暮らしの中でふと出てくるいろいろなお悩み、家電を利用して解決できることは多いもの。IT・家電ジャーナリストで家電製品総合アドバイザーの安蔵靖志さんに、おすすめ家電や使い方を紹介してもらいます。

今回のご相談

家族でホットプレートを使って焼き肉をしたり、お好み焼きを焼いたりすることが多いため、自宅の床がベトベトになってしまいます。床を水拭きしたいのですが、おすすめの掃除家電はありますか? なるべく手入れが簡単なものがいいです。(40代・男性)

Roborock(ロボロック)のコードレス水拭き掃除機「Dyad Pro」(直販価格:57,090円)をおすすめします

コロナ禍のステイホーム生活が始まって人気が急上昇した家電は、空気清浄機や高級炊飯器、ホットプレートでした。特に緊急事態宣言のころは3食すべてを自宅で食べることになったため、ホットプレートが役立ったという家庭は多いのではないでしょうか。

家族でホットプレートを囲む食事は楽しいものですが、肉や魚を焼くと思った以上に油がハネて床が汚れます(テーブルの汚れは食事後に拭き取る習慣があると思います)。フロアワイパーやモップを使って水拭きするのもいいですが、使用済みワイパーを捨てて交換したり、モップを洗って乾かす手間がかかったりすることを考えると、コードレスタイプの水拭き掃除機を使うのもおすすめです。

  • Roborock(Beijing Roborock Technloogy Co., Ltd.)のスティック型コードレス水拭き掃除機「Dyad Pro」。本体サイズは幅26×奥行き30.3×高さ110.9cm、重さは4.8kg。充電ドックのサイズは幅32.4×奥行き36×高さ20.9cm、重さは1.3kg

近年はさまざまなメーカーから販売されているコードレス水拭き掃除機の中からおすすめしたいのは、Roborockの「Dyad Pro」(直販価格;57,090円)です。ポイントは以下の3点です。

  • 吸引掃除と水拭き掃除を同時に行える
  • 専用洗剤を使うことで、よりきれいに水拭きできる
  • ローラーブラシを自動洗浄・乾燥してくれてメンテナンスの手間が少ない

【ポイント1】吸引掃除と水拭き掃除を同時に行える

スティックタイプの水拭き掃除機には、事前に濡らしたブラシを回転させる、もしくはローラーに給水しながら水拭きだけを行うものもあります。Dyad Proは吸引機能も搭載しており、床上にある食べこぼしなどの汚れを吸引しながら同時に水拭きもしてくれる点が魅力です。水拭き後の水を回収してためる汚水タンクは770mL、モップを濡らすキレイな水を入れておく清水タンクは900mLと大容量なので、広い範囲を掃除できます。

  • Dyad Proの使用イメージ

自走式ブラシを採用しており、ヘッドの前後に3つ配置したローラーブラシが逆方向に回転することで床との摩擦を減らし、軽く押すだけでスイスイと前に進みます。ヘッドには床の汚れ具合を検知するスマートダストセンサーを内蔵しており、床の汚れ具合に応じて吸引力と給水量を自動調整する機能も備えています。

吸引力は約17,000Paをうたっています。数字で言われてもピンと来ませんが、ロボロックの最新ロボット掃除機「Roborock S8 Pro Ultra」の吸引力は最大6,000Paなので、約3倍とパワフルです。

【ポイント2】専用洗剤を使うことで、よりきれいに水拭きできる

Dyad Proはユニリーバ製のDyad Pro専用洗剤(直販価格:1,858円)に対応しており、本体の洗剤用タンクに入れておくと自動的に洗剤を追加しながら水拭き掃除をしてくれます。スマートダストセンサーで検知した床の汚れ具合に応じて、洗剤量も自動的にコントロール。全部おまかせで掃除できます。

洗剤用タンクの満容量は、清水タンク約20回分の掃除に対応。洗剤の補充頻度が低く、その点でも手間いらず。ただし洗剤用タンクが空になっても、清水タンク補充表示ランプや汚水タンク交換表示ランプのようなお知らせが出ないので、常に洗剤を使いたい場合は注意が必要です。

  • 洗剤の自動投入機能を備えており、専用洗剤を使いながらの掃除が可能です

【ポイント3】ローラーブラシを自動洗浄・乾燥してくれてメンテナンスの手間が少ない

Dyad Proでぜひ注目してほしいのは、本体をドックに収納してボタンを押すと清水タンクの水を使ってローラーブラシを自動的に洗浄し、さらに温風乾燥まで自動的に行ってくれる点です。洗浄すると標準モードで約3時間、高速モードで約1時間の乾燥を行うため、生乾き臭が発生することもありません。

Wi-Fi機能を内蔵しており、「Roborock」アプリ(Android/iOS対応)を利用すれば、吸引力や水量、ローラーブラシの回転速度を好みに合わせて調整したり、乾燥時間を1時間単位で調整したりできます。本体上部にも、バッテリー残量や掃除モードなどを表示するディスプレイを搭載しています。

  • 充電ドックに設置したところ

  • ボタンを押すだけで自動的に、ロボット掃除機本体のローラーブラシ洗浄から温風乾燥まで自動的に行ってくれます

清水タンクに水を補充することと、汚水タンクの汚水を排水して水洗いすることで基本的なメンテナンスは終了します。ローラーブラシにからまった髪の毛を取り除いたり、充電ドックのトレイに汚れが残ったりした場合は水洗いする必要がありますが、メンテナンスの手間がほとんどかからないのは大きなポイントです。

最近はロボット掃除機でも、吸引・水拭き掃除に対応したモデルが増えて人気ですが、Dyad Proはそれらに比べて比較的リーズナブルなのも魅力ではないかと思います。

こんな製品もおすすめ

吸引のみにも対応し、自動モップ洗浄から送風乾燥まで備えるお買い得モデル
ハイアール「MIZUKI JC-M1A」(実勢価格:33,450円)

Dyad Proと同様に吸引と水拭き掃除を同時に行えるほか、モップローラーブラシの自動洗浄と送風乾燥に対応するお買い得モデルです。モップローラーブラシの“温風”乾燥機能や洗剤の自動投入機能は持たないものの、給水タンクには洗剤や温水を入れて掃除に使用できます。また、吸引&水拭き掃除だけでなく、吸引のみの掃除にも対応する点も特徴です。モップローラーブラシが乾いている状態なら、じゅうたんや畳の部屋でも吸引掃除ができます。1台のクリーナーで家中を吸引・水拭き掃除したいという人にぴったりです。

  • ハイアールの「MIZUKI JC-M1A」(実勢価格33,450円)、本体サイズはW261×D266×H1,116mm、重さは4.0kg

オゾン水やスチームによる掃除にも対応、かなり強力な掃除力
アンカー「マッハ V1 Ultra」(実勢価格:119,900円)

吸引と水拭き掃除を同時に行えることに加えて、約110℃のスチームと自動生成されるオゾン水によって細菌の99.9%を取り除けるというフラッグシップモデルです。吸引力は16,800Paをうたい、最大82分の連続運転が可能。充電ドックでモップを自動洗浄・乾燥する機能や、掃除中にもモップを自動洗浄する「Always Clean Mopテクノロジー」、床を水拭きしながら後ろに温風を出して掃除直後に床を乾かす機能も備えています。吸引・水拭き同時のスマートモード、トリガーを引いている間だけ110℃スチームを噴射するスチームモード、吸引のみのモードを使い分けられます。

  • アンカーの「マッハ V1 Ultra」(実勢価格119,900円)、本体サイズはW278×D240×H1,178mm、重さは約4.8kg