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Windows 10用PowerToysの新機能を使う

Microsoft製のWindows機能拡張ツール「Windows 10版PowerToys」は、現在オープンソースとして開発が進んでいる。米国時間2019年10月29日に公開したバージョン0.12.0(後日バージョン0.13.0をリリースしたので、本稿では0.13.0をベースに話を進める)では、興味深い機能が加わった。それが「PowerRename」である。

コマンドラインであれば、「*」「?」といったワイルドカードを使うことで、ある程度の柔軟性を持ったファイル/フォルダー名が可能だったが、GUI上では利用できない。そこで以前から開発を進めていたSmartRenameをPowerRenameとしてPowerToysに実装したのだ。同機能を使用するにはPowerToysのインストールが必要なので、下記手順でお使いのWindows 10環境にインストールしてほしい。

  • ダウンロードページにアクセスし、「PowerToysSetup.msi」をクリック/タップ。ダウンロードを終えたら「ファイルを開く」をクリック/タップする

  • セットアップウィザードが起動したら、画面の指示に従って進める。なお、インストールには管理者権限が必要だ

  • PowerToysを起動したら、通知領域のアイコンをダブルクリック/タップ。「PowerRename」のスイッチをクリック/タップしてオンに切り替えてから、「Save」ボタンをクリック/タップする

PowerRenameは検索・置換・ ECMAScript文法の正規表現を用いたファイル/フォルダーリネームツールだ。「Search for」に検索文字列、「Replace with」に置換文字列を入力し、各オプションは左上から順に「正規表現を使用」「大文字と小文字を区別する」「検索文字列の内容をすべて置換する」「ファイルを除外」「フォルダーを除外」「サブフォルダー項目を除外」「数値接尾辞を付ける」「拡張子を除く」「拡張子のみ」を操作する。「Preview」に結果が示されるので、こちらで動作を確認しながらオプション項目のオン/オフを切り替えれば分かりやすいだろう。

  • リネーム対象となるファイルやフォルダーを選択し、コンテキストメニューの「PowerRename」をクリック/タップする

  • ダイアログが現れたら検索・置換文字列を入力して、「Rename」ボタンをクリックすればリネームを実行できる。置換文字列が空白の場合、検索にマッチする部分を取り除くことが可能だ。オプションは左上から順に「正規表現を使用」「大文字と小文字を区別する」「検索文字列の内容をすべて置換する」「ファイルを除外」「フォルダーを除外」「サブフォルダー項目を除外」「数値接尾辞を付ける」「拡張子を除く」「拡張子のみ」

PowerRenameは、正規表現を駆使すると多くの場面で役立つだろう。本稿では詳しく述べないが、たとえば年月日が入ったファイル名にハイフン(-)を加えたい場合、「[A-Z]+_(\d{4})(\d{2})(\d{2})」を検索文字列、「$1-$2-$3」を置換文字列と指定すればよい。

本正規表現は「A-Z」の文字列を1回以上繰り返し、後にアンダーバーが続く。そして任意の数字を示す「\d」が4回、2回、2回並ぶ文字列をパーレンでグループ化している。これを参照用変数である「$」で置換すると、2019-10-31_●●●.jpgのように、年月日の間にハイフンを追加できる。

  • 「Use Regular Expressions」をクリック/タップして正規表現を有効にし、検索文字列として「[A-Z]+_(\d{4})(\d{2})(\d{2})」、置換文字列として「$1-$2-$3」と入力すれば、年月日の間にハイフンを追加できる

なお、PowerRenameはエクスプローラーのファイル操作APIを使用しているため、コンテキストメニューの「元に戻す - 名前の変更」を使用すれば、元のファイル/フォルダー名に戻すこともできる。

阿久津良和(Cactus)