「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

以前の記事で「Xbox Game Bar」のキャプチャ機能を用いて録画するTipsを紹介したが、利用には「ステレオミキサー」が欠かせない。だが、最近のPCはステレオミキサーを有効にできないケースが少なくないという。

  • Surface Proシリーズの録音デバイス状況。ステレオミキサーを有効にできない

コロナ禍で発表会はほぼオンライン。ネットワークインフラとメインPCが頼みの綱となった現状で、メイン=デスクトップPCが"突然死"してしまったら、復旧までに大きな時間ロスが発生してしまう。そこでサブPCでもオンライン発表会やオンラインセミナーなどを録画できる環境を構築することにした。

今回1つだけ外部アプリをインストールしなければならない。それが「VB-CABLE」である。Windows 10上に仮想オーディオケーブルを作成し、仮想オーディオ出力→仮想オーディオ入力という設定を施すことで、ステレオミキサーの機能を代替するワケだ(PCのスピーカーにつないでいるケーブルをPCのライン入力につなぐ、ということを仮想的に行う)。

  • VB-CABLEのWebサイトにアクセスし、Windows用の「Download」アイコンをクリック/タップする

  • ダウンロードしたファイルを展開し、「VBCABLE_Setup_x64.exe」(32ビット版Windows 10の場合は「VBCABLE_Setup.exe」)を右クリック/長押しし、「管理者として実行」をクリック/タップする

  • セットアッププログラムが起動したら、「Install Driver」をクリック/タップ。ドライバーインストールの確認をうながすメッセージが現れたら「インストール」ボタンをクリック/タップする

  • これでインストール完了だ。「OK」ボタンをクリック/タップしてセットアッププログラムを終了させる

  • VB-CABLEを使用するにはPCの再起動が必要になるため、「Win」→「電源」→「再起動」と順にクリック/タップする

次は設定。当然ながらオーディオ入出力デバイスを変更しなければならない。また、以前の記事で書き損じたのが、「ゲームオーディオのみの録音」のチェックを外すこと。筆者は試行錯誤の結果、外れていたので記述から漏れていたようだ。申し訳ない。

  • 「設定」の「システム/サウンド」でオーディオ出力デバイスを「CABLE Input」、オーディオ入力デバイスを「CABLE Output」に変更する

  • 続いて「ゲーム/キャプチャ」を開き、各種設定を終えたら「ゲームオーディオのみの録音」のチェックを外す

これでXbox Game Barによる録画が可能になるはずだ。YouTubeなど適当な動画再生サイトで録画を試してみるといいだろう。録画は不要で音声だけ録音したいという場合は「Audacity」も有用だ。なお、VB-CABLEはDonationware(寄付ソフトウェア)で、プロユースや教育用、商用、企業利用には寄付を求めている。筆者が寄付(購入)した際は4.17ドルだった。

  • Surface Proで録画した内容を別PCで再生中。映像および音声が正しく再生されるか確認しておこう。なお、検証時は問題を切り分けるため、別PCを併用することをおすすめする

本Tipsは2つのデメリットに注意したい。1つめはオーディオの切り替えだ。デスクトップPCがビジーだからサブPCでYouTubeでも……音が出ない!? というケアレスミスが発生しやすくなる。もう1つは仮想オーディオ出力デバイス使用時は音声を聞き取れないので、コミュニケーションを前提としたオンライン会議には不向きである。ウェビナーを録画・録音する場面で使ってほしい。

また、下図に示したメッセージにあるとおり、Xbox Game Barのキャプチャ機能はエクスプローラー(含むデスクトップ)を対象外としている。昨日参加したオンライン発表会ではこのルールに引っかかり、録画に失敗してしまった。無理に専用アプリケーションをインストールするのではなく、Webブラウザーベースで参加した方が確実であるという知見を共有したい。

  • 一部のアプリはXbox Game Barの録画機能が動作しないことがある