こんにちは。阿久津です。皆さんご存じのとおり、Windows Vista Home PremiumおよびUltimateには、Windows Media Centerが搭載されています。Microsoft Windows XP Media Center Editionをベースに実装された同機能は、ビデオや音楽などを、Windows Vista導入PCで家電ライクに再生するアプリケーションですが、ほとんど使用していないという方も多いのではないでしょうか。

筆者も数回起動してみましたが、あまり興味を引くコンテンツがありません。10フィートUI(約3m離れても操作できるユーザーインターフェース)に魅力を感じつつも、セットアップし、数個のコンテンツを再生したところで、使わなくなってしまいました。筆者の場合、動画ファイルはMedia Player Classic Homecinema、音楽CDから取り込んだ音楽ファイルはfoobar2000で事足りています。

Windows Media Center本来の魅力であるテレビ再生機能は、日本の地デジを次世代Windows Media Centerである「Fiji(開発コード名)」でサポートすると、2008 International CESで発表しながらも、今年6月には地デジ対応拡張パック各PCメーカーに提供と発表。

9月末に開催されたCEATEC JAPAN 2008では、スカイパーフェクトTVの4チャンネルを有料配信する「スカパー! Netてれび」の提供を発表し、同日からサービスを開始しましたが、日本人の生活に慣れ親しんだテレビ配信の手軽さに比べると、一歩出遅れている印象を覚えます。

そこで、今回のチューニングは、そんなWindows Media Centerが不要と感じている方のために、同アプリケーションの起動を抑制してみましょう。

  1. <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
  2. レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoft \ WindowsMediaCenterまでキーをたどって開く(キーがない場合は作成する)。
  3. 右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「MediaCenter」に変更する。
  4. 「MediaCenter」をダブルクリックし、値のデータを「1」に書き換えてから<OK>ボタンをクリック。
  5. レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。

今回はログオンユーザーを対象にしましたが、システム全体で起動を抑制する場合は、ステップ2で開くキーを、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoft \ WindowsMediaCenterに変更してください。本チューニングを行なった後に、Windows Media Centerを起動すると、抑制されている旨を示す警告メッセージが表示されます(図1)。

図1: レジストリ変更後にWindows Media Centerを起動すると、画面のような警告メッセージが表示され、起動できなくなります

また、Windows Media Center関連のサービスがいくつか用意されているので、Windows Media Center本体の起動を抑制した後は、各サービスも無効にしておきましょう(図2)。

図2: 管理ツールなどからサービスを起動して、上記の表にあるWindows Media Center関連サービスのプロパティダイアログを開き、「スタートアップの種類」をすべて「無効」にしてください

■無効にするサービス
サービス表示名 初期状態の「スタートアップの種類」
Windows Media Center Receiver Service 手動
Windows Media Center Scheduler Service 手動
Windows Media Center Service Launcher 自動(遅延起動)

個人的にWindows Media Centerは、相当なポテンシャルを秘めているアプリケーションだと捉えていますが、現時点ではコンテンツにも魅力を感じないため、カスタマイズする気も起きず、あまり解析したことがないのが正直なところです。同アプリケーションのチューニングが本連載で取り上げられるようになったら、「阿久津もネタが尽きてきたんだな」とお思いください;-D。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)