スマートフォンに接続できる小型のプロジェクターは様々な製品が販売されています。プロジェクターというと壁や天井に大きい画面を投影して映画を映すというイメージがあります。ところが机や作業台の上におくだけで、壁に外部モニターを接続したようなちょっとした大きい画面を利用するという使い方もできるのです。
小型プロジェクターの中でもAnkerの「Nebula Capsule ll」は350mlのビール缶サイズでバッテリーも内蔵、手軽に好きな場所に持ち運べる製品です。派生モデルとして出てきた『スター・ウォーズ』の「R2-D2」のデザインを模した「Anker Nebula Capsule ll R2-D2 Edition」はスター・ウォーズファンはもちろん、インテリアにも拘る人向けの製品と言えます。ちなみに筆者は普段香港在住ですが、香港のスター・ウォーズマニアの友人から「日本に行ったら買ってきてほしい」と頼まれたほどです。
本体は動画3時間再生可能なバッテリーを内蔵。プロジェクターの解像度は1280×720ピクセルで明るさは200ルーメン。本体上部に音量調整ボタンなどを備え、背面にはHDMI/USB Type-A/Type-C/3.5mmヘッドフォンジャックを備えます。またこのモデルは電源ON/OFFの時に、R2-D2の起動音が鳴るのがいい感じです。
製品はAndroid TV 9.0を搭載。セットアップは簡単で、電源を投入後に日本語を選択、あとはスマートフォンから設定を続けるとWi-Fiへの接続やスマートフォンと同じGoogleアカウントでのログインまでを順を追って進められます。面倒なWi-Fiのパスワード入力もスマートフォン側のセットアップ手順を踏めば必要ありません。
また付属のリモコンで画面内の移動やアイコン(アプリ)の選択、音声入力も可能。YouTubeを見るときに検索キーワードをソフトウェアキーボードを使わず音声で入力できるわけです。さらにスマートフォンに「Nebula Connect」アプリを入れれば、リモコンと同じ操作に加え文字入力をスマートフォンの画面から行えます。音声では認識しにくい言葉を入力するときはこちらを使ったほうがよさそうです。
実際に奥行きのある机の上に置いてみましたが、壁までの投影距離を50cm程度として、壁には30インチくらいで画面が投影されます。これは一般的な外付けディスプレイに近い大きさです。リビングルームにプロジェクターを設置して大画面で映画を見る使い方もいいのですが、机上や机のそばに設置して、壁面をTV代わりに利用するという使い方も十分ありだと思います。
Android TV 9.0ではYouTubeやNetflixがアプリとして提供されているため、映像コンテンツの視聴に困ることはありません。なによりもスマートフォンの画面よりも遥かに大きい画面で投影できるため、動画も見やすくなります。
またHDMI入力端子があるので、ノートPCをつないでセカンドモニタとしても使えます。普段はあまり使わない外付けモニタを机の上に置いておかなくてもいいので、スペースの節約にもなります。
他にはスマートフォンの画面を出力する機能も備えています。しかしせっかくならもう一歩進んだ使い方もしてみたいもの。最近のサムスンやファーウェイの上位モデルは、HDMI接続でモニタにつなぐと専用のデスクトップモードを使うことができます。
スマートフォンのデスクトップモードはLGの最新モデルも対応するなど、今後増えていく傾向にあると言えます。自宅やオフィスではぜひ外部モニタに接続して活用したいものですが、小型プロジェクターなら机の上で場所を取らないというメリットがあります。
小型のプロジェクターは映画や動画を楽しむもの、と考えていましたが、Anker Nebula Capsule ll R2-D2 Editionを使ってデスクトップモードが使えるスマートフォンを接続すると、大きい画面を効率よく使えることに気が付きました。もちろんプロジェクターなので細かい文字の判別はやや厳しいですが、写真や動画、ちょっとしたWEBページの確認などには充分使えそうです。旅行先にモニタを持っていくのは無理でも、小型プロジェクターならカバンにも楽に入れられるでしょう。今後は旅行先でも仕事やエンタメ用途で使ってみたいものです。