エプソンダイレクトの「Endeavor NJ5200Pro」は、同シリーズのフラグシップモデルとなる高性能ノートPCだ。CAD/CGなどのクリエイト/デザイン系業務に加え、家庭向けのPC、特にゲームマシンとしても十分なパワーを持つ。第1回では、ゲーム系のベンチマークを交えながら、その使用感をレビューしよう。

試用機の主な仕様 [CPU] Intel Core 2 Duo P8400(2.26GHz)(※注)   [メモリ] 2GB(DDR3 2GB×1)   [HDD] 160GB(SATA 7200rpm)   [光学ドライブ] コンボドライブ(CD-R/RW、DVD-ROM) OS   [グラフィックス] NVIDIA GeForce 9800M GT 512MB   [ディスプレイ] 15.4型ワイド(1,440×900)   [サイズ/重量] W364×D269.5×H37~52mm/約3.3kg   [OS] Windows Vista Home Premium SP1   [直販価格] 147,000円から
(※注)記事公開時点ではP8400は販売終了しており、扱っていない

高級感あふれるハイスペックノート

ここ数年で、PC市場の主戦場はデスクトップからノートへと移り変わった。現在は、ネットブックやUMPC、ミニノート、エントリーモデルからビジネスノートなどなど、さまざまなジャンルのノートPCがリリースされている。ハイスペックノートもそのひとつで、その性能はいまやミドルクラスのデスクトップに勝るとも劣らない。場所を取らずに気軽に持ち運べることを考えれば、むしろノートPCのほうが需要が高いだろう。

エプソンダイレクトの「Endeavor NJ5200Pro」も、そんなハイスペックノートのひとつとしてカテゴライズされるマシンだ。製品版のCPUは最低でもCore2 Duo P8600(2.4GHz)、NVIDIA製のGPUを搭載するなど、パワーユーザーの要求に十分応えうるスペックを誇る。ビジネスに使えるのはもちろん、3Dゲームや音楽・動画などのコンテンツ製作にも向くだろう。

表面は光沢がなく、サラサラとした感触が心地よい

まずは、本体の外観から。天板には、網目模様の「ドライカーボン」を使用。ドライカーボンは、レースカーや航空機などでも利用されるだけあって、その剛性は折り紙つきだ。表面は光沢がなく、サラサラとした手触りである。最近はデザイン性重視から天板を光沢仕上げに加工する製品も多いが、指紋や油脂がつきやすいので、筆者としてはコチラのほうが好みである。

本体の天板の全体写真。網目模様が落ち着いた印象を与えている

パームレストを中心としたキーボード周辺には、汚れが付着しにくい「パピレスコーティング」が施されている。見た目は目の細かい金属用紙やすりのようだが、手触りはサラサラとしていて良好。水や油をはじく特徴があるとのことで、実際に油性マジックで書いてみた。まずはテープを付着させてからはがすと、かなりの汚れが落ちた。若干あとが残っているものの、消しゴムでこすると完全に見えなくなった。

パピレスコーティングで汚れの付着しにくいパームレスト

油性マジックでパームレストに落書きをする

一般的なセロファンテープを貼り付ける

テープを強くこすったあと、はがすと汚れが落ちた

仕上げは消しゴムで。円を描くようにこするのがポイント

全体的にしっとりとした落ち着いた雰囲気であり、どんなシーンにもフィットするデザインである。ヘンにキラキラ、ギラギラしたデザインのマシンよりも使いやすく、愛着がわくボディだ。

目に優しい液晶と、使いやすいキーボード

非光沢タイプのため光の映りこみが少ない。視野角も広いので、どの角度からでも視認性は高い

液晶ディスプレイは、15.4型ワイド(1,440×900) の非光沢タイプ。光沢タイプに比べると発色やコントラストはやや劣るようにも思えるが、特に気になるレベルではなかった。むしろ、光の映り込みが少ないためどんな角度からでも見えやすく、ジャマな光で目が疲れるといったこともない。

液晶ディスプレイから映像を見た感じでは、ややくすんだ印象を受ける。特に、黒の部分が濃いグレーのように見える時もあったり、精細さに欠けるような印象を受ける場面もあった。ただし、これは非光沢タイプ液晶の宿命でもあり、また仕事上の理由でいくつもの光沢タイプディスプレイを見てきた筆者の、個人的な主観である。光沢/非光沢を並べて比べれば違いがわかるかもしれないが、まず違いを意識することはないだろう。

Windows Vistaのサンプル画像を表示。発色がよくないのは、元画像のコントラストが低いため

テキストを表示したところ。にじみもなく、精細に表示される

キーストロークは2.5mm。ノートPCとしては深い部類に入る

キーボードのキーピッチは19mm。デスクトップ用のフルキーボードと同レベルのサイズで、大きくて使いやすい。キーストロークも2.5mm確保され、確かな打ち応えを感じる。キー配列は平均的なノートPCと同じ。ただ、[Fn]キーが左端に配置されているため、デスクトップと同じ感覚でタッチタイピングを行なうと、[Ctrl]キーと[Fn]キーを押し間違えることもあった。

平均的な87キーの配列。キーが大きい印象を受ける

また、[Enter]キーや[BackSpace]キーなどがかなり大きく、入力しやすいのがうれしい。そのかわり、[Space]キーがやや短い印象を受けた。使う機会の少ない[変換]キーや[カタカナひらがな]キーを小さくしてスペースを確保してくれるといいのだが、贅沢な要望だろう。

[Enter]キーは、アルファベットキーの4倍程度の大きさ

タッチパッドのサイズはW71×H63mm。表面はサラサラとしていながらも確かなグリップ感があり、ストレスなく操作できる。油脂による汚れが目立ちにくい点もポイントだ。ボタンは下部に配置され、中央に指紋認識センサーが配置されている。ボタンの押し心地はやや硬く、押し込むように操作しなければならない。

タッチパッドの表面にも特殊な加工が施され、油脂による汚れがつきにくい

電源ボタンや各機能の切り替えボタン。タッチパッドと同様、押し込むように操作する

充実したインタフェース類

つぎに、インタフェース類を見てみよう。USB 2.0×4(うち1基は、eSATA端子としても利用可能)、IEEE1394、有線LAN端子、DVI端子など、標準的なインタフェースに加え、HDMI端子を搭載。液晶テレビに接続すれば、大画面でのゲームプレイやDVDビデオの視聴が可能だ。カードスロット類は、ExpressCard/34 /54スロット、3 in 1メモリスロットなど。

本体前面には、左からオーディオ端子類、IEEE1394端子(4ピン)を配置

本体背面のレイアウト。左からDVI端子、HDMI端子、eSATA&USB2.0端子、AC端子が配置されている

本体右側面には、光学ドライブのみ

本体左側面。左側から、ExpressCard/34 /54スロット(上)、3 in 1メモリスロット(下)、USB 2.0×2、有線LAN端子、モデム端子が用意されている

光学ドライブは、基本構成のモデルでCD-R/RW&DVD-ROMに対応のコンボドライブ。2層書き込み対応のDVDスーパーマルチドライブも用意されているので、ぜひこちらを選びたい。また、Blu-rayドライブを利用したい場合は「地デジ/Blu-ray対応モデル」を検討するといい。「スリムBlu-ray Discコンボドライブ」(CPRM対応/再生ソフト付き)を内蔵するよう選択できる。

光学ドライブには、コンボドライブかDVDスーパーマルチドライブかを選択可能。地デジ/Blu-ray対応モデルならBlu-rayドライブを指定できる

Expressカードスロットの下に、SD/MMC/MS対応のカードスロットを配置

モデム端子も標準で用意。一般家庭ではほとんど使われないが、ビジネスではFAX送信時に便利

ACアダプタは約17cm

GPU搭載マシンはやはり快適だった!!

出荷時のデスクトップ画面。プリインストールソフトのアイコンも少なくシンプル

最後に、Windowsの使い心地を検証しよう。試用機のOSは、Windows Vista Home Premium SP1。基本構成モデルでは、Windows Vista Home Basic SP1が搭載されている。CPUやメモリは十分なパワーや容量があるだけに、Windows Vistaは快適に動作する。エクスペリエンスインデックスの基本スコアは5.0で、使用上何の問題もない。

Windows Vistaのエクスペリエンスインデックスの基本スコア。グラフィックス性能が高い

今回はゲームで使用することを前提に、ゲーム系のベンチマークを中心に検証を行なった。まずは、おなじみFuturemark系ベンチマークの結果からご覧いただこう。

3DMark Vantage(「Entry(1,024×768)」)
総合スコア GPU CPU
E9905 16980 4402
3DMark Vantage(「Extreme(1,900×1,200)」、外部ディスプレイ接続)
総合スコア GPU CPU
X1567 1516 4483
3DMark06(1,024×768)
総合スコア SM2.0 HDR/SM3.0 CPU
9739 4524 4698 2073
PCMark Vantage(外部ディスプレイ接続)
総合
スコア
Memory TV and Movie Suite Gaming Suite Communication Suite Productivity Suite HDD Test Suite
3584 2918 2820 3659 3643 2897 3271
PCMark 05
総合スコア CPU メモリ グラフィックス HDD
6810 5550 4930 11371 5302

いずれのテストでも、グラフィックス系の数値がバツグンに高い。さすがは、GeForce 9800M GTといったところだろう。試しに3DMark Vantageでもっとも重いベンチマークを行なったところ、カクカクとはしているものの、比較的普通に表示されるレベルだった。

ゲーム系ベンチマークの結果は、以下のとおり。なかでももっとも重い「Crysis」のベンチマークで、平均32~34fpsをたたき出した点に注目したい。このレベルのスコアなら、あと2~3年は常に最新の3Dゲームを楽しめるだろう。

Crysisベンチマーク
CPU Bench GPU Bench
32.54fps 34.22fps
ロストプラネット体験版ベンチマーク
snow cave
61fps 44fps
FFベンチ
Lowモード Highモード
8981 6885
その他のベンチマーク
モンスターハンターフロンティアオンライン ベンチマーク 6182
(1,440×900、フルスクリーン)
銀河英雄伝説ベンチマーク 3983
信長の野望オンラインベンチマーク 314

Core 2 Duo P8400とGeForce 9800M GTのパワーによって、全体的にかなり評価の高い結果が得られた。オンラインRPGやFPSなどを(マニア的ではなく普通に)プレーする分には、まったく問題ない。液晶テレビや外部ディスプレイがあるなら、ぜひ1,920×1,200でプレーしてみてほしい。いままでとは比べ物にならない迫力を味わえるだろう。まさに、ゲーミングノートとしても十分価値のあるマシンである。

ハイスペック仕様がお買い得感あり

基本構成のモデルなら価格は147,000円で、フラグシップモデルとしては安い。しかしゲームを楽しむのであれば、CPUとGPUにはこだわりたいところ。以下の表は、基本構成と最強の組み合わせ、そして試用機の構成と価格を比較したものだ。最強構成ともなるとかなりスペックは高いものの、353,850円と値段もかなり高い。ゲームマシンとして理想的なのは、やはり試用機と似た構成だろう(Intel Core2 Duo P8400の取り扱いは終了しているため、P8600(2.4GHz)を選択するといい)。HDDや光学ドライブなどを調整すれば、もう10,000~20,000円は安くなるかもしれない。200,000円前後でこのレベルのゲーミングノートが手に入るのなら、かなりお買い得だ。

■参考仕様(試用機、最小、最強構成のスペックと価格の違い)
試用機 基本構成 最強構成
CPU Intel Core2 Duo P8400(2.26GHz)(※注1) Intel Core2 Duo P8600(2.4GHz) Intel Core2 Duo T9800(2.93GHz)
メモリ 2GB(DDR3 2GB×1) 1GB(DDR3 512MB×2) 4GB(DDR3 2GB×2)(※注2)
HDD 160GB SATA 7200rpm 80GB SATA 5400rpm 500GB SATA 5400rpm
ディスプレイ 15.4型ワイド(1,440×900) 15.4型ワイド(1,920×1200)
グラフィックス NVIDIA GeForce 9800M GT 512MB NVIDIA GeForce 9600M GS 256MB GeForce 9800M GT 512MB
光学ドライブ DVDスーパーマルチ コンボドライブ(CD-R/RW、DVD-ROM) DVDスーパーマルチ
OS Windows Vista Home Premium SP1 Windows Vista Home Basic SP1 Windows Vista Ultimate SP1
無線LAN - IEEE802.11a/b/g/n対応
Intel Turbo Memory - 4.0GB
その他 - Bluetooth 2.0+EDR
直販価格 256,200円(※注1、1月9日時点) 147,000円 353,850円
(注1) 記事公開時点ではP8400は販売終了しており、扱っていない
(注2) 使用可能容量は3GBとなる

実際のところ、同レベルのノートは、他社メーカーからもリリースされている。しかし、200,000円前後でゲーミングマシンとして使える価格の安さや、高級感のあるデザインは、他社製品にはない魅力だ。また予算がある程度多いなら、可能な限りハイスペックな構成にまとめるのもいいだろう。高性能なCPUやGPUはもちろん、Intel Turbo Memoryや無線LANも捨てがたい。

また仕事や趣味で3D CGツール/CADソフトを使うなら、OpenGLに対応したNVIDIA Quadro FX2700Mを選ぶのもアリだ。Endeavor NJ5200Proは、仕事から趣味、ゲームまで、幅広いシーンで活躍するに違いない。

■仕様(基本構成時)
製品名 Endeavor NJ5200Pro
CPU Intel Core2 Duo P8600(2.4GHz)
チップセット Mobile Intel PM45 Express
メモリ 1GB(DDR3 512MB×2)
HDD 80GB(SATA 5400rpm)
光学ドライブ コンボドライブ(CD-R/RW、DVD-ROM)
グラフィックス NVIDIA GeForce 9600M GS 256MB
ディスプレイ 15.4型(1,440×900)
オーディオ Intel High Definition Audio
ネットワーク 10/100/1000BASE-T対応有線LAN
インタフェース USB 2.0×4(1ポートはeSATAと共用)、IEEE1394×1、DVI-I×1、HDMI×1、3in1メモリカードスロット×1
バッテリ駆動時間 約3.4時間(Windows Vista)/約4.0時間(Windows XP)
サイズ/重量 W364×D269.5×H37~52mm/約3.3kg
OS Windows Vista Home Basic SP1
備考 指紋認証/TPM(セキュリティチップ) TCG準拠 v1.2搭載
直販価格 147,000円から

高橋量(デジタル・コンテンツ・パブリッシング)