Excelのセルに入力した文字列の全角・半角を変換したり、英文字の大文字・小文字を変換したりしたいケースは意外と多いものです。ASCやJIS、UPPER、LOWER、PROPERといった文字列関数を使えば、簡単に変換して別のセルに表示させることができます。

本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの使い方を解説していきます。記事の制作には、執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016を使用しています

文字列関数を覚えると変換が容易に

カタカナや英字の全角(2バイト文字)・半角(1バイト文字)を変換したい場合は、「ASC」関数と「JIS」関数を使います。ASCは全角から半角、JISは半角から全角に変換することができます。

英字の大文字と小文字を切り替えるには、「UPPER」関数や「LOWER」関数を使います。UPPERはセル内のすべての英字を大文字に変換、LOWERはセル内のすべての英字を小文字に変換します。

さらに、英字の文字列の最初の1文字だけを大文字に変換する「PROPER」関数も用意されています。これらの文字列関数を利用することで、変換作業をスムーズに行うことができます。

ASC関数で全角文字列を半角文字列に変換

まずは、2バイトの全角文字列を1バイトの半角文字列に変換するASC関数の使い方を確認していきます。特に英文字の変換において使うことが多いので、覚えておくと便利です。

  • 1バイト(半角)の文字列に変換したいセル(画面の例ではB2)を選択して、数式バーに「=ASC(」と入力します

  • 2バイト(半角)の文字列が入力されたセル(A2)を選択して数式に入力し、「)」(カッコ)で閉じて「=ASC(A2)」という数式を完成させます

  • [Enter]キーで確定させると、A2セルの全角文字列「Office」が半角文字列「Office」に変換されます

  • 数式を入力したB2セル右下のフィルハンドルをクリックして下にドラッグし、B3セルに数式をコピーします

  • A3セルの全角文字列「オフィス」が半角文字列「オフィス」に変換されました

JIS関数で半角文字列を全角文字列に変換

今度は逆に、1バイトの半角文字列を2バイトの全角文字列に変換するJIS関数の使い方を確認していきます。半角のカタカナを全角文字に変換したいケースに役立ちます。

  • 2バイト(全角)の文字列に変換したいセル(画面の例ではB4)を選択して、数式バーに「=JIS(」と入力します

  • 1バイト(半角)の文字列が入力されたセル(A4)を選択して数式に入力し、カッコで閉じて「=JIS(A4)」という数式を完成させます

  • [Enter]キーで確定させると、A4セルの半角文字列「Office」が全角文字列「Office」に変換されます

  • B5セルに数式をコピーすると、A5セルの半角文字列「オフィス」が全角文字列「オフィス」に変換されます

UPPER関数で英字文字列をすべて大文字に変換

続いて、英字の文字列を大文字に変換するUPPER(アッパー)関数を使ってみます。すべて小文字の文字列でも一部が小文字の文字列でも、すべての英字が大文字に変換されます。

  • 数式を入力したいセル(B7)を選択して「=UPPER(」と入力し、英字を大文字に変換したいセル(A7)をクリックしてカッコで閉じ、「=UPPER(A7)」という数式を完成させます

  • [Enter]キーで確定させると、A7セルに入力された「excel」が大文字の「EXCEL」に変換されてB7セルに表示されます

LOWER関数で英字文字列を小文字に変換

UPPER関数とは逆に、文字列内の英字をすべて小文字にするにはLOWER(ロウワー)関数を使います。こちらも、すべて大文字の文字列、一部が大文字の文字列を問わず、すべての英字が小文字に変換されます

  • 数式を入力したいセル(B8)を選択して「=LOWER(」と入力し、英字を小文字に変換したいセル(A8)をクリックしてカッコで閉じ、「=LOWER(A8)」という数式を完成させます

  • [Enter]キーで確定させると、A8セルに入力された「EXCEL」が小文字の「excel」に変換されてB8セルに表示されます

PROPER関数で最初の文字だけを大文字に

英字の文字列で、最初の1文字だけを大文字にしたいことも多いはずです。PROPER(プロパー)関数を使えば、簡単に最初の1文字だけを大文字に変換することができます。

  • 数式を入力したいセル(C7)を選択して「=PROPER(」と入力し、変換元のセル(B7)をクリックしてカッコで閉じ、「=PROPER(B7)」という数式を完成させます

  • [Enter]キーで確定させると、B7セルに入力された「EXCEL」の最初の1文字だけが大文字に変換された「Excel」の文字列がC7セルに表示されました