暮らしの中でふと出てくるいろいろなお悩み、家電を利用して解決できることは多いもの。IT・家電ジャーナリストで家電製品総合アドバイザーの安蔵靖志さんに、おすすめ家電や使い方を紹介してもらいます。
今回のご相談
うちの冷蔵庫は容量が少なくて、テレビで業務用スーパーや激安スーパーの特集を見るたびに大容量の冷蔵庫が欲しくなります。でもキッチンの冷蔵庫スペースが狭いため、大きな冷蔵庫は買えません。そこで2台目の冷蔵庫か冷凍庫を検討しているのですが、おすすめは何でしょうか? リビングかダイニングに置くことになると思うので、おしゃれなデザインが希望です。(30代・女性)
シャープ「グルメクール FJ-HM7K」(実勢価格:60,000円前後)をおすすめします
冷凍食品やホームフリージングした食品を保管する「セカンド冷凍庫」は、コロナ禍でステイホーム生活が始まったころから注目度が高まりました。大きい製品ほどたっぷり備蓄できる点が魅力ではあるものの、置き場所の問題があります。また、置き場所によっては圧迫感があって困るという家庭も多いのではないでしょうか。
とにかく容量を増やしたいという人には、定格内容積100L以上のモデルをおすすめします。さらにスタイリッシュなデザインのセカンド冷蔵庫が欲しいという人は、シャープの「グルメクール FJ-HM7K」(以下、グルメクール)に注目してみてください。おすすめしたいポイントは以下の通りです。
- 霜取りが不要な間冷式(ファン式)で、定格内容積は72Lと十分な容量
- スタイリッシュなデザイン、ドアは左右開きどちらでも使える
- 用途やライフスタイルに合わせて冷凍・微凍・冷蔵モードを切り替えられる(全9段階)
【ポイント1】霜取りが不要な間冷式(ファン式)で、定格内容積は72Lと十分な容量
セカンド冷蔵庫を選ぶとき、まず重要なのは「冷却方式」と「定格内容積」です。冷却器で庫内を直接冷やす「直冷式」は仕組みがシンプルで小型化しやすくく、価格も抑えられる半面、庫内に付いく霜を取り除く作業が定期的に必要です。一方、冷却器からの冷気をファンで循環させる「間冷式(ファン式)」は、自動的に霜取りを行ってくれるのでほぼメンテナンスいらず(メインクラスの冷凍冷蔵庫も間冷式です)。セカンド冷蔵庫には間冷式のほうがよいでしょう。
もう一つ、定格内容積はしっかり検討したいところ。この数字が大きければ大きいほど、たくさんの食品を収納できますが、本体サイズも大きくなります。
シャープのグルメクールは72Lの定格内容積を持ち、実質的に収納できる食品の目安は約51Lです。セカンド向けの冷蔵庫として決して大きくはありませんが、450Lクラスの大型冷蔵庫でも冷凍室の実質容積は50~70L程度。このクラスの冷蔵庫を使っている家庭なら、グルメクールを冷凍モードで使う場合、冷凍室が2倍近くに増える計算です。また、グルメクールの年間消費電力量は277kWh/年、電気代の目安は8,587円/年(1kWhあたり31円で計算)となります。
【ポイント2】スタイリッシュなデザイン、ドアは左右開きどちらでも使える
セカンド冷蔵庫・冷凍庫の白一色のデザインが多いものですが、グルメクールは高級感のあるメタルドアを採用しており、インテリアになじみやすい点も魅力です。
「つけかえどっちもドア」にも注目。一般的な小型冷蔵庫は左右どちらか一方にしかドアが開きませんが、グルメクールはドアをいったん外して付け替えることで、開閉方向を変えられます。付け替えなしで左右に開閉するシャープ独自の「どっちもドア」(メインクラスの冷凍冷蔵庫に採用)よりは使い勝手が落ちますが、設置場所に合わせて開閉方向を変えられるのは便利です。
【ポイント3】用途やライフスタイルに合わせて冷凍・微凍・冷蔵モードを切り替えられる(全9段階)
セカンド冷蔵庫には「冷蔵」「冷凍」を切り替えられるものもありますが、グルメクールはさらに細かく温度帯(全9段階)を設定できる点が特長です。
- 冷凍モード:-21℃、-18℃、-15℃
- 冷蔵モード:0℃、3℃、6℃
- 微凍モード:-7℃、-5℃、-3℃
このうち「微凍モード」は、生鮮食品をより長持ちさせられるパーシャル温度帯です。庫内には、シャープ独自のイオン物質「プラズマクラスター」を発生するユニットも搭載しており、冷蔵モード時にはプラズマクラスターによって浮遊菌や付着菌の繁殖を防ぎます。プラズマクラスターは除臭効果も期待できます。
また、庫内レイアウトのバリエーションも豊富。横開きのセカンド冷蔵庫では、庫内が棚になっているものと、複数の引き出しに分かれているものがあります。たくさんの冷凍食品をきっちり並べて分かりやすく収納したいという人には引き出しタイプが便利な一方で、基本的に庫内のレイアウトは変えられません。
グルメクールは冷凍・微凍・冷蔵という温度帯を切り替えられることから、最下段のみ引き出し(ケース)で、その上は2枚のガラス棚を採用しています。ガラス棚の位置を2段階で変えたり、引き出しを取り外したりすることで、冷凍食品だけでなく生鮮食品、ペットボトルなどの飲料、一升瓶なども含めてさまざまな食品を収納できるようになっています。
こんな製品もおすすめ
冷蔵への切り替えも可能な107L冷凍庫
ハイアール「JF-NUF107A」(実勢価格:36,000円前後)
シンプルですっきりした本体は、定格内容積107Lながら幅約45cmのスリムボディ。透明の引き出し×4段に、たくさんの食品を整理して保存できます。最上段はガラス棚です。
温度帯は、冷凍モードで「強め(約-18℃)」、「弱(強め+約4℃)」、「中(強め+約2℃)」、「強(強め-約2℃)」、さらに「急冷凍(強め-約6~8℃)」を用意。加えて2種類(約2℃・約4℃)の冷蔵モードにも切り替えられます。年間消費電力量は240kWh/年、電気代の目安は7,440円(1kWhあたり31円で計算)です。価格、容量、電気代のバランスに優れたモデルです。
5段階の温度設定に対応し、3段の引き出しも便利な161L冷凍庫
ツインバード「HF-E916」(直販価格:59,800円)
上で紹介した2機種のように冷蔵温度帯への切り替えはできないものの、定格内容量161Lと圧倒的な大容量を実現した冷凍専用モデルです。カラーはメタリックブラックとホワイトを用意し、庫内の上2段はガラス棚、下3段は引き出しを採用しています。
温度帯は冷凍のみですが、通常の「中(約-18℃)」に加えて、「弱(中+3~4℃)」、「強(中-3~4℃)」まで5段階の調節が可能。急冷モードもあります。HF-E916の年間消費電力量は257kWh/年、電気代の目安は7,967円(1kWhあたり31円で計算)です。大容量ながら、電気代の面でも魅力があります。