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CPUクロック周波数などを調整する

使っているPCによって異なるものの、筆者の手元にある2in1 PCでは、バッテリーの設定について「最も高いパフォーマンス」「高パフォーマンス」「より良いバッテリー」「バッテリー節約機能」の4段階を、スライダーで切り替えられる。

  • 通知領域の「電源」ボタンをクリック/タップすると現れるフライアウトのスライダーで電源プランを選択する

バッテリー節約モードについては、第241回で説明したとおりだが、Microsoftの公式ドキュメントによれば、「高パフォーマンス」はバッテリー消費量よりもパフォーマンスを優先し、「より良いバッテリー」は逆にバッテリー消費量の軽減を優先する。

  • バッテリー節約機能を有効にするしきい値にバッテリー残量が低下すると、同機能が有効になる(手動選択も可能)。図はOneDriveの同期停止を示す通知

「バッテリー節約機能」は、CPUのクロック周波数を調整することで、バッテリー消費量を制御しており、「最も高いパフォーマンス」選択時もプロセスの稼働状況に応じて、わずかながらクロック周波数が低下する仕組みだ。

  • 「最も高いパフォーマンス」を選択した状態。CPUのクロック周波数も規定値となる

  • バッテリー節約機能有効時のクロック周波数は、約半分まで低下する

ただし、バッテリー消費量を軽減する電源プラン選択時も、プロセスから計算やI/O処理が加わると、クロック周波数は規定値まで上昇する。自動車のエンジンペダルを踏み込むと、少しずつ速度が加速するイメージを持つと分かりやすい。

筆者がおすすめする使用スタイルは、第58回で紹介した方法で、バッテリー容量が100%でもバッテリー制約機能が稼働するように設定し、高い応答性が必要な場面で「最も高いパフォーマンス」に切り替えるというもの。これなら、バッテリー消費の軽減と必要に応じてPCの性能を引き出せる。

阿久津良和(Cactus)