの「Glass Enterprise Edition 2」

Google Glassは640x360ピクセルの表示が可能で、メールやSNSを閲覧できるなどスマートフォンのような使い方も可能でした。動画の再生も可能などスペックは高かったものの、そのために高価になり、また現実的には目の前の小さい画面でスマートフォンに近い体験を得るのは難しかったでしょう。そのため一般消費者にはウケず、企業向けのB2B製品になってしまったわけです。

しかしシャオミのXiaomi Smart Glassesはアイウェアを「様々な情報にアクセスできる」汎用ツールから、「その時に必要な情報を常に表示する」スマートフォンコンパニオンに変身させました。できることは実はスマートウォッチとかなり似ているのです。

  • Xiaomi Smart Glassesの4つの基本機能

Xiaomi Smart Glassesには4つの基本機能が備わっています。「通話」「メッセージ」「ナビゲーション」「写真撮影」です。またカメラを搭載しシャオミが開発したAIシステム「XiaoAi」を使うことで翻訳もできるとのこと。メガネ内部に投影される表示はモノクロ。2.4x2.02mmという小型のマイクロLEDを採用します。

  • モノクロ表示のマイクロLEDを内蔵する。サイズは小さい

デザインは普通のメガネと変わりませんから違和感なく装着できます。将来的には様々なバリエーションのデザインモデルが登場すると思われます。今やスマートウォッチが腕時計として売られているように、あと数年もするとスマートグラスのようなアイウェアはメガネ店で売っていることが当たり前になるかもしれません。

  • 見た目はメガネそのものだ

モノクロ表示ですが、視界を遮らずに必要な情報だけを表示するのであれば十分でしょう。派手さはありませんが実用性を考えるとかなり使い勝手の高いデバイスとして活躍しそうです。

  • デモムービーを見ると緑色単色のモノクロ表示であることがわかる

では実際にどのような表示ができるのでしょうか。Xiaomi Smart Glassesをかけて自宅でくつろいでいると、メガネの内部に「30分後でレストランで待っているよ」とのメッセージが表示されました。スマートウォッチは音や振動でメッセージを通知してくれますが、腕にはめている時計を見なくてはなりません。しかしスマートグラスであれば、目の前の視界の中にメッセージが表示されるため見逃すことが無いわけです。

  • 視界を遮らずにメッセージが表示される

さて急いで外出、するとスマートフォンに電話がかかってきました。相手がレストランに先に着いたのかもしれませんね。Xiaomi Smart Glassesをつけていれば目の前に着信が表示され、メガネのツルの部分のボタンで電話に出ることができます。マイクも内蔵しているためそのままハンズフリーで通話が可能です。

  • スマートフォンの通話も受信できる

ナビゲーション機能をONにしておけば、途中で間違った方向に向かおうとした際に正しい方向を表示してくれます。スマートフォンの画面をいちいち見なくとも、目の前に方向が表示されるのは便利でしょう。これで無事、目的地のレストランに着くことができます。

  • ナビゲーションも目の前の道路の上に方向が表示される

さてレストランに到着したら、今度は内蔵されている500万画素のカメラが威力を発揮します。

  • 本体には500万画素カメラも内蔵

メニューをもらうと、フランス語かな。読めません。そこでXiaomi Smart Glassesでメニューを写すと、リアルタイムに翻訳を行ってくれます。なおマイクを通じて音声翻訳も可能とのことで、レストランのスタッフが外国語で話しかけても翻訳し、テキストをメガネ内部に表示できるそうです。

  • カメラを使ってメニューを翻訳

そしてもちろん食べ物を撮影することもできます。スマートフォンをポケットから出すことなく、運ばれてきた皿を見るだけで写真が撮れるわけです。

  • 食べ物の写真もスマートに撮影できる

なおカメラを利用中は赤いライトが点滅して周囲に通知してくれます。GoogleのGoogle Glassもカメラを搭載していましたが撮影している時の状態が周りからはわかりにくく、プライバシーの問題からレストランなどで着用禁止という通達を行ったところもあったほど。シャオミはそのあたりしっかりと対策をしています。

  • 盗撮と思われぬよう、カメラ利用中は赤いライトが付く

Xiaomi Smart Glassesの使用シーン、意外と便利だと思いませんか? 残念ながら発売時期や価格はまだ未定ですが、シャオミのことですから999ドルあたりの思い切った価格設定で出してくれそう。日本にもシャオミは展開しているだけに、日本発売もあるかもしれません。

  • Xiaomi Smart Glassesがあれば日々の生活が楽しくなりそうだ