配線いらず、再生機器と多少離して置いても使用できるBluetoothスピーカーは便利なアイテムだ。しかし、1台のスピーカーで1台のBluetooth機器としかオーディオデバイスとして接続できないという点については少々不便に感じることがある。
例えば、スマートフォンからBluetoothでスピーカーに接続して音楽を聞いている状態で、PCからBluetoothでスピーカーに接続しようと思ったら、普通は、スマートフォンのBluetooth接続を切断して、次にPC側からスピーカーにBluetoothで接続するという手順になるはずだ。
もちろん、1台のスピーカーに複数のデバイスを接続できる場合もある。それがマルチポイント接続だ。マルチポイント接続に対応しているBluetoothスピーカーを使用した場合、機能ごとに別の機器を接続することが可能だ。
例えば、スマートフォンからスピーカーへは電話の音声を再生する場合のみ接続し、PCからはオーディオを再生する場合のみ接続するというように、1台のBluetoothスピーカーを機能ごとに使えるのだ。この場合、音楽を流している最中にスマートフォン側で着信があった場合、音楽が停止して着信音声が流れることになる。
これはあくまでも機能が別の場合のマルチポイント接続だ。クリエイティブメディアが2013年6月に発売した「Creative Airwave HD」(以下Airwave HD)は、これとは少々異なったマルチポイント接続機能を装備している。
Airwave HDの持つマルチポイント機能は、2台までのBluetooth機器から、同時にオーディオデバイスとして接続できるというものだ。1台目のBluetooth機器を接続した場合には、通常のBluetoothスピーカーと同様に、電子音が流れるのだが、2台目のBluetooth機器が接続されると、「2ndデバイスが接続されました」という内容の英語のメッセージが流れる。
この状態で、両方のBluetoothの接続状況を見てみると、両方とも写真1のように「メディアの音声に使用」で(オーディオ再生用として)スピーカーに接続されていることが分かる。
もちろん、この場合でも2台のBluetooth機器からの音楽がミックスされて再生されるというわけではない。音楽を再生できるのは1台だけだ。片方の機器で音楽を再生していて、別の機器からの再生に切り替えたい場合、最初の機器で再生をストップ、次の機器で再生をスタートという手順になる。
これだけでも便利なのだが、スマートフォンの種類によっては、上述した機能別の接続に対応していない場合がある。つまり、上の例では、電話の音声でのみBluetoothスピーカーと接続していたが、スマートフォンによっては、音声系をひとまとめにしてしか接続できない場合がある。Creative Airwave HDの持つマルチポイント機能を使用すれば、そういったスマートフォンと、他のBluetooth機器を組み合わせた場合でも、2つの機器を1台のスピーカーに同時接続できることになる。
筆者はiPhoneユーザーではないので、この件に関しての検証を行うことはできないのだが、クリエイティブメディアによると、このマルチポイント接続によって、iPhoneとタブレット端末を同時接続することも可能になるとのことだ。