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コールドデータは「LZX」で圧縮
筆者は書き終えた原稿をOneDrive for Business内の別フォルダーに移動している。まれに、外出先から参照することがあるからだ。デスクトップPCはファイルオンデマンド機能を無効にしているが、HDDの容量を節約するため、圧縮設定を施している。
Windows 10で圧縮設定を有効にするには、プロパティダイアログの「内容を圧縮してディスク領域を節約する」にチェックを入れるわけだが、この状態では必ずしも最適な圧縮状態にはならない。
上図で示したのは、コマンドラインから圧縮・伸張する「compact」コマンドのヘルプメッセージだ。compactコマンドは以前の記事でも触れたが、今回注目してほしいのは、オプション「EXE」の存在だ。
圧縮形式として「XPRESS4K」「XPRESS8K」「XPRESS16K」「LZX」の4種類があることに気付くだろう。前者の3つはLZ77スタイルの辞書を用いたXpress圧縮で、後者(LZX)はZIPやgzipなど広く使われるDEFLATE形式を用いた圧縮である。
今回、フォルダー数590(ファイル数3,037)のフォルダーに対して、XPRESS4KとLZXで違いが出るか試してみた。コマンドラインからの操作は、前者が「compact /c /s /q /f /exe XPRESS4K .」、後者が「compact /c /s /q /f /exe LZX .」となる。
無圧縮状態で3.72GB(3,999,383,465バイト)だった同フォルダーは、XPRESS4Kで3.68GB(3,952,992,256バイト)に、LZXで3.67GB(3,950,467,860バイト)になった。
テストに用いたフォルダーの主な中身は、テキストファイルとJPEGファイルだが、それでもXPRESS4KとLZXで0.1GBの差が出るのは意外だ。
次に、様々なファイルを格納して使用容量が15.9GB(17,123,988,384バイト)のドキュメントフォルダーにも試してみたところ、XPRESS4Kだと11.4GB(12,247,195,648バイト)に、LZXだと11.3GB(12,209,851,060バイト)になった。同じく0.1GBほど差ではあるが、使用頻度の低いコールドデータはLZX形式での圧縮を推奨したい。
阿久津良和(Cactus)