東京都は、メタバースを活用して東京の魅力を国内外に発信する「Virtual Edo-Tokyoプロジェクト」を、2024年1月18日から2月12日まで、メタバースプラットフォーム「cluster」で開催している。

  • 1月18日~2月12日まで開催されている「Virtual Edo-Tokyoプロジェクト」

    1月18日~2月12日まで開催されている「Virtual Edo-Tokyoプロジェクト」

東京都では、最先端のテクノロジーや多彩なアイデア、デジタルノウハウによって、世界共通の都市課題を解決し、持続可能な新しい価値を生み出す「Sustainable High City Tech Tokyo (SusHi Tech Tokyo)」を推進しており、その取り組みのひとつとして、2024年4月27日から5月26日まで、「SusHi Tech Tokyo 2024」を、東京ビッグサイトをはじめとした複数の会場で開催する予定だ。同イベントの開催100日前をきっかけに、メタバース空間で、東京の歴史や文化、産業の魅力を発信する場を用意した。

Virtual Edo-Tokyoプロジェクトでは、江戸城の散策を通じて江戸の文化を体験できる「Edo Area」、SusHi Tech Tokyo 2024に出展するテクノロジーなどを体感できる「SusHi Tech Tokyo Area」、東京の多彩な産業の魅力を体験できる「Industry Area」、デジタル空間を生かしたイベントに参加できる「Stage Area」、参加者の自由な発想による新たな東京の魅力を発見する「New Tokyo Area」、職業体験や美術館、アトラクションが集合する「Park Area」の6つのエリアで構成。エントランスでは、各エリアにワープできる機能のほか、日本語と英語で24時間対応してもらえるツアーデスクも用意している。

会期中には、に東京の若者ファッションの変遷や特徴を紹介する「TOKYO FASHION TALK」、仮想空間でライブを届ける「MUSIC LIVE」、東京の産業の魅力をクイズで掘り下げる「TOKYO QUIZ CHALLENGE」のほか、江戸城を巡りながら、江戸の食や着物などについて学ぶ「バーチャル江戸ツアー」、親子でバスガイドをはじめとした3つの仕事を体験しながら学べる「メタバースで東京のおしごと体験」、仮想空間で活躍するダンサーや書道家によるパフォーマンスを体感できるイベントなどが用意されている。また、毎週水曜日には、応援サポーターがメタバース空間内を回遊してライブ配信を行う。

Virtual Edo-Tokyoプロジェクトでは、約50人のVirtual Edo-Tokyo応援サポーターが参加し、メタバース空間を盛り上げている。Virtual Edo-Tokyo応援サポーターの一人であるきゃりーぱみゅぱみゅさんは、「エリアごとに魅力があり、楽しいことがてんこ盛りの会場になっている。楽しみながら勉強ができるのは今の時代にあっている。バーチャル空間ならではの新しい感覚のなかに、東京の魅力が詰まっている」と述べた。

  • 開幕に先駆けてメディア向けに行われた先行公開の様子。サポーターを務めるきゃりーぱみゅぱみゅさんが参加

  • オープニングイベントでバーチャルテープカットを行うきゃりーぱみゅぱみゅさん、(中央)と松村沙友理さん(右)

1月18日午後8時から、オープニングイベントが行われ、知事アバターによる挨拶も行われた。

東京都の小池百合子知事は、アバターを通じて、「Virtual Edo-Tokyoは、メタバースを活用して、東京を国内外に発信するプロジェクトであり、東京とそのルーツ、江戸の歴史や文化、産業など、多彩な魅力を発信している。企業の出展や、一般の皆様からのアート、写真の応募、都立高校生による制作など、多くの人が参加しており、出展者の個性あふれるユニークな東京を堪能してほしい。また、4月末から東京ベイエリアで開催するSusHiTech Tokyo 2024のコンセプトを感じられるエリアも用意している。さらに、様々なイベントも開催しており、間近で見られるパフォーマンスや、出演者とのコミュニケーションは、メタバースの醍醐味である。Virtual Edo-Tokyoを存分に楽しんでほしい」と呼びかけた。

  • 1月18日のオープニングイベントには都知事アバターも登場した

今回の取り組みは、リアルイベントを盛り上げるための事前企画という位置づけではあるが、自治体によるメタバース空間を利用したイベント開催への新たな挑戦という見方もできる。メタバースの活用方法が模索されるなかで、自治体によるメタバース空間の活用がどんな効果を発揮し、成果をあげるのかが注目される。

なお、会場に参加するには、clusterのアプリをダウンロードする必要がある。

Windows、Mac、VR、スマホで利用できる。Chromebookは動作対象外となっている。

推奨環境は、Windowsが、Intel Core i5-4590 / AMD FX 8350 以上、Intel Iris Graphics 540 以上、メモリ8GB 以上、ストレージ空き容量が最低 2GB 以上。Macは、MacBook Air 2020年モデル 以降、OSはBig Sur 11.0 以降、SoCはAppleシリコン(M1)以上、メモリは8GB 以上、ストレージ空き容量は最低 2GB 以上。VR版は、Intel Core i5-4590 / AMD FX 8350 以上、NVIDIA GTX 970 / AMD R9 290 以上、メモリは8GB 以上、ストレージ空き容量は最低 2GB 以上、SteamVRがインストールされていること。スマホでは、iOSがiPhone X 相当以上、Androidは、Google Pixel 3 相当以上、メモリは3GB 以上、GPUはOpenGL ES 3.0 以上をサポート、ASTCテクスチャ形式をサポートしていることが条件となっている。

ダウンロードサイト:https://cluster.mu/downloads

写真でVirtual Edo-Tokyoプロジェクトの様子を紹介する。

  • 参加するには「cluster」のアプリをダウンロードする必要がある

  • アバターを選択して参加する

エントランス

  • エントランスの様子。ここから6つのエリアにワープできる

  • 江戸城、富士山、東京タワー、東京スカイツリーなどをデザイン

  • 寿司をデザインしたオブジェを設置している

  • こちらは江戸時代の寿司を再現したという

  • 中央に浮かぶSusHi Techロゴに移動して撮影が可能だ

Edo Area

  • Edo Areaでは江戸時代の街の様子を再現している

  • 江戸図屏風(江戸前期)や熈代勝覧(江戸後期)で描かれている町人が再現されている

  • 江戸城のなかにも入ることができる

  • クイズに答えるとメタバース空間で利用できるアクセサリーがもらえる

  • 町人に近づくとゲームのヒントが得られる

  • このエリアではグルメスタンプラリーを開催

  • 天守閣に登ると町全体が見渡せる

SusHi Tech Tokyo Area

  • SusHi Tech Tokyo Areaの様子

  • SusHi Tech Tokyo 2024に出展するテクノロジーなどを体感できる

  • 空間は東京湾のなかにある雰囲気を演出している

  • メタバース空間で空飛ぶクルマに乗る体験もできる

Industry Area

  • Industry Areaの様子

  • エリア内はビジネス街のようなデザインになっている

  • 東京の多彩な産業の魅力を体験できるIndustry Area。約30社が出展している

  • テクノロジー、フード、エンタメ・ファッション、トラベル・ショッピングの4つのフロアを構成

New Tokyo Area

  • New Tokyo Areaは近代的なデザインになっている

  • 公募で集まった東京の魅力を表現したアート作品を展示

  • 東京都立新宿山吹高等学校と東京都立六郷工科高等学校の高校生が空間を更新し、徐々に完成させていくという

Park Area

  • Park Areaの様子

  • Park Area全体を見渡しながら回れる空中歩行アトラクション

  • 超難関バーチャルアスレチック「JUST UP」

  • 東京都現代美術館で行われている「シナジー、創造と生成のあいだ」とのコラボレーションも行われている

  • バスガイド、板前、ガントリークレーン操縦の仕事を体験できる

Stage Area

  • Stage Areaでは3つのスクリーンが設置され、様々なイベントが行われる

  • アバターの参加者たちは拍手したりできる

  • 風景には星空保護区に認定されている神津島の星空を360度カメラで撮影した写真を使用している