諸事情により、社内で設計中のデータを外部へ出さなければならない場合があります。設計データは企業のノウハウが詰まった重要な機密情報であり、設計データがそのままの状態で外部で扱われるのは非常に危険です。

設計データを外部で扱う必要がある場合、万一の事態に備え、情報漏洩対策として、設計の詳細な内容を特定できないように事前にデータの簡略化が必要になります。

SOLIDWORKSデータを簡略化する場合、フィーチャー・構成部品の抑制、削除等の作業が必要になりますが、手動でモデルを簡略化するには手間がかかりすぎます。

部品ファイルの場合

  1. 形状を構成する多数のフィーチャーの中から特定し、抑制・削除する。概略形状が維持されるように抑制する必要があり、フィーチャー履歴を把握していないと簡略化が難しい。

アセンブリファイルの場合

  1. 不要な構成部品を判別し、抑制・削除する。
  2. 部品ごとにフィーチャーを特定し、抑制・削除する。各部品ごとに簡略化作業が必要になり、アセンブリの簡略化に手間がかかります。

これに対し、SOLIDWORKSには簡略化形状を作成するための機能として、Defeature機能が搭載されています。

Defeature機能を使用するメリット

Defeature機能では、フィーチャー抑制等の手間をかけずに、効率的に簡略化データを作成することができます。

  • 保持する要素、削除する要素を指定するだけで簡略化形状を自動作成できます。
  • アセンブリ上でも各構成部品を同時に簡略化することができます。
  • 構成部品をグループ定義することで合致による機能を維持することができます。
  • 簡略化したボディを別ファイルで作成するため、参照関係によるエラーはありません。

これらの機能を使用することで、以下のことを可能にします。

  • 設計以外の現場でデータを使用する際の簡略化の手間を削減
  • データ持ち出しのたびに簡略化作業をする設計者の負担を軽減

Defeature機能を活用した簡略化形状の作成

Defeature機能は、条件を設定するだけで、部品・アセンブリを自動で簡略化し、新規にボディファイルを作成します。

1. 部品のDefeature
部品ファイルの場合、部品上の保持したい形状、削除したい形状をそれぞれ指定するだけで自動で簡略化形状を作成します。

(1)保持要素としてフィーチャー、面を指定

(2)削除要素として自動的に削除されなかったフィーチャー・面を指定

(3)簡略化した形状を別部品として作成

フィーチャー数の多い複雑な部品も自動で簡単に簡略化が可能です。

2. アセンブリのDefeature
アセンブリファイルを対象にDefeatureを行う場合、保持・削除要素の選択のほか、合致定義された部品間でグループ指定することで機構を維持しながら形状を簡略化することが可能です。

アセンブリ上で不要な構成部品を手動、もしくは自動で選択し、合致(機構)を維持するために駆動する部品ごとにグループを定義します。

(1)不要な構成部品の削除

(2)機構を維持させる部品ごとにグループ定義

(3)保持要素としてフィーチャー、面を指定

3.削除要素としてフィーチャー、面を指定

Defeatureによるデータ授受の効率化

SOLIDWORKSのDefeature機能を使用して、詳細なモデルから1回の簡潔な操作で不要な部分を除去して簡略化モデルを迅速に完成することにより、設計者の負担を軽減し、データの再利用を可能にします。

これにより、公開不可能な形状や部品などの情報漏洩対策を行い、SOLIDWORKSのネイティブデータ授受を容易かつ円滑に行えます。

(本稿はCAD Japan.comより提供を受けた記事を編集したものです。)